(コラム)DOKKENの『BACK FOR THE ATTACK』を聴いて、ベテランバンドの本質を抉り出す!

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back for the attack

最近、DOKKENのアルバムであるBACK FOR THE ATTACKを取り出して聴いた。

このバンド最高傑作といわれているアルバムだし、88年の発表ながらいまだに入手可能なのは凄い。

eurokennes.blog60.fc2.com

このアルバムの再来を、94年の再結成時に期待していたのだが、それは叶わなかった。

その再結成アルバムと次のアルバムで、再びジョージ.リンチ(g)が抜けてしまったからだ。

この人が作曲の面で大きな貢献をしていたことは明白なのだ。

このバンドはシンガーのドン.ドッケンジョージの仲が悪いことは昔から有名だが、それでもヒットはしていたのだ。

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   DOKKEN


そういったことは年を重ねるごとに修復不可能になってしまうのは古今東西変わらぬ事実のようだ。

やりたくない人と一緒に無理やり一緒にやっていても、かなりの心労になってしまうのは目に見えている。

3日坊主になってしまうのだ。

インターネットでバンド名で検索すると、そのバンドが出したアルバムがすべて閲覧することができる。

しかし、ジョージ.リンチが自分がイニシアティブを握って作ったバンドであるLYNCH MOBは、94年DOKKEN再結成で一度消滅したが、その後またできたのは知っていたし、90年代半ばDOKKENの来日公演後のインタビューでDOKKENよりもやる気があるのも目に見えていたのだ。

しかし、そのLYNCH MOBで何度かアルバムを出していたのは、何となく知っていたが、最近になってウィキペディアを調べるとその数が多いのに驚いた。

その数13枚なのだ。

しかも、本家バンドであるDOKKENのスタジオアルバムである11枚よりも多いから驚きだ。

89年DOKKENが解散し、ドン.ドッケンは自らの名を冠したDON DOKKENを結成し、ジョージはLYNCH MOBを決成し、それぞれアルバムを出し、91年には来日公演をも果たした。


 
      LYNCH MOB


しかしDON DOKKENのアルバムはかなり出来が良かったが、LYNCH MOBのはそれほどでもなかったのだ。

どうもジョージは、自分がイニシアティブを握って作るといいものが作れないタイプのようだ。

しかしドンは、良きミュージシャンを集める能力にたけているようで、DON DOKKENにおいてはその手腕をいかんなく発揮して素晴らしいアルバムを作った。

しかし、ジョージとのケミストリーによっていいアルバムが作れていたことは、DOKKENのアルバムを聴けば明らかだろう。

ならば、2人が集結してアルバムを作れば、という意見にもなるが、そう簡単にいかないのがこのバンドの難点なのだ(笑)。

まるでデヴィッド.カヴァーデールとジョン.サイクスとまたWHITESNAKEで一緒になればとか、氷室京介布袋寅泰が一緒になってまたBOOWYを作ればといった議論と一緒だが、いずれも不可能なのも一緒だ(笑)

しかし、両者とも、中級ホールで数回の公演が実現できたのは、本家DOKKENでの名声や実績があったらからだろう。

当然両者ともDOKKEN時代の曲をライヴでもしていた。

しかし、そういった昔取った杵柄だけでいつまでも、人気の維持ができるはずはない。

LYNCH MOBのセカンドアルバムであるLYNCH MOBはまた不評を博した。

前作同様BURRN!では70点で終わった。

これによってLYNCH MOBへの情熱はほとんどなくなった…。

その後、DON DOKKENは解散し、DOKKEN再結成に向けて動いたのだ。

doken94

そして再結成アルバムを作り、来日公演もおこなった。

その時のアルバムはそれほど良くも、悪くもないといった感じだった。

でもいつまでも所有していたいと思えるものがあるので、このアルバムを買ってから今まで売ろうと思ったことはない。

しかし、次のアルバムであるSHADOWLIFEがかなりの不評で終わってしまったのだ。

BURRN!のレビューは3人によってなされていたが、2人が70点台をつけていたと記憶する。

それに伴う来日公演も中級ホールで刊行されたが、空きが目立っていたようで、このアルバムからの曲はしらけたが、往年のヒット曲では盛り上がるという状態だったようだ。

その後、ジョージは脱退を表明してLYNCH MOBを再結成して活動を続けていたようだが、DOKKENジョージ抜きで続行した。

正直書くと、私はデビュー作とセカンドの2つのLYNCH MOBのアルバムにはほとんど興味を覚えなかったし、DOKKENのアルバムはBACK FOR THE ATTACKはかなり良かったが、それに準じるアルバムを2つくらい作ってくれたら必ず来日公演に行くというほどになったが、そうはならなかったので関心の外になっていたのだ。

しかし、DON DOKKENのデビュー作は何度聴いたかわからないほどのめりこんだのだ。

あのバンドが続行していたらどれだけよかったかわからないほどだ。

eurokennes.blog60.fc2.com

そして、やはりジョージとドンの確執は当然あったようだが、両者とも大人になったようで、互いに罵り合うこともなく、平衡状態を続けていた。

そして両者はLOUD PARK 09』に出演し、ドンLYHCH MOBのステージに飛び入りしたようで微笑ましいことではないだろうか?



そしてそれから数えて7年後にオリジナルの再結成メンバーで日本に来て単独公演はもちろん、LOUD PARKの初日にセカンドビルとして登場した。

それは当然だろう。

80年代にこのバンドは3枚のアルバムで全米プラチナを獲得したのだから。

ハードロック華やかなりし80年代といえども、これだけの記録をした例は、そうあるものではないのだ。

トリだったSCORPIONSに次ぐ2番目の実績だったのだ。

その年に行われた来日公演の模様を収めたRETURN TO THE EAST LIVEが発売になったが単独公演の映像が入っているのみで、LOUD PARKでの映像はなしだった。



RETURN TO THE EAST LIVE


LOUD PARKでの雄姿を観た私は残念至極であった。

それ以降、このバンドはオリジナルメンバーでのスタジオアルバムを作る気配は一切なしだ。

STRYPERのマイケル.スウィートとドンが一緒になってSWEET / LYNCHなるバンドを一時的に結成してアルバムを作ったり、ドン抜きでTHE END MACHINEなるバンドを結成してアルバムを作ったりしているが、いずれもオリジナルメンバーでの活動ではないのだ。

これから先どうなるかわからない。

再結成での、94年のアルバムを作った時には、往年のファンは「またプラチナアルバムを作ってほしい!」と思った人もいただろうが、残念ながらそれは叶わなかった。

今のようなネットでいろんなバンドの、いろんな音が聴ける時代ではなかった当時においては、まだまだゴールドプラチナを獲得することは可能な時代ではあったが。

それをハードロックバンドにとって難しくしたのは、DOKKENも参加した88年に行われたVAN HALEN'S MONSTERS OF ROCKに、自分よりも前に出演したMETALLICAが91年に出したMETALLICAが空前のヘヴィでラウドな音楽ブームによってであったのは、今思えばかなり歴史的皮肉というほかない。

van halens monsters of rock

しかし、彼らが3つプラチナを獲得して、多くの人を魅了した偉業はいつまでも残ることは間違いない。

DOKKENRATT、GUNS N' ROSES、EMPEROR、BON JOVIといずれもオリジナルメンバーでアルバムを、しかも傑作アルバムを作って来日公演をおこなってほしいとファンなら誰しも思うが、メンバーの方はそういう思いを描いても精神的な、手続き的な障害が複数ありなかなか実現できなくなるのだ。

アルバムを出せば出すほど、それが世界中で勉強されている英語で歌われたCDであれば、世界中で買われ、聴かれれば印税が入ってくる。

またいろんなバンドの曲を編集したコンピレーションアルバムが出されて、それが売れたらそこでまた印税が入ってくる。

またカラオケで歌われても印税が入ってくる。

ゆえに、そんなに心身ともに苦労してアルバムを出さなくても食うに困らなくなるのだ。

そういう理由で、ベテランバンドになればなるほどアルバムを出さなくなるのだ。

ファンとしては恒常的にアルバムを出してくれたらこれほど嬉しいことはないのだが…。

食うに困らなければ、自分のやりたいことだけに集中して籠ることができるのだ。

EMPERORはその最たる例だろう。

このバンドのシンガーであるイーサンとギタリストのサモスは仲が悪いわけではないのだが、イーサーンは職人気質というか、自分の音楽を追及して創作していく欲が強いゆえに、EMPERORのアルバムの数よりも、ソロアルバムで出したもの数のほうが多い。

 
       EMPEROR

そして、これから先EMPERORのアルバムは出さないつもりだという。

このバンドによってブラックメタルに目覚めた私としては残念至極。

今年の3月にも来日してくれる手筈で嬉しい限りだが、アルバムリリースがないのが残念なのだ…。

またグレン.ヒューズは20代前半で世界的に有名なバンドであるDEEP PURPLEに加入することができた幸運のさなか、たった3つのアルバムを出しただけであるが、それが50年近くたった今でも入手可能ゆえに、食うに困らない。

また、このバンドのベストアルバムやコンピレーションアルバムの数は無数だ。

それも相まって今でも世界中から印税が入ってくる。 それで自身のソロでヒット作など出す必要はなく、自分のとことんやりたい音楽を追求することだけに主眼がいっているのだ。

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       グレン.ヒューズ

94年に出したFROM NOW ON…』は非常にコマーシャルでヒットの気質に溢れているが、それ以降はそういうものを作るのに興味がないようで、自分のやりたいことだけを音楽的に追求しているようだ。

ゆえに、このアルバム以降、私はグレンに興味が持てなくなっている。

FROM NOW ON…』だけは感動して聴きまくっているが…(笑)

ずっとオリジナルメンバーでは無理で、少しばかりのメンバーの脱退や加入はあれども、ほぼ同じメンバーでのバンドを30年以上継続している例は少ない。

AC/DC,AEROSMITH,JUDAS PRIEST,POISON,MOTLEY CRUE,NIGHT RANGER,ROLLING STONES,HUEY LEWISS AND THE NEWSといったバンドは、ほぼ恒久的なバンドメンバーで継続している稀有な例だ。



しかも、いくら年齢を重ねても音楽的な情熱を維持してアルバムを出し続けている。

誰もが模範としなければならないとはいって強制するつもりはないが、ファンとしては望ましい限りだ。

BACK FOR THE ATTACKを聴いて、いろんな思索を述べたが、この先どうなるかわからない。 今、勧めれるアルバムとして再度、このアルバムを紹介しておきたい。

●興味のある人は以下よりどうぞ!
  ↓

バック・フォー・ジ・アタック (ワーナー・ハード・ロック1500)

そのアルバムからのヒット曲が入ったクリップ集が以下です。
  ↓
Unchain the Night [DVD] [Import]

H9X1sn-s9k


●以下のサイトでも取り扱っています。
  ↓

タワーレコード

【HMV】ローチケHMV|音楽CD・DVD

今回はこれにて終了します。

ありがとうございました。

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(コラム)SEPTIC FLESHとWHITESNAKEと徳永英明を通じて趣味のスタンスを学ぶ!

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        SEPTIC FLESH



ギリシャSEPTIC FLESHインパクトは衝撃的だった、あの猟奇的なコスにもかかわらずすぐにファンになった。

まずBURRN!の評でよい点を取っていることを確認し、YouTubeで実際に聴いてみた。

それでよかったので、ネットにアクセスして買ってアルバム全部を聴いて、その良さを堪能している。

やはり徹底したヘヴィネスとスピードの追及が嬉しかったのだ。

ハードロックにしろ、ヘヴィメタルにしろヘヴィさが基調としてなければ、聴くのが難しい。

途中で止めたくなるのだ。

そして実際に止めてしまうのだ。

その2つの追及をしてくれたのみならず、ドラマ性を内包し、しかも悲壮なSEを用いたことで、さらなる気宇を有した音楽に仕上げることに貢献しているのだ。

ホラーな雰囲気をさらに醸成するには、オーケストラの音は不可欠だ。

それと忘すれてほしくないのは、プロダクションのレベルの高さである。





あまりに生々しすぎる音では、満足はしない。

やはりテクノロジーが世界的に大幅に上がった80年代の半ばに音楽を聴き始めた自分としては、あまりに前近代的な音では満足できない。

ただそれを補って余りある魅力‐例えば技巧なプレイやテクニックなど‐があれば、自然と不問にしてしまうのだ。

そういった魅力もなく、ヘヴィさもスピードも半端というのであれば自然と聴かながちになってしまい、いつしか中古盤屋に売ってしまうことになるのである。

最近、SEPTIC FLESHA GREAT MASSを聴いて、あまりの良さを認識したゆえに、すぐさまライヴ映像であるINFERNUS SINFONICA MMXIXを買ってしまったほどである。



A GREAT MASS


アルバムを聴いたときにわかったのは、このバンドの魅力を活かすには、シンフォニックなミュージックを混交させることで、さらなる音楽性の飛躍がかない、音楽的な魅力も増し、それを聴いた私は感動の渦に引き込まれることを想像できたからだ。

買って観てみるに、やはりその予感は当たっていた。

やはり、オカルトチックなミュージックにはオーケストラはさらなる魅力増を興すのだということがわかったのだ。

ただし、それを奏でるアーティスト側に、かなりの実力がなくてはならないことは言うまでもないのだ。

このバンドは、そういったものをすべて持ち合わせた稀有なバンドだ。

作曲力も演奏力もさることながら、構成力も尋常でないのだ。

そんなミュージシャンに興味のある人には、このSEPTIC FLESHはおすすめである。


“Intro & Portrait Of A Headless Man” 『Infernus Sinfonica MMXIX』収録





同じ技量の高さを持ったCRADLE OF FILTHもオーケストラとの共演をしたら、さぞかし素晴らしいライヴモノができることは間違いない。

ぜひともやってほしいものである。

Septicflesh / Infernus Sinfonica Mmxix 輸入盤
by カエレバ




SLAYER
REIGN IN BLOODMEGADETHPEACE SELLS…BUT、WHO'S BUYING?』にはかなり感動したが、それぞれのバンドのそれ以降のアルバムは、これらに抗えるアルバムがなかったがために、疎遠になってしまっていたのだ。


satugaisha  
            SLAYER



やはりヘヴィさとスピードの希薄化が主な理由であるが、そんな不満を吹き飛ばしてくれるモノを探しているのであれば、EMPERORANAAL NATHRAKHはかなりお勧めである。

そして、SEPTIC FLESHもである。

これらのバンドの魅力の虜になった人は、SLAYERMEGADETHは聴けないのではないだろうか?

過度な一般化は禁物なのは百も承知だが…。

私は、MEGADETHの30年ぶりの武道館公演に行こうとしていたが、YouTubeで最新アルバムの曲を聴くに、やはりヘヴィさが足らないし、耳朶を惹くメロディがないことが判明したがゆえに、やめようという気に傾いているのだ。

一度、タイトなプレイや作曲力を擁するブラックメタルバンドやSEPTIC FLESHの魅力に取りつかれた人には物足りないと思うのだ。

やはり他のSEPTIC FLESHのアルバムをあつめることに意識が行ってしまっているのだ。

あのPEACE SELLS…BUT、WHO'S BUYING?』のアルバム完全再現ライヴをしてくれるというのなら話は別だが…。


pisuseruzu
PEACE SELLS…BUT、WHO'S BUYING?』


しかし、これほど急激にのめりこんでしまったアーティストでも、やはりすんなりと大ファンになりえなかったのだ。

やはり前途に障害があるのだ。

聴き始めに、拒絶反応が出ることがあるのだ。

いいとは思ったけど、ここはあまり好きでないとか、物足りないといった不満が出始めるのだ。

しかし、満を持してさらに聴き進んでみる。

すると、それが気に入らなくなり、それが逆に特長に見えてくるのだ。

さらに聴く回数を重ねると、それが心地よくなりついには大ファンになるのだ。

こういうことは、ことWHITESNAKEでも経験した。

89年のMTVにおいて『SLIP OF THE TONGUE』の発売に先立ち、前作アルバムから4つのクリップと、新作からの先行シングルのクリップが流れたのだ。

その時、そのいずれもを録画していたのだ。

それまでのブルーズ色が強すぎたWHITESNAKEとは打って変わって、かなりヘヴィでキャッチーなメロを展開するように変身した様には驚愕の思いになったのだった。

“Still Of The Night”の衝撃は最たるものだった。

stillclip.jpg

これ以上のクリップを探せといわれても、今でもないのが実情だ。

その変貌ぶりに驚いたのみならずものすごいい佳曲を作るようになったバンドの変化にも驚いたのだ。

しかもメンバーは一新している。

このクリップを何度も見るうちに、かなり虜になったのだ。


●“Still Of The Night”
  ↓




しかし、それまでの私は、BON JOVIRATTといったアメリカンテイストを持つHRバンドをこよなく愛して聴いていたので、ちょっとテイストの違うWHITESNAKEを聴き続けるにはちょっとした心理的抵抗があったのだ。

しかし、それでも敢然と聴き続けるうちに、完全にWHITESNAKEの虜になったのだった。

仕事でもなんでもそうであるが、やはり新規のことをするには心理的な抵抗が存する。

「こんなことしたことないし、これまでとは違うから自分にはできない、できるわけはない!」といった反抗心が芽生える。

そこでやめたら、自分の可能性の芽を摘むことになるのだ。 心を鬼にして続けてみる。

すると、それができるようになり、「こんな面白いことだったのか!」という喜びに変わることがあるのだ。

やはり、このような過程を通じて、人間は成長するのだ。

ことはこれまでとは違った音楽を聴くことに関してもである。

しかし、ここは敢然と聴き続けるべきと思って何度も聴き続けても、好きという感情がわかなければ、そのアーティストはその人には合っていないのは明白なので、やめる方がいいだろうと思う。

そのようにして大ファンになったアーティストは、やはり永遠と大ファンのままなのではないだろうか?

こと私にとってWHITESNAKEは、そうである。

来日公演が告知された広告を見れば0.1秒で行くと決めるし、ニューアルバムが発売されればすぐさま予約を入れる。

しかし、それでも他の人が、某アーティストの大ファンになる(=必ずニューアルバムを買い、必ず公演にはいく)のは、どういう経緯を経てなるのかな、ということには興味がわく。


80年代後半BON JOVIを知り、アルバムを何度か聴くうちにすぐに好きなった。



          BON JOVI


しかし、時を経るたびにこのバンドのヘヴィさは後退し、魅力あるメロやリフは減退していった。

加えてライヴではキーを下げて歌い、ギターソロはよくないアレンジに変えられてしまう、といった理由でアルバムも買わなくなり、ライヴにも足を運ばなくなった。


しかし、このバンドは全盛期ほどではないにしろ、アルバムはヒットしているし、公演が決まれば必ずドーム規模に落ち着いている。

このバンドの片腕的存在であったリッチー.サンボラが抜けてもである。

かたやWHITESNAKE87年のアルバムはMICHAEL JACKSONの『BAD』につぐ2位を全米で記録したが、それ以降は10位、10位以内、100位圏外ということになってしまった。

白蛇の紋章
WHITESNAKE 87』

たとえ、あのデヴィッド.カヴァーデール(Vo)の年齢にもかかわらずヘヴィネスを維持して、キャッチーなメロを作り出しているにもかかわらずである。

87年のあのアルバムのヒットは日本でも凄まじかった。

以下の公演を記録したのだ。

88年 JAPAN TOUR 日程

6月11日、12日、13日、15日 代々木オリンピックプール
6月16日 横浜文化体育館
6月18日 名古屋市総合体育館
6月21日 大阪城ホール

しかし最新の単独来日公演の日程は以下になってしまった。

10月20日 大阪国際会議場メインホール
10月22日 名古屋市公会堂
10月25日 札幌 ZEPP SAPPORO
10月27日 広島 上野学園ホール
10月30日 パシフィコ横浜 国立大ホール
11月2日 東京国際フォーラム ホールA


実に半分以下の動員数である。

WHITESNAKEのあの87年のアルバムは買いライヴにも行ったけれども、最新のアルバムは買わなかったしライヴにもいかなかった、という思いでいる人は、やはり「あの87年のアルバムはよかったけれども、最新のアルバムはそう思えるリフもなく曲もよく感じれなくなった。」というだろう。

逆に、私が80年代BON JOVIのアルバムは買い、ライヴにも行ったけれども、最近のアルバムは買わず、ライヴにもいかなかった理由を聞かれたら、やはり同じように「あの87年のアルバムはよかったけれども、最新のアルバムはそう思えるリフもなく曲もよく感じれなくなった。」というのは間違いない。

これはやはり好みでもあるし、楽曲の魅力を鷲掴みにされた度合いの違いとしか言いようがないのだ。

いくらBON JOVIの魅力の減退を説いても、鷲掴みにされた人のその好みが変わるはずはないし、逆にWHITESNAKEの魅力の減退を説かれても私のWHITESNAKEへのスタンスが変わるわけはないのだ。

やはり、WHITESNAKEの大ファンにならなかった人は、部分的にはWHITESNAKEは心の隅にあるのは言うまでもない。 それはこと邦楽でも当てはまる。

私はSEPTIC FLESHを聴くが徳永英明も聴くのだ(笑)。


   
       徳永英明


この人は私が小学生の時代から知っている。

その透明感のある曲のメロディや歌メロは、日本の古き良き田園風景が思い浮かぶ音楽でありかつ、癒しの音楽そのものである。

夜型人間の私にとって、徳永の音楽は、夜聴くとこの上なくロマンティックな気分になれる至上の音楽だ。


“最後の言い訳”“輝きながら…”“壊れかけのRADIO“Love Is All”といった奥行き深い気宇を有した曲は私には不可欠の曲だ。

その他、いろんな名曲があるが、ここでは省略する。

私は、彼の某バラードベストアルバムを所有していたがその収録曲の全部を気に入るわけではなかった。

何度聴いても、そのバラードアルバムは集中できなかったので、ヤフオクで売ることにした。

すると最近すぐに入札が入った。

やはりいくらいい曲をたくさん持っているアーティストでも全部を気に入るわけではないようだ。

ゆえに、ほとんど聴かなくなったCDに関しては、手離すのがいいようだ。

やはり断捨離や風水で言われているのは10年たって使わなくなったものは手離すことで運気が上がる!」ということである。

やはりこういうスタンスがいいようだ。

いくら徳永が癒しのメロディメーカーでも、全部が全部気に入るわけではないのだ。

しかし彼の大ファンならば、全部のアルバムや全部のシングル、全部の映像モノをすべて所有しているだろう。

そんな私をその大ファンの人は、センスのない人とレッテルを貼るだろうが、仕方ない(笑)

やはり、いくらいい曲を作る人の音楽でも全部を気に入ることはないのだ。

しかし、彼のアルバムはいくつか所有しているし、同様にアルバムもである。

しかし、全部は無理だ。

やはりあのWHITESNAKE87年のアルバムを気に入ったが、それ以降はご無沙汰、という人は大勢いるだろうが、その人も同じ感懐だろう。


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WHITESNAKE


あのアルバムはいいけれども、それ以降はそれほどでも…といった感じだろう。

そういう意見が出るのはもっともだ。

そういう似た例が私は他のアーティストでもあるからだし、87年のアルバム以外あまり気に入らない理由も理解できる。

しかし、それを補って余りある魅力があると思うから、必ずアルバムは買い、毎回必ず来日公演はいくことになってしまっている。

全部のアルバムを所有しているし、全部のシングルや全部の映像モノもである。

こういう例は誰しも5指以下だろう。

どのアーティストも全アルバム、全シングル、全映像モノを集めているほど大好きなアーティストが出てくるわけもないのが普通だろう。

そんなスタンスでいいのだ。

SEPTIC FLESHからWHITESNAKE、そして徳永英明と奇妙な組み合わせで論じたが、ここは音楽的なスタンスを決める際に参考となるように論を進めたまでである。

それを決める際に参考にしてもらえれば私は幸いだと思う。

今回は、私を一発で虜にしたWHITESNAKEの4つのクリップを収めたDVD付きの87年のアルバムを紹介したい。

●以下である。
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Whitesnake

通常盤がコチラ!
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Whitesnake


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今回はこれにて終了します。

ありがとうございました。

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(コラム)今さらながらPRETTY MAIDSの魅力を深く見る!

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最近、PRETTY MAIDSのオフィシャルライヴDVDであるIT COMES ALIVE(2012年)を観た。

これはスイスでのライヴを収めたものだが、レベルの高い演奏を聴かせてくれる素晴らしいDVDだ。

しかし、メンバーが40代後半なので、ちょっと残念。

オフィシャルとしての映像は、このバンドのキャリア初というから驚きだ。

このバンドは、20代の前半にデビューしたというのに、この年齢になって初めてのオフィシャル映像というから驚きだろう。

それまでに多くの佳曲のクリップもあったし、ライヴも素晴らしいにもかかわらず…。

しかし、彼らほどの作曲能力と演奏力をもっていながら、このクラブ規模でのライブとは…と実に残念だ。



IT COMES ALIVE


このバンドを初めて知ったのは90年のことだ。

友人がこのバンドはいいということを言っていたので、実際買って聴いたらすごくよかったのだ。

ポップで、キャッチーなキーボードとギターの被さり具合、耳朶を惹く各メンバーのメロディ、マンリーなエモーショナルなヴォイス…どれを取っても、すぐにファンにならせる品位に溢れているのだ。

アメリカンハードロックをこよなく愛する人にはたまらない魅力を備えたバンドであることに間違いはなかった。

以下が90年発表の『JUMP THE GUN』収録の“Lethal Heroesである。




このバンドの出身がデンマークであることをのちに知ったのだが、そんなことを感じさせないほどのアメリカンテイストを持ち合わせたハードロックを体現していたのだ。

楽曲の幅が広いが、中でもそのドラマティックさには瞠目すべきモノがあるだろう。

このライヴモノのドたまを飾る“Pandemonium”にしろ、“Future World”にしろ、“Yellow Rain”にしろ、壮大さ荘厳さを備えている楽曲ゆえに、アリーナ以上のキャパで演奏することによって盛り上がる曲であることは間違いない。

クラブ規模のキャパでは盛り上がらない…とは言わないがアリーナでこそ盛り上がり、その魅力を大幅に彩るのは間違いない。

クラブ規模でくすぶっている曲ではないし、バンドでもないのだPRETTY MAIDSは。



そういう思いでいるファンはもっといないのだろうか?

しかし、このバンドは世界で確たる成功を収めたバンドではないのが実情だ。

でも、80年代中盤にデビューして、今でもアルバムを出してツアーを続けていられるのだから、それなりに売れていることは間違いはないのだが…。

PRETTY MAIDSと同じデンマーク出身VOLBEATは、アルバムが全米チャートで4位を記録したトンでもないバンドではあるが、音楽性事体が私の好みではない。

そして同じくROYAL HUNTプログレッシブかつネオクラシカルな音楽性を有していて私の好みではあるが、シンガーが歌詞を書けないバンド事情なのでファンにはなれないのが実情だ。

ゆえに、私の情報の少なさゆえに、まだ知らないデンマーク出身のバンドで私が好きになりそうな例はあるかもしれない。

しかし、それで割り切って話しを進めていくが、私が今の時点でデンマーク出身で最高と思えるバンドは他ならないPRETTY MAIDSなのだ。

先に瞠目すべきこのバンドの特長として、マンリーな声といったが、それはバラードでこそ1番発揮するのだ。

90年発表のJUMP THE GUNに収録の“Savage Heart”はその最たるバラードだ。



“Savage Heart”

その男らしい声に惹かれ、そして感動し、その余韻は30年以上たった今でも引くのだ。



そんな感動した曲がベストアルバムに収録されれば、その喜びは最大になるはずだし、それゆえにそのベスト盤は買って何十回いな100回以上は聴いただろうか?

しかし、そんないい声でも自身が書いた歌詞でなければ、聴き手に感動をよぶはずはないないのだ。

やはり、このバンドはシンガーのロニー.アトキンスが書いて、歌っているのだ。

だから感動せざるを得なかったのだ。

そして、ギターには耳を惹くメロディがなければだめなのだ。 随所でそういうものは散見できるし、何よりもソロが素晴らしいのだ。

ギターキッズは、無意識のうちにギターのメロに耳がいく。

そこで、耳を惹くものがなければ、そのバンドのファンにはなれない。

このバンドのギタリストであるケン.ハマーは難なく速弾きソロを展開できるが、単なる速弾きソロではなく、メロディつくりが非常にうまいのだ。



   ケン.ハマー


これは努力して身につくわけではなく、やはり生まれ持っての才能なのだろう。

非常にグッドな才能を持ち合わせている。

ロニーケンの2人がパーナメントメンバーで、90年当時からはメンバーがいろいろ替わってしまったが、この2人だけは変わらないようだ。

それでいいのだ不動のメンバーが2人いるということはいいことだ。

そんな才能やセンスが高いにもかかわらず、日本では人気が94年以降は下がっているし、各国でもそんな大きなヒットにはなっていないのが実に不思議だ。

このバンドのアメリでのヒットはFUTURE WORLDビルボード165位にまで行ったのが最高で、次のアルバムからは一切チャートインはしていないのだ。



FUTURE WORLD


それ以降は、ようやく故国デンマークでのチャートには、PANDEMONIUMMOTHERLANDLOUDER THAN EVERがインすることになり、それぞれ14位、13位、11位と上昇を続けていった。

そのFUTURE WORLDデンマークではどうだったかというと「‐」という表記になっている。

おそらく、チャートインしていなかったか、記録をしていなかったかのどちらかだろう。

おそらく後者だとは思うが、真実は確かめようもない。

私がこのバンドを初めて知った90年が、このバンド初の来日公演だったのだ。

因みに公演日程は以下だった。

9月13日 大阪サンケイホール
9月14日 横浜新都市ホール
9月17日 新宿厚生年金会館ホール
9月18日 渋谷公会堂

S席=5000円だったのでいい時代だった。

しかしそんなこと言ってはいられない(笑) この時思ったのは、このバンドは順調に活動していれば、いつかは武道館での公演が可能なのではないか、ということであった。

次のSIN-DECADE発表にともなう92年の来日でも、同規模の公演だったが、次の94年からはクラブ規模に縮小していった。

そこからキャパをアップすることは今日まで叶わなかったのだ残念ながら…。

壮大なイメージの佳曲を多数持ち合わせているゆえに、大きなキャパでこそすべきであると書いたが、このバンドがそういうキャパでした記録はないのか、と調べたくなるが、2015年さいたまスーパーアリーナでのLOUD PARKに出演はしたが、その時は出順が早かったこともあり、7曲しか演奏できなかった。

このバンドが、世界的に名を広めるきっかけになったアルバムはFUTURE WORLDで、その発表後に参加したドイツでの『MONSTERS OF ROCK』への出演だった。


mor 87
MONSTERS OF ROCK 87』


この時はトップバッターだったようだが、参加したバンドは素晴らしい顔ぶれだ。

HELLOWEEEN、CINDERELLA、RATTMETALLICADIODEEP PURPLEだ。

このバンドの中で唯一RATTの音源がオフィシャル化されているが、他のは不明だ。

願わくば、そのRATTのは映像も出してほしいものだ。

CINDERELLAMETALLICADIOのもである。



ロニー.ディオとロニー.アトキンス(『MONSTERS OF ROCK』にて)


しかし、こと、DEEP PURPLEのだけは要らない(笑)。

いや正直、このバンドの演奏レベルは低いのは誰もがうなずくだろう。

やはりこのバンドは作曲をインプロビゼーションで作るがゆえに、メンバー1人の独走は許されない。

ゆえに緊張感を落として、ジャムっていくのだ。

ゆえにそれが癖になって、レコーディングでもライヴでも出てしまうのだ。

その結果、聴けないライヴになってしまうし、魅力のないオフィシャル映像にもなってしまうのだ。

80年代半ばの空前のHRブームによって、多くのアーティストが台頭した。

それにより必然的にプレイヤーの腕は上がっていったのだ。

ゆえに、この時期以降はうまくて当たり前の時代が到来したのだ。

その時代に活躍したバンドを聴いていれば、必然的にDEEP PURPLEの演奏は低いと誰もが気付くのは当然だが、このバンドおよびギタリストのリッチー.ブラックモアの信奉者は後を絶たないのだ。


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    リッチー.ブラックモア


これぞHRの七不思議の1つである(笑)。

この人よりPRETTY MAIDSケン.ハマーの方が断然上手いし、フレーズやリフを生み出す能力やセンスでも上と思うが、そういうことを書いてあるのを見たことがないのが不思議である。

今のご時世、単独応援が難しいゆえに、フルライブを収めることはアリーナ級のメジャーなバンドでなければ難しい。

では、どうすればいいか?

やはりキャパは小さいながらも、フルライヴでしている模様を期待するしかないのだろう。

それが、先のIT COMES ALIVEなのだ。

しかし、キャパが小さくてこのバンドの壮大なイメージを擁する楽曲を映像的に活かせていないのだ。

それが残念でならないのだ。

もしかしたら、大きなアリーナトリセカンドビルなどでできているパターンもある可能性もあるのだろうが…。



       ロニー. アトキンス


このバンドを90年に雑誌で見て、その音楽的な内容を知ったときに、将来はアリーナで…と思ったがそれは叶わなかった。

しかしいつしか、それがかなうように祈りたい。

しかし、今はシンガーのロニーアトキンスの身体が心配だ。

3年前から癌がステージ4の最悪の状態になっていた。 だが不幸な報せを聞かずに過ごせている。

やはりミュージシャンでお金があるゆえに高額な治療が受けれているのだろうか。

とにもかくにも、全治してくれることを切に願っている。

そして、また日本でライブをおこなってほしいものだ。


●以下、PRETTY MAIDSの最高傑作の1つであるJUMP THE GUNを紹介したい。
  ↓


Jump the Gun


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今回はこれにて終了します。

ありがとうございました。

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(コラム) 祝!PANTERA復活、そして『LOUD PARK』復活!

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来年の3月LOUD PARKの開催が決定されたのを、ネットの記事で読んで、行くと0.1秒で決めた(笑)

2017年の最後の開催から実に6年ぶりの開催である。

これまで、なぜLOUD PARKが、開催が取りやめになっていたかをいろんな憶測が飛び交っていたが、どれが確実かはわからない。

しかし、「2023年限定」とも書いてあるが、翌年も開催されるかどうかはわからないということだろうが、翌年も是が非でも開催されてほしいところだ。

しかし、告知のポスターが2017年のそれの使いまわしなのが気になるところだ。 こういうことは初めて見た(笑)


iikalouper  
LOUD PARK 17』

そのフェスのヘッドライナーに抜擢されたのはPANTERA

実にトリにふさわしいバンドだろう。



このバンドは、急激なヒットの連発で、アメリカはもちろん、いろんな国でセカンドビルに抜擢されたのは90年代中盤から後期にかけてだ。

VULGAR DISPLAY OF POWERがチャートの上昇はそんなでもなかったが、じわりじわりと売れ続けてアメリカだけで200万枚を売り、次のFAR BEYOND DRIVENが、全米全英ともに1位を記録しプラチナを獲得。

次のTHE GREAT SOUTHERN TRENDKILLプラチナを獲得した。

これだけの勢いを連続させていれば、当然巨大フェスのセカンドビルは当然で、98年オリジナルBLACK SABBATHの復活祭では、SLAYERMEGADETHといった強豪を抑えてセカンドビルになったのだ。



そして2001年の日本でのBEAST FEASTでは当然トリになった。

彼らが日本のフェスでトリを務めるのは、実にこれ以来のことになるのだ。

これだけの活躍を見せれば、もっと多くのフェスに参加してトリになってもおかしくはないが、シンガーの薬物中毒や、ギタリストの射殺事件による死や、ドラマーの死を迎えては、順調な活動維持は叶わなかったのだ。

そして2003年には解散してしまったのだ。

それを乗り越えての今回の復活である。


“I'm Broken”FAR BEYOND DRIVEN』収録



しかし、このバンドがトリに抜擢されたことで、後に続く参加バンドは、かなりヘヴィでラウドで、スマッシングなバンドであることは間違いない。

私はハードロック派なので、どうしてもヘヴィなバンドは食傷気味であるが、それは中途半端なヘヴィさであったり、スピードであったりするのが嫌なだけで、とことんヘヴィでスピーディな音楽は大歓迎だ。



ゆえに、2017年に参加したEMPERORの良さは再確認したし、ゆえにブラックメタルにのめりこむことになったのだ。

今自分は、、いろんなブラックメタルバンドのCDがショッピングカートに入っている。

これから出場する未知のバンドの良さを会場で発見して、それからファンになれるバンドが出ることを期待しているのだ。

LOUD PARKには毎年のように通っていたが、そこでは、それまで既知ではあったが疎遠になっていたバンドではあるが、このフェスで鑑賞することでまた意識に上り、聴くようになったバンドはある。

EMPERORLACUNA COILがそうだろう。

それがきっかけで、このバンドのアルバムはほぼ揃った状態だ。

そして、それまで未知だったが、このフェスで知って、その良さに耽溺してファンになったパターンもある。

それが、SHINE DOWNMYRATHKAMELOTWITHIN TEMPTATION、AMORPHIS、DEVIN TOWNSEND PROJECT,GLAMOUR OF THE KILLといったバンドであろう。



FAR BEYOND DRIVEN


こういったバンドをフェス抜きには知ることができなかったことは間違いない。

出演時間の短さには目をつむらないといけないが、いろんなバンドを観ることで、それまでは知らなかったバンドの良さを知り、そして聴くことでファンになれるというメリットがあるのは忘れてはならないだろう。

単独公演しか行われなかった時代においては、個人で調べ、そして雑誌の評などをチェックして購入していくということしかなかったが、フェスが当然のようにある時代においては、こういうメリットがあるのだ。

フェスがほとんどなかった時代はネットが普及してなかった時代と符合する。

ネットがない時代では、新譜リリースの情報は雑誌がほとんどで、そこでいいと思われるモノをチェックして、CD屋に行って取り寄せをすることがほとんどの手段だった。



テレビやラジオでは、全部のアーティストの情報を知ることができなかった。

ゆえにこれらで流れなかったアーティストの情報は雑誌に頼るほかなかった。

しかし、文字だけではすべてを巧みに表現することができないので、レビューをみていいなと思われるモノを買って実際に聴いてみるもよくないということが往々にして起きる。

そういうことで、私は何万円無駄にしたかわからない(笑)。

しかし、ネットが普及して、新譜の曲を動画でチェックすることで、自分の好みに合うかどうかを判断することができる。

それによってCDの代金を無駄にすることがまずないのが昨今なのだ、いい時代だ…とは短絡的には言えない。

昨今は、あまりにアーティストが多すぎて、単独公演ができない場合がほとんどだ。

やはりそんな認知を上げていないアーティストは前の方での出演になる。



すると必然的に、演奏時間は短くなる。 それで自分の好きなアーティストを心ゆくまで堪能することができないのだ。

ゆえに、そこは目をつむらないといけない受難の時代なのだ。

やはり物事は一長一短。

割り切らないといけないようだ。

もしも自分の好きなアーティストの単独公演を実現してほしいのならば、多くその良さについて語る。

あるいはネットでその良さを語る、そういう姿勢が姿勢が必要になってくる。


あまりに横道にそれてしまったが(笑)、これまでの経験から毎年、それまで未知だったアーティストをLOUD PARKで知ることができて、それからファンになったという素晴らしい経験があるので、2023年にもぜひそういう経験をしてみたいと思っているのだ。

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2023年のは絶対に行くと決めているので、今からワクワクしているのだ!

今回はヘッドライナーに抜擢されたPANTERAの最高の売り上げを達したアルバムを以下に紹介したいと思う。

●以下よりどうぞ!
  ↓

Pantera パンテラ / Far Beyond Driven 20th Anniversary Edition 輸入盤
by カエレバ



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今回はこれにて終了します。

ありがとうございました。

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(コラム)HAREM SCAREMとNICKELBACKは同じ国出身。その2つの歴史を俯瞰する!

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いつしか無意識のうちに無沙汰になってしまったバンドは誰にでもあるだろう。

私にもある。

その代表がカナダHAREM SCAREMだ。


  HAREM SCAREM


このバンドを初めて知ったのは93年のことだ。

ロディアスでWINGERテイストを持ったバンドとして紹介されていて、興味をもったのだ。

その文言を読んで私は買ったし、それなりに堪能させてもらった作品である。

その時のアルバムがMOOD SWINGSである。

“No Justice”がクリップになり、それもみて興奮した。

このアルバムが本邦でのデビュー作であったが、このセールが引き金になり、91年に本国カナダでデビューしていた作品であるHAREM SCAREMもリリースされることになったのだ。


harem scarem
HAREM SCAREM


これも興味が出て買って聴いたが、これのほうがかなりいい出来であることを発見したのだ。

聴きこんだ回数はこちらの方が断然多い。

感動したのは“Slowly Slipping Away”“Honestley”である。

ともにバラードであるが、この2つを聴くだけに買ってもいいくらいの素晴らしい出来なのだ。

“Slowly Slipping Away”のクリップを、クリップ集で観たが感動的そのものである。

やはり91年の出来というのがわかるくらいにメロディアスだし、好景気のさなかにいたHRシーンの雰囲気を思い起させてくれる最高の曲であり、クリップだ。

こういったバラードのみならず、“With A Little Love”“Hard To Love”といったアップテンポの曲も申し分ない。

“With A Little Love”


これだけいい曲が満載されていれば、だれもが愛聴盤になるはずだ。

こんないいアルバムがなぜすぐに本邦でリリースされなかったか不思議なくらいだ。


※参考記事

eurokennes.blog60.fc2.com

しかし、これに味をしめて、このバンドののちにリリースされたアルバムを聴くも、あまり感動できずに終わった。



95年VOICE OF REASONから98年BIG BANG THEORYまでを買って聴いたが、シングルカットされる曲はそれなりにいい曲だったが、佳曲がアルバムに占める割合が小さいのだ。

これでは、手離したくなるのは必然だし、当然中古盤屋に売ってしまったのだ。


ベストアルバムだけ持っていればいい、ということになってしまうのだ。

ゆえに、このバンドのアルバムで今も所有しているのは、1st2ndベストアルバムだけということになってしまっている。

バンド名をRUBBERに変えてアルバムを出し、それから再度HAREM SCAREMに戻して出たアルバムを聴くも、「それなりにいいんだけどねえ」ということで終わってしまったのだ。

やはり、私にとってのHAREM SCAREMは、SCORPIONSと一緒なのだ。

1枚のアルバムが非常に良くて、それ以外は結局「いい曲なんだけどねえ…」で終わってしまう。

その1枚のアルバムとは90年発表のCRAZY WORLDだ。


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  SCORPIONS

このアルバムは、最初から最後まで佳曲しか入っていない最高のアルバムなのだ。

しかし、それ以外のアルバムはどれも佳曲が少なすぎるのだ。

このようなことを書いていくと、どうしても90年代中盤のHRの不況期を思い起さざるを得ないのだ。 その原因はグランジの台頭と、HRバンドの作曲能力の減退だ。

重くミドルやスローの曲ばかりが多いこのジャンルは、ヘヴィメタルにはフィットするけれどもHRには不向きなのだ。

しかし、それがメインの流行ゆえに、どのバンドもこの要素を自分の音楽に取り入れたが、まるでフィットしないことが判明したのだ。

フィットしなければ、佳曲が出来上がるはずもない。

佳曲が少なければ大きなセールを伸ばすこともできないままだったのだ。

この流行ゆえに、80年代ゴールドプラチナを獲得したHRバンドの多くが、ほとんど売れなくなってしまったのだった。

ポイズン

HAREM SCAREMも例外ではなく、その要素を自分の音楽に取り入れた。

それがVOICE OF REASONだ。

1st2ndのような華やかさはまるでない。

その次は、その反省を生かしてその要素を除外した観はあったが、その後遺症が残り、しかもいい曲が作れなくなっていったのは明白だった。

この時期に、HRバンドがかつてのセールを上げれなくなったのは、単にグランジの要素を取り入れたというだけでなく、不況ゆえの沈んだ気持ちが生じたゆえか、いろんなことが原因になっていい曲が作れなくなったのだ。

単に、グランジの台頭だけではないだろう。


その流行が長らく続いたゆえに、HRバンドの人気の減退が起き、逆にHMバンドの台頭という現象が起きたのだ。

FIREHOUSEWINGER、EUROPEといった80年代中盤から90年代初頭まで、HR界の先陣を切っていたアーティスト陣たちでさえも、クラブ規模のキャパに甘んじざるを得なくなっていった。

WINGERは全盛期には中級ホールで数回、EUROPE日本武道館で2日間やった。

しかし両方とも、最近では川崎クラブチッタで、アルバム完全再現やファンからのリクエスト曲を演奏する、という企画モノをした。

2015tour.jpg


クラブチッタでは、こういう企画モノをすることが多い。

かつての最大ヒットアルバムの完全再現や、ファンからのリクエスト曲を集めてそれをライヴで演奏する、というようなものである。

それはいいことだろう。

やはり、アーティスト側に選曲をすべて委託していては、やはり自己満足になりがちだし、そんな自己満の選曲ではファンも気分が悪い。

HAREM SCAREMもこのチッタで、同じような企画ライヴをした。



かつて大きな人気を博したHRバンドに代わって、ヘヴィでラウドな音楽を奏でるバンドが、人気を凌駕し始めたのだ。

その日本での最たる結果が、LOUD PARKの発生だろう。

その名の通り、ヘヴィでラウドなバンドが一堂に会するフェスだ。

2017年LOUD PARKにおいてWINGERも参戦した。

このバンドは、90年代初頭において日本では中級ホールで数回の公演を実現した。

そんなWINGERが、このイベントでOPETHOVERKILLよりも前順で演奏するとは、かつての90年代初頭における人気を見ると信じれない気分になった。

確かにLOUD PARKという企画自体、そういうヘヴィでラウドなバンドを中心にしたメタルのギグであり、そんなギグHRバンドが参戦したら、前順になるのは当然の理であることは間違いないし、HRバンドばかりを集めたギグでは、そういったヘヴィでラウドなバンドは前順になることは必至であることは間違いない。

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しかし、かといってヘヴィでラウドなバンドのどれもが人気が急上昇して、売れまくりになり、シーンを牽引するようになったかといえばそうでもなかったのだ。

METALLICAJUDAS PRIESTSLAYERといった大御所的なバンドだけが頂点にたって、それ以下のバンドは、イベントではトリにはなれなかったし、アリーナ以上のキャパでの単独公演もかなってはいないのだ。

かなり少数のバンドのみが大御所にのし上がり、それ以下は中級かそれ以下の人気に甘んじ続けたのだ。

かといってそういう事実をもってして、それらのアーティスの音楽が下衆であるなどというつもりはないし、METALLICASLAYERといったバンドの音楽が手離しで称賛できるかというとそれもまた疑問なのだ。

JUDAS PRIESTの音楽は私の意見では全く不満はなかったが、METALLICASLAYER、そしてMEGADETHといったバンドのアルバムには文句が少なからずあるのは事実だ。

その内容については、ここでは取り上げないが、端的にアルバムに占める佳曲の割合が少なくなっていったのだ。

そんな中、96年にデビューしたNICKELBACKは、ヘヴィでラウドなバンドというには遠いが、少なからずそういう要素を持ってはいるがHMバンドというには形容が当てはまらないのは言うまでもない。

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  NICKELBACK 96

やはりHRバンドという形容のほうが当てはまる。

HAREM SCAREMと出身は一緒だが、そのデビューから遅れること数年だが、着実に人気を集めて、世界で今やシングルとアルバムを合わせて5000万枚以上を売ってきたのだ。

この爆発的な急上昇ぶりにはだれもが注目せざるを得ないだろう。

このバンドのウィキペディアを見れば、そのアルバムの各国でのチャートの上昇ぶりや、売れ行きを見るとファンとして嬉しくなるほどだ。


“Burn It To The Ground” 『DARK HORSE』収録


しかし、同じ出身国であるHAREM SCAREMウィキペディアを見ると、デビュー作とセカンドがわずかにカナダ日本でチャートインしているのを確認するだけで、どれだけ売れたといった記録は一切ないのだ。



そんな売れていないのか!と心配になる。

そういった売り上げだけが音楽を評価する手段にはならないのは百も承知であるし、ライヴも好評ゆえに他の国でもよかったのは明白だが、しかし…。

NICKELBACKの音楽はHMではないし、HRにカテゴライズする方が妥当だ。

しかし、80年代から90年代初頭までのHRとは違うし、やはりグランジの影響も少なからず受けている。

しかし、グランジ一色ではないし、取り入れたうえで佳曲に仕立て上げたということが音楽を聴けばわかるのだ。

NICKELBACKLIKE A STORMといったバンドを調べると、ポストグランジというジャンルが掲げられている。

要するに、グランジの要素は待ちながら、良き音楽性に仕立て上げたということだ。

グランジそのものになったのではなく、要素を取り入れながら自分の音楽を磨いて昇華させていったということだ。



   LIKE A STORM

その取り入れるべき割合の比率は、わかりかねるが、それはそのバンドによって違ってくるだろうし、曲によっても違ってくるだろう。

一概にこの比率を入れるべしといったことは言えないはずだ。

グランジの特徴は主に、80年代中盤から91年92年中盤までのHRバンドには見ることのできなかった金属音である。

聴いてすぐに黒を彷彿とさせる重低音である。

それが混入していることでその影響がわかるのだ。


※参考記事

eurokennes.blog60.fc2.com

 



それをハードロックバンドが取り入れることに何ら私は不満を抱かない。

ただし、それを取り入れることで佳曲に仕上がっていればの話しである。

取り入れることで、佳曲が少なく、また全然なくなってしまっていたのでは、批評の対象でしかなくなるのだ。

その取り入れる度合いと、仕立てる工夫がなされているかどうかだ。

これらが巧みでないと、やはり「取り入れるべきでなかった」ということになってしまう。

それが、LIKE A STORMにしろNICKELBACKにしろ非常に巧みであったとしか言いようがないし、ゆえにヒットに恵まれたのだ。

しかし、その音楽の評価も人によって変わってくるのは致し方ない。

グランジを取り入れることでいい曲になったという評価を雑誌関係の人からいただいているのはWINGERPULLであるが、それも一理はある。


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 『PULL


しかし、取り入れないで作られた1stのWINGERにしろ2ndのIN THE HEART OF THE YOUNGのほうが魅力的だったので、その声はかき消されてしまっているし、PULLはいまだにセールを伸ばせていないし、多くの国で廃盤になってしまっている。

1stや2ndはいまだに入手可能なのに…。

90年にデビューしたSTEELHERTは、そのSTEELHEARTの出来があまりに素晴らしすぎたが、その4年後に出たWAITグランジを大幅に取り入れた出来になり批判を浴びたが、私はSTEELHEART程よくはないが、それでもアルバム通して聴けるアルバムとは思っているし、これまでこれを中古盤屋に売ろうと思ったことはない。

起死回生の作品になった2017年THROUGH THE WORLDS OF STARDUSTグランジな要素を含んだいい出来だったし、胸を張って人に薦めれる。

しかし、このバンドはあまりにバンド内のいざこざが多くアルバムを出す回数も減ってしまっているがゆえに、ファンからはあまり注目されずに終わってしまっているいるのが現状だ。

こういう活動があまり見えないバンドは関心の対象外になってしまう傾向があるのはだれしも認めるだろう。

HAREM SCAREMが、こういう巧みな取り入れをして佳曲に仕上げたのであれば、私はファンになったのだが、そうはならなかった。



いや、グランジを取り入れるかどうかの前に、佳曲が少なくなっていったのだった。

私は2002年WEIGHT OF THE WORLDを買って聴いたが、やはり「いい曲なんだけどねえ」で終わってしまい、中古盤屋に売ってしまっていた。

これだけで、割り切るのはこのバンドのファンからお𠮟りを受けそうだが、やはり割り切るという行為は必須だ。

やはり時間とお金の制約が厳然と存在するのだがら。

もし何等かの機会で、それ以降のアルバムでいいものがあったら、その意見を正す言論をここで書こうとは正直思っている、デビュー作と次のアルバムでいい思いをさせてもらったのだから…。

しかし、それも時間の制約があるのだ。

私は前回のNICKELBACK日本武道館公演にも当然足を運んだ。

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それが終わって、武道館を後にして歩いているときに、「次の公演は東京ドームかな?」といっていたファンがいたが、それは無理だろう(笑)

東京ドーム武道館4倍の大きさだし、それがかなうとしたら武道館公演を3回くらいできるようにならなくては、かなわない事だ。

しかしキャパはどうあれ、私はこのバンドを心底応援したい気でいるのだ。

あまりにも感動的な曲が多いし、このバンドに出会えてよかったと思うことが何度あったかわからないからだ。 また、このバンドの公演が決定したら必ず行くつもりだ。

その時は、私が住む東京では武道館レベルのキャパであることは間違いないだろう。

その際、前座をつけるのも一興だ。

その時に、HAREM SCAREMになってもらうのも一興だろう。

同じカナダ出身だし、NICKELBACKの音楽を好むファンならば、HAREM SCAREMの音楽は充分に受け入れられるのは間違いはないだろう。

多くのファンに見られて、再度このバンドの良さを体感してもらい、HAREM SCAREMの音楽に目覚める人も出てくるだろうし、かつて聴いていたが長らくHAREM SCAREMの音楽にご無沙汰していた人も再度このバンドを聴きたくなる人も出てくるはずだ。

大物アーティストの前座を務めることで、人気の下地を築くことができ、その結果アルバムがゴールドになり、プラチナになりということは80年代から90年代にかけて行われていたが、最近は全くと言っていいほどないのが不思議だ。

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もし可能ならばNICKELBACKHAREM SCAREMのドッキングをしてほしいと心から願いたいものだ。

NICKELBACKは今年GET ROLLINGを発売し、世界中で売れている。

まさに好調そのものだ。

このアルバムは、最近ネットで買って今取り寄せている最中だ。

それの良さに耽溺しているうちに、HAREM SCAREMの良さを見直す、という作業をすっかり忘れるということにならないように戒めなくてはならないだろう。

今回はこれにて終了したい。


●以下、HAREM SCAREMの最高傑作アルバムを紹介したい。
  ↓
ハーレム・スキャーレム (ワーナー・ハード・ロック1500)

Harem Scarem

HAREM SCAREMベストアルバムが以下!
  ↓
Very Best of Harem Scarem

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NICKELBACKの最高傑作アルバムの1つ=DARK HORSEは以下。
  ↓

ダーク・ホース

輸入盤
 ↓
Dark Horse

4つのクリップに最新のライヴ映像を収めたDVD付きのスペシャルエディション(外国盤)がコチラ!   ↓
Dark Horse: Special Edition


●以下のサイトでも取り扱っています。
  ↓

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今回はこれにて終了します。

ありがとうございました。

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『静謐かつ静逸な雰囲気をもったジェイムズ.ラブリエのソロ=BEAUTIFUL SHADE OF GREY』

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今回はDREAM THEATERのヴォーカリストであるジェイムズ.ラブリエのソロについて紹介したい。

今年出たBEAUTIFUL SHADE OF GREYである。

これはジェイムズのソロのアルバムのコレクションとしては3枚目になる。

本家のDREAM THEATERのアルバムの2枚よりも多い。

DREAM THEATERのアルバムで所有しているものは、IMAGES AND WORDSと次のAWAKEのみだ。

他にも何枚か買って何度も聴くも感動できず、いつしか中古盤屋やネットオークションで売ってしまったのだ。

AWAKE以降は、ネットでアウトレット扱いにされていたアルバムを1000円位で買って何度も聴くも感動できなかったのだ。

私は、あの超名作IMAGES AND WORDSのあまりに素晴らしい出来のアルバムに耽溺し、何十回も聴いてしまったのだ。


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IMAGES AND WORDS


どれも素晴らしいプレイヤーのバンドであるが、特に素晴らしいのはジェイムズの声だろう。

声域が広く、要所要所で最適の音域でトーンを上下させる能力が半端ないのだ。

そのあまりの上手さにため息が出るほどだった。

特にあの名バラード“Another Day”でのシンガーぶりには誰もが感動してしまうし、この声で感動できない人は、他の一切の音楽を聴いても感動できないんじゃないの?と言いたくなるほどの素晴らしさだ。

これほど感動したアルバムなのだから、このバンドは半永久的にファンになるんじゃないか、と正気に考えていた。

しかし、そうはならなかった。

AWAKE以降のアルバムは、どれも音楽も、演奏も素晴らしいのだ。

しかし、感動してしたことがなかったのが不思議であった。

好調にアルバムも売れて、日本での公演も日本武道館公演も実現し、LOUD PARKでもトリを務め、今年のDOWNLOAD FES JAPANでもトリを務めた。

しかし、私は行かなかった。

なぜか?

それは、ジェイムズが、作詞をしていなかったからだ。


ジェイムズ.ラブリエ


このバンドは、ギタリストのジョンぺトルーシが作曲と作詞をほとんど全部書いてしまうために、ジェイムズが作詞できない、というのがこのバンドの了解なのだ。

ゆえに感動できないのだ、このバンドは私にとって。

他人が書いた歌詞を歌っても、そこに100%の感情を込めるのはやはり無理なのだ。

それゆえに、どんなにジェイムズが上手く歌っても感動できなかったのだ。

しかし、そういう場合でも1回か2回はマジックが効く場合がある。

FAIR WARNINGもトミー.ハート(Vo)は一切作詞をしないが、感動できるアルバムができた。

それがデビューアルバムだ。

これには聴きまくった思い出があるが、2枚目以降は一切感動できなかったので、2000年以降は買ってもいなし聴いてもいない。

そして、DANGER DANGERテッド.ポリーがバンド内の政治的な理由で作詞ができないので、心底感動できたのはデビュー作のみで、それ以降は全然感動できないので、買ってもいなし聴いてもいない。


ともに作曲やプレイは素晴らしいのだが。

やはりシンガーが作詞をすることが一番重要なのだ、私にとって。

そうでなければ感動できないから仕方がないのだ。



偏屈、異様といわれても、それでなければ聴けないし、変えようにも変えられないから仕方ないのだ。

やはり音楽たるもの、作曲やプレイの素晴らしさも大事であるが、こういうことも大事なのだ。

そういった点を考えると、ジェイムズのソロアルバムは、私がファンになる要件を満たしている。

作曲も素晴らしく、演奏もよく、歌もうまい。

それでいて、シンガーが作詞をしているということだ。


ゆえに、私はDREAM THEATERのアルバムよりも、ジェイムズのソロアルバムの方をこよなく愛聴するのだ。

こういう珍しいスタンスの音楽ファンは私以外にもいるだろうか?

何はともあれ、今年出たジェイムズのソロアルバムをご紹介したい。


●“Devil In Drag
  ↓




派手さのない曲は、やはり印象に残りにくいのが現状であるが、そこで心を意図的に音楽に向けると、その歌い手のソウルが認められるはずである。

しかし、そこでそれが認められないならば、それはその歌い手が歌詞を書いていないでいる可能性が高い。

私は、このソロアルバムを聴いているときに、最初の素朴で朴訥な“Devil In Drag”を聴いているうちにそんなことを発見したのだ。

次の“Supernova Girl”や9曲目の“Am I Right”もそうだ。


●“Am I Right
  ↓




森林を目の前に牧歌的な雰囲気満載のこの曲にも、そのことがわかる品位が満載だ。

派手さがないものの、薄い印象に聴き後になってしまうが、意図してCDをかけて聴くと、やはり「この曲が聴けてよかった!」と思う。


その思いは、4曲目のバラードの“Sunset Ruin”を聴いてさらに強くなる!



悲哀観たっぷりのバラードで、休日の憩いの際に聴くのに最適だ。

IMAGES AND WORDS』収録の“Another Day”のような明るいバラードも創造できれば、このようなバラードも創造できるのだ。

素晴らしい才能だ。

カナダの広大な雪山を見渡しているような壮大感たっぷりな“Wildflower”などもやはり憩いのミュージックとして心底心奪われる感じだ。

確かに今回のソロ作品は、DREAM THEATERのような激しさはないし、大人し目な印象を受けるが、テンションの起伏はグッドなタイミングでなされている。

ゆえに、インパクトは薄くとも聴きどころは多く存在する。

派手な曲はないがゆえに、その良さを認識するのに聴きこみが必要となる可能性はあるが、その良さを認識したら、ずっと虜になる可能性が大きい。

AORと一緒だ。




このアルバムで一番の激しい曲が、アコースティック曲である“Ramble On”であるのは実に皮肉だ。

HRHMのようなヘヴィな音楽と生活するのに慣れている人には、なじみのない作業であるが、それは物は試しでしてみるのがいいだろうと思う。

1回だけ聴いて好きになることだけが楽しみ方の王道ではないはずだ。

このアルバムのために用意した曲が全体的に静か目のものが多かったゆえに、オーガニックな感じのアルバムに作ったのだろう。

それに合わせるように最初の“Devil In Drag”もアコースティック色が強い。

しかし、そのエレクトリックヴァージョンがこのアルバムの最後に収められているがゆえに、アルバム1枚通して聴くに最高の気分で終えることができるのだ。



私がジェイムズのソロとして集めたCDは、この作品が2枚目である。

そして彼のプロジェクトであるMULLMUZZLERを併せると計3枚になる。

DREAM THEATERのアルバムで今も所有しているのはIMAGES AND WORDSAWAKEの2枚だけである。

ということは、DREAM THEATERのCDの数よりも、ソロの数のほうが多いということだ。

ソロはこれからも買い続けるが、DREAM THEATERのは買うつもりは全くない。

実に奇妙なスタンスであるが、DREAM THEATERのCDは感動できないから仕方ないのだ。

しかし、のんきなことは言ってられない。

昨今のCDの販売数は半端ないので、目立つことが難しいがゆえに、うかうかしているとジェイムズのソロは廃盤になり入手できなくなる可能性が高い。

早く買わなくては!(笑)

※参考ページ

eurokennes.blog60.fc2.com




●このBEAUTIFUL SHADE OF GREYは以下よりどうぞ!
  ↓

James Labrie ラブリエジェイムス / Beautiful Shade Of Grey
by カエレバ



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  ↓
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今回はこれにて終了します。

ありがとうございました。

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(コラム) 今さらわかったDEF LEPPARDの魅力と、ここ35年のHR界の本質の変遷を考察する。

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今日、SCORPIONS2019年に行われたライヴのオーディエンスショットのブートを観た。

しかし、あまり音もよくないし、録画の映像も鮮明ではないし、何より楽曲がそれほど好きになれなかったので、4曲目で止めたのだ。

このバンドの90年に出したアルバムであるCRAZY WORLDの出来は、それはそれは良いもので、何十回聴いたかわからないほどだった。


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CRAZY WORLD


しかし、それ以降これに匹敵するほどのいいアルバムが出なかったし、それ以前にもいいアルバムがなかったので、このバンドのファンはやめてしまっていたのだ。

そのCRAZY WORLDに準ずる出来のアルバムが2枚か3枚出ていれば、このバンドのファンになり、来日公演が決まったら必ず行くようになっていたことは間違いない。

しかし、このバンドの特長は、アルバムごとに大幅に音楽性を変えるようで、それが私には受け入れられなかったのだ。


蠍団
  SCORPIONS


ゆえにそれを特長と呼ぶか、欠点と呼ぶかには、人の立場によって変わるだろう。

変化がよきものになっていたというならば特長であろうし、そう思えなかったならば欠点に他ならない。

私の場合は、それは欠点というのだろう。

eurokennes.blog60.fc2.com



そして、私はすぐさまDEF LEPPARDのDVDであるVIVA!HYSTERIAをかけた。

これは88年の大ヒット作であるHYSTERIAのアルバム完全再現のライヴを収めたものである。

このバンドは、SCORPIONSと同じく、それほどのギターテクを売り物にしているバンドではない。

速弾きのある曲は稀にあるが、基本は手なりのソロばかりである。

しかし、このバンドの作り出すメロディはかなりキャッチーで、しかもすぐさま脳内にそのいいメロディが張り付く感じがあるのだ。

その結果、後になってこのバンドのアルバムを聴きたい、買いたいという衝動に駆らせる魔力があるのだ。

ゆえに、このライヴは最後まで見てしまった。


私は、基本、凄テクのあるバンドに惹かれてしまうのだ。

やはりBON JOVIWHITESNAKEイングヴェイ.マルムスティーといったアーティストに惹かれてしまってここまで来たのだ。


ピクチャ(jpg).. (24)
イングヴェイ.マルムスティー


しかし、DEF LEPPARDはそういったものを売り物にしてなかったゆえに、それほどファンになれなかったし、来日公演は見逃してきた。

HYSTERIAは90年に買って聴いたがよかったとは正直思った。


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HYSTERIA


私が敬愛するWHITESNAKEの音楽性と共通するものがあるがゆえに、それなりに好きなアルバムであることは間違いない。

しかし、それほどの回数を聴いて悦に浸った経験はなかったのだ。

やはり凄テク満載のWHITESNAKEのあの87年のアルバムに聴きほれてしまっていた私の趣味がゆえにである。


白蛇の紋章
WHITESNAKE 87』


HYSTERIAが佳曲だらけのアルバムであることは正直に思う。

しかし、速弾きがほとんどないがゆえに、聴いた数が少ないという結果になっていた。

興味深いことに、実は、SCORPIONSDEF LEPPPARDは同じフェスで同居したことがあるのだ。

84年のドイツでのMONSTERS OF ROCKに参戦したのだ。

トリSCORPIONSだ。

しかし、時は流れ、DEF LEPPARD80年代中盤から90年代初頭にかけてヒットを飛ばしメジャーバンドの1つになった。

しかし、SCORPIONSDEF LEPPARDは、これまでに売ってきたアルバムとシングルの世界での総計はほぼ同数なのだ。

実に1億枚である。

これには驚きは隠せない。

しかし、日本での人気のギャップは存在する。

もちろんDEF LEPPARDのほうが上だ。

これまで日本武道館で最高で3日を敢行したし、最近でもここで1日行っているが、そういうことはSCORPIONSはできる可能性は低い。

最近では中級ホールが最高だったのだから。



しかし、このフェスの出演バンドを見ると興味深い。

世界のフェスでトリを務めれるバンドが4つもあるのだから!

もとに戻って、やはりこういう人気ギャップは日本人に受け入れられるメロディを持っているかどうかにあると私は断定したいのだ。

そう感じる人は多いだろう。

これは何もSCORPONSの偉業を蹴落としているいるわけではないことはお断りしておく。

このVIVA!HYSTERIAを観て、感じたのは、ライヴの出来が素晴らしいのだ。

ギターやベースのピッキングやフィンガリングも正確だし、何よりもジョー.エリオットのヴォーカルもいいのだ。

アルバム通りにキーをあげて歌っているし、フェイクもない。

左右に動き回るし、客を扇動する技術も恒常的に行われる。

非常にプロ意識の高いライヴだ。



 ジョー.エリオット


こういった演奏の素晴らしいことのほか、音響もプロデュースも申し分ないのだ。



スタジオアルバムでは、音のプロダクションがいいのに、ライヴではそれが叶えられない音のせいなのか、あるいはライヴスタッフの調整失敗なのかはわかりかねるが、ライヴでは全然のれなかった他のバンドでの経験が私にはある。

DANGER DANGERはアルバムではものすごくいいが、ライヴを観たら、その音響とはかなりかけ離れた出来になってしまっており全然のれなかったのだ。

またEXTREMEもセカンドアルバムであるPORNOGRAFITTIも素晴らしい出来であったが、音響調整が全くかなっておらず全然興奮できなかったのが、あのアルバムの完全再現を収めたMETAL MELTDOWNである。

しかし、VIVA!HYSTERIAは、そういう失敗がなく、あのアルバムの良さを完全に生かす音のプロダクションゆえに、また映像では目まぐるしく多角度でライヴが演奏されるので、飽きることがない。

そんな感慨に浸っているといつの間にかライヴを最後までみてしまうのだ。

VIVA!HYSTERIAは最初から最後まで興奮のまま終えることができるし、また見たくなる気が起きるのだ。

このVIVA!HYSTERIAのほかに、HYSTERIA完全再現ライヴのオフィシャル映像をもう1つ出しているというから驚きだ。

それも買おうかなという気が必然的に起きている。

そこで思い出すのが、BON JOVIである。



このバンドを好きになったゆえに、私はHRに興味を持つことができたのだ。

大恩あるバンドなのだ。

しかし、そのファンになった88年の大みそかにおこなわれたSANYO HEAT BEAT LIVEでのライブを観て、私は失望に近いものを感じたのだ。

ジョン.ボン.ジョヴィ(vo)はキーを下げて歌うし、フェイクはかなりの回数する。

そしてリッチー.サンボラは、スタジオアルバムで見せた情熱的なソロをライヴでは大幅に変えて演奏してしまうがゆえに、興奮できずじまいだったのだ。


ファイル0091 (5)
リッチー.サンボラ


そんなスタンスが変わっていないがゆえに、このバンドのライヴにはいかずじまいだったのだ。

オフィシャルのライヴ映像を観ても、やはりフェイクやキー下げは頻繁だし、それゆえに興奮できないままなのだ。

しかし唯一、LIVE FROM LONDONだけは、そういったものが少ないし完全に最後まで鑑賞できる代物なのだ。

ゆえに、これだけは保存しているのだ。

他のBON JOVIのブートの類はほとんど友人や知人にプレゼントしてきたのだ。

しかし、スタジオアルバムは素晴らしいので、80年代から90年代初頭までのアルバムは保存して、今でも鑑賞している。

しかし、ライヴにはいかないし、ライヴ映像は買わないのだ。

しかし、DEF LEPPARDのスタジオアルバムは、凄テクもないから、アルバム1枚通して聴くのが難しいからあまり聴かないが、ライヴモノは観る。

こういう自己の好みの分析は当然していかなくてはならないだろう。

それが趣味の王道なのだ。

そのほか、ルー(vo)在籍時のFOREIGNERは、スタジオアルバムは素晴らしいが、ライヴではルーがほとんど動かずにスタンドの前で歌っているだけなのが理由でのれないがゆえに、ライヴモノは観ない。


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 FOREIGNER


前出のSCORPIONSは、CRAZY WORLDはとてつもなく素晴らしいが、それ以外のアルバムは良くないので買わないし聴かない。

MICHEAL SCHENKER GROUPSAVE YOURSELFは素晴らしいが、それ以外は平凡なので聴かないし買わない。

こういった自分独自のスタンスを決めておくことが、自分の趣味を最大限楽しくする秘訣だ。

難しいが、1度好きになったアーティストの出したものがすべていいとは限らないし、そういった例はかなりまれであろう。

オフィシャルで出たものの全部がいいというアーティストは少ないのは事実であるが、DEF LEPPPARDのは全部いいといえるファンは多いだろう。

しかし、ここ日本では人気の出るのに、ちょっと時間がかかったのだ、ほんの3年くらいのギャップであるが…。

あのHYSTERIAは全米だけで、1200万枚を売った。

そしてその前のPYROMANIAは全米で1000万枚をうったのだ。


pyromania.jpg
PYROMANIA


ということは2枚連続でダイアモンドアルバムを獲得したということになる。

日本でも人気の高いBON JOVIもかなり売ったが、2枚連続ダイアモンドは獲得していない。

しかし、来日公演ではBON JOVI95年からずっと東京ドーム公演を実現しているが、DEF LEPPARDはそれはできていない。

最高は、日本武道館3日間なのだ。

その他の地方公演を少なくすれば、東京ドームでもできただろうが、それも1日間が最高だろう。

日本と海外では人気のギャップがあるのだ。

BON JOVIをメインにした88年の大晦日から次の年にまたいで行われたSANYO HEAT BEAT LIVEでは東京ドーム2日間だったが、88年DEF LEPPARD15000人収容の代々木オリンピックプール1日間が最高だったのだ。

DEF LEPPARDHYSTERIAを評してマイケル.シェンカー「最初から最後まで佳曲しかない」といっていたのを思い出す。

そのマイケル.シェンカーは、ロビン.マッコリーの2大柱にしてMcAULEY SCHENKER GROUPという名に変えて活動した。

その時に出したアルバムPERFECT TIMINGを携えて、HYSTERIAのツアーの前座を務めたのだ。



PERFECT TIMING


その時の来日公演では日本武道館2日間やったのだ。

しかし、DEF LEPPARDは同規模の代々木オリンピックプール1日だけにも関わらず。

このように、マイケル.シェンカーの日本での人気は高い。

コージー.パウエルが在籍していた時にも、日本武道館2日間を実現して、その時の音源がライヴモノになっている。

そして、2017年LOUD PARKではトリを務め、単独公演でも、7000人弱東京国際フォーラムで実現している。

これまでアメリカでは、1枚のアルバムすらもゴールドも獲得できていないにもかかわらずである。


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そして、この年に行われたEUROPEの来日公演は日本武道館2日を実現した。


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  EUROPE


奇しくも、EUROPEは、アメリカやイギリスなどではDEF LEPPARDの前座になっていたのだ。

ともにDEF LEPPARDアメリカやイギリスでのライヴでは前座になったバンドが、ともにDEF LEPPARDの規模を上回るキャパだったのだ、日本では。

このまま、EUROPEは、人気を維持できていればよかったのだが、そうならず、最近でのライヴは1000人キャパのクラブで2日間が最高なのだ。

最高期の、実に14分の1にまで減ってしまったのだ。

それを考えれば、人気の維持度はDEF LEPPARDのほうが断然高い。


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そして、WHITESNAKE87年に出したあのWHITESNAKEは全米で800万枚を売った後に、その時の来日公演は東京では代々木オリンピックプール4日間やった。

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DEF LEPPARDの当時の最新アルバムであったHYSTERIA1200万枚を売ったにもかかわらず、代々木では1日だけ。

しかし、後になってDEF LEPPARDのほうが人気では完全凌駕する結果になった。

2008年WHITESNAKEとのジョイントでは、DEF LEPPARDのほうが後だったし、最新の公演では日本武道館で単独公演をおこなっているが、WHITESNAKEはそこまでできていない。


eurokennes.blog60.fc2.com


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こういった例からわかるように、敢然とした人気の基盤があるにもかかわらずDEF LEPPARDの人気が日本で出るまでには、時間がかかったということである。

しかし、BON JOVIDEF LEPPARD、それぞれの2大売り上げアルバムの売り上げ総数はDEF LEPPARDのほうが上にもかかわらず、日本での公演のキャパはDEF LEPPARDのほうが低い。

それでもアリーナ以上でできているので、そこは不問としよう。

しかし、その2大売り上げアルバムは、DEF LEPPARDはともにデラックスエディションが出ているが、BON JOVIはどちらも出ていないのが不思議だ。

デラックスエディションは、そのアルバムの未発表曲を入れたり、収録曲のアウトテイクを入れたり、当時のライヴ音源を入れたりとバリエーションは様々だ。

そういったことを考えると、別の例が出てくる。

なぜ、日本のフェスではDEF LEPPARDは参加しないのかということである。

2011年にはLOUD PARKではWHITESNAKEトリになった(のちにセカンドビルに降格)が、DEF LEPPARDは来日公演が決定していたにもかかわらず、このフェスには呼ばれず。

2016年にもWHITESNAKELOUD PARKトリになったにもかかわらず(この時の降格はなし)、DEF LEPPARDはまたしてもこのフェスへの参加はなし。

こういう不可解なことがよくあるのがこの業界の謎なのだ。

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確かに『LOUD PARK』は、その名の通りヘヴィでラウドなバンドが多く参加するフェスゆえに、DEF LEPPARDのような生粋のHRバンドは場違いと思われるが、あれだけの枚数を売ってきたバンドゆえに、ある程度のヘヴィさがあれば、そういったことは不問に付されてしまうのだ。

売れた枚数ゆえに、ダブルスタンダードが生じるのだ。

それなのに、日本でのフェスに呼ばれないとは不可思議としか言いようがないのだ。

それに、DEF LEPPARDよりもベテランのWHITESNAKEの公演のチケットがS席が10000円だったにもかかわらずDEF LEPPARDのそれは、14500円もしたのだ。

この先はもっと高くなることは間違いないだろう。

これもまた不可思議なのだ。



また不可思議なことがある。

それはPYROMANIAHYSTERIAと連続して大ヒットを飛ばし、アメリカで2つともダイアモンドアルバムになった後に、このバンドが故国イギリスでライヴをやったときに、DEF LEPPRADアメリカにイギリスの魂を売った」だのアメリカに媚を売った」といった批判がされて、ステージにはペットボトルや缶が投げつけられたのだ。

しかし、90年代初頭からのHRの不況に突入すると、80年代のあの栄光をもう一度!」というような意見がなされるようになった。

売れると「魂を売った」と批判され、不況になると「あの当時の栄光を」などといわれる。

実に人間の言論は、わがままそのものなのだ。

DEF LEPPARDと同じイギリス出身のWHITESNAKE87年に出したアルバムが大ヒットを飛ばし、90年にはMONSTERS OF ROCKトリを務めたにもかかわらず、その時はそんな批評は聞かれなかったが、それはダブルスタンダードそのものだが、DEF LEPPRADはやはり売れすぎたのだ。


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MONSTERS OF ROCK 90』


2枚連続ダイアモンドアルバムというのは。

それゆえに、そういう批判を受けやすくなるのは人類普遍の現象だろう。

BON JOVI87年SLIPPERY WHEN WETを大ヒットさせたときに、キッズの意見を載せた企画があって、そこを今読むと興味深いのだ。

HRは限られたファン層によって支えられていたのだ。

それがBON JOVIのあのような大ヒットを出しては、そのよって立つ心境がわからなくなってしまう。」


やはり、これまでの状態から大幅な変化が生じると、それに対して意見が出てくるのは人類普遍の現象のようだ。

やはり、限られたファン層で満足してきた人には、その限られた人たちだけで楽しみたいという恋愛に似た感情が芽生えていたのだろう。

その気持ちはわかるが、そこは精神的に大人になってほしいものだ。

広く考えて、「多くの人に支えられたほうがアーティストにとってもいいだろう」という意見が出るよう。

ことはDEF LEPPARDにとっても同様だ。



媚を売ったかどうかはアーティストに直接聞かないことにはわからないだろうし、そういう部分があっても決して全部ではないだろう。

今やDEF LEPPARDは、いろんなフェスに参加するも必ずトリになっている。

フランスの『HELLFEST』しかり、イギリスの『DOWNLOAD FESTIVAL』しかりである。

それは、90年代初頭以降のHRの不況ゆえなのか、それ以降80年代のアーティスト以上のヒットを飛ばしたアーティストが一握りだったかはわかりかねるが、その両方だろう。

しかし、そんな巨大フェスで必ずトリになるのは媚を売った、魂を売ったといったことで得られる地位ではないことは確かだろう。



DOWNLOAD FESTIVAL


しかし80年代は贅沢な時代だったことが今になって思う。

大ヒットを飛ばしたら、「媚を売った」などといって批判の対象になるのだから。

さすが80年代だ。

80年当時は、レコードやCDといった音源が中心になって音楽業界はマーケティングをしていた。

しかし、昨今はライヴ映像やクリップ集といった映像もその主要な部分になっているのだ。

当時に比べて、映像モノのリリースのペースがかなり早い。

そんな事情ゆえに、堪能できるうれしい企画の1つが、やはりVIVA!HYSTERIAだろう。



CDやLPだけで聴くだけでは見つけれない魅力が映像モノによって見つけることができるのは先に書いたとおりだ。

そんな魅力を堪能できてうれしいのは、DEF LEPPARDの筋金入りのファはもちろん、そんなにファンではなかった人にもメリットの大きい作品であることは間違いない。

前者であれば、かなり嬉しい企画モノだろうし、後者の場合はこのアーティストを見直すきっかけになることは必至である。

もしかしたら確固たるファンになる可能性もあるだろう。


●そんな経験をしたい人は以下よりどうぞ!
  ↓

Def Leppard デフレパード / Viva Hysteria
by カエレバ



●以下のサイトでも取り扱っています。
  ↓

タワーレコード


【HMV】ローチケHMV|音楽CD・DVD


今回はこれにて終了します。

ありがとうございました。

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