デヴィッド.カヴァーデール
グレン.ヒューズ
今回は、デヴィッド.カヴァーデールとグレン.ヒューズの共通点について書きたい。
2人とも51年生まれで、周知のように2人とも74年にDEEP PURPLEに加入して3枚のアルバムを作った。
よくグレン.ヒューズの声を表すのに「ゴッド.オブ.ヴォイス」といわれるが、デヴィッドもそのように表現されてもしかるべき声の持ち主である。
このような素晴らしい声を持った人間が1つのバンド内に同居していたのは非常に珍しい事象だろう。
実は、グレンはWHITESNAKEの『SLIP OF THE TONGUE』のバックコーラスでゲスト出演しているのだ。
『SLIP OF THE TONGUE』
それのみか、2015年のWHITESNAKEの『PURPLE ALBUM』のツアーでも、ライヴで何度か飛び入りで出演しているのだ。
それは、YouTubeでも確認できるし、ブートでもその映像を観ることもできる。
やはり感慨だろうDEEP PURPLEの第3期と4期のファンにとっては。
しかし、WHITESNAKEのオフィシャル映像である『PURPLE TOUR LIVE』では、その姿を観ることができないのが残念でならない。
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『SLIP OF THE TONGUE』のスペシャルエディションは、これまで未発表の、このアルバム収録の全シングル曲のクリップと、90年に8万人の観衆がみまもるキャッスルドニントンでヘッドライナーとして出演した時のライヴ映像が2曲収録されているDVD付きである!
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普通のバンドは、シンガーが1人だが、グレンが参加した時には、グレンもフルで歌っていた。
自分がメインで作曲をした時には、曲の全部を歌っていた。
もちろんメインはデヴィッドだったが、デヴィッドがメインの曲でも小節を歌っていたのだ。
そういう姿勢はリッチー.ブラックモアはあまり気に入らなかったようだ。
それもリッチ-が75年を期に、DEEP PURPLEを辞めてしまった理由の1つのようだ。
やはりそういった自分が歌いたい、あるいは自分のプレイをみせたいというエゴが、この期のDEEP PURPLEには露見してしまっていたのだ。
アルバムでは5分とか6分なのに、1つの曲にギターソロを入れたり、キーボードソロを入れたり、ドラムソロをいれたりしていたしていたのでまるで、プログレバンドのような観を呈していたのだ。
それは、あの『CALIFORNIA JAM』にセカンドビルとして出演した時にヘッドライナーだったEMERSON LAKE,PALMERがプログレバンドだったゆえに、それに劣らないようにみせるように、ああいう試みをしたのだと思う。
しかし、それに味を占めたバンドは自分たちの単独公演の時においても、それをやめなかったのだろと思う。
だから今、当時のライヴモノを確認してみるといいと思う。
どの曲も長くて、アルバム通りの長さではないのだ。
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しかし、その面だけでなく、デヴィッドはもちろん、グレンも自分のソウルを歌いたいという欲求が強かったのだと思う。
ゆえにベーシストのみならず、歌うことに自分の主張をしていたのだ。
周知のように76年にDEEP PURPLEは解散する。
そして、デヴィッドはソロアルバムを出し、その後WHITESNAKEを結成する。
しかしグレンは、ソロアルバムを出したり、BLACK SABBATHなどのバンドを歩いた。
ベーシストとしてだけでなく、ヴォーカリストとしてもである。
ソロアルバムを出すも、あまり話題にはならずに終わっていたが、転機が訪れたのは94年のアルバムだろう。
この時の『FROM NOW ON…』は非常にできのいいアルバムで、グレン健在をアピールするに充分すぎるほどの出来であった。
『FROM NOW ON…』
往年のハードロックファンの趣向を満たすのに充分な出来だったし、こんな素晴らしいアルバムが作れるのならば、ずっとグレンのファンになり続けたいとすら思ったものだ。
アップテンポの曲はとことん情熱的になり、バラードではとことん憩いの雰囲気を味わえる。
これぞ、名アルバムの構成要素としての王道であるが、このアルバムはその王道を行くアルバムだったのだ。
そしてどの曲も、聴いて一度で虜になるメロディをちりばめているのだ。
“Why Don't You Stay” 『FROM NOW ON…』収録
しかし、こういう大衆的にヒット作する要素を持ったポップ性のある音楽は、グレンの音楽的なキャリアからして好みでなかったようだ。
彼のファンクやレゲエ、黒人ブルーズといった音楽のほうをプレイしたくなるのは必然だったようで、ポップさも備えたあの『FROM NOW ON…』のような音楽を続けるのは、彼の触手には触れなかったようだ。
私はものすごいいい出来のアルバムであると心底思っているのだが…。
その音楽性を長く踏襲してくれていればよかったのにそうならずにいたため、大ファンにならずじまい、というアーティストが結構いるのだ。
残念ながら、グレンもその1つなのだ。
もちろんファンではあるが…。
そして、この時のメンバーを一新して、次からのアルバムを作り直したのだ。
もちろん、音楽性もDEEP PURPLEの前のTRAPEZEに近くなり、それに現代的なテクノロジーを搭載したので、それなりに現代風には聞こえたが、メロディの幅が私や80年代のハードロックをこよなく愛したファンには、それほど感動を呼び起こさなかったのではないだろうか?
TRAPEZEやDEEP PURPLEの頃の音楽性こそがグレン、と思っているファンには嬉しい企画だったに違いないが、『FROM NOW ON…』に耽溺した人には、それほど受け入れられなかった音楽性だ。
しかし、話をこのページの冒頭に戻すが、89年の『SLIP OF THE TONGUE』でゲスト参加した時は、76年の『COME TASTE THE BAND』から13年ぶりのレコーディングである。
子供のころであれば、13年はかなり長いと感じるが、大人になればそれほど長い時間ではない。
しかし、2015年の『PURPLE ALBUM TOUR』は39年ぶりである。
これはいくら大人でも長い時間である。 大人になるとキャリアを積まないといけないので、小学校時代や中学校時代のように、遊ぼうといってすぐその日に遊べるようにはならないことは明白だ。
しかし、デヴィッドは89年にも、そして2015年にも共演かそれに近いかたちでグレンと一緒になれたので、それはそれで良しとしよう。
ジョージ.リンチとドン.ドッケンも犬猿の仲で、94年にどうにか一緒にDOKKEN再結成を図ることが出来たが、96年にまたも決裂。
もうだめだ、と思いきや2016年にまたもオリジナルメンバーで再結成して、日本にも来てくれて、『LOUD PARK』でもその雄姿をも見せてくれた。
DOKKEN
やはり年齢を重ねれば丸くなり、妥協することもできることも分かった。
しかし、デヴィッドとグレンはこの2人のパターンよりももっとフランクに考えていいだろうと思う。
『PURPLE ALBUN TOUR』の来日時に、デヴィッドはリッチー.ブラックモアとプロジェクトをするかもしれない、ということをインタビューで言っていたが、それが実現しても私は期待はしていなかった。
リッチーのプレイは、ピッキングとフィンガリングがチグハグだし、彼の作り出したフレーズやリフで感動したことは1度もないからだ。
もちろん74年と75年のDEEP PURPLEでのプレイもである。
リッチー.ブラックモア
しかし、デヴィッド、グレンともに感動できる声を持っているので、この2人がプロジェクトを組んでくれるのならば、私は必ず応援してCDは買いたいと思っている。
それに、もしグレンが、『FROM NOW ON…』のアルバム完全再現をライヴでやってくれたら、私は必ず行くだろうことは間違いない。
また、HUGHES/ TURNER PROJECTのようなヴォーカルが2人いるバンドのように、デヴィッドとグレンが在籍するバンドをやってくれたら、これもまた行きたいと思っている。
それが実現したら、実に45年ぶりの同居である。
リッチーとデヴィッドが今更同居しても全く興味ないが…(笑)
“Love Ain’t No Stranger”~“The Gypsy” 『PURPLE TOUR LIVE』収録
このように、いきなりデヴィッドとの並行した思索をしていたら、グレンがTRAPEZEのメンバーであったことを思い出した。
TRAPEZE
それに、デヴィッドのバンドであるWHITESNAKEに、そのTRAPEZEのメンバーであったメル.ギャレーが在籍したこともあるし、JUDAS PRIESTで素晴らしいプレイをきかせてくれたデイヴ.ホーランドもいたことを思い出した。
それで、この3人が同時に在籍した時期があったかどうかを調べたら、あったのだ。
それは『MEDUSA』というアルバムであったことを知った。
これを今から聴きたく思い、期待をかけているのだ。
これは今のネット時代だからこそできた話しである。
雑誌しか個人宅で情報を得ることができなかった時代では、できた話しではないのは明白だ。
デイヴ.ホーランド
TRAPEZEにこういうことで興味をもった。
しかし、どのアルバムでこの3人が同時に共演したのかを調べようにも、ネットのない時代では雑誌を調べるほかなかった。
しかし、片っ端から自分の持っている雑誌を調べたところで、その情報に行き当たるかどうかは保証できない。
ゆえに、面倒くさくなって調べるのをやめて、そこで終わり…なんていうことも当然起こりうる。
いや、その確率のほうが高い。
しかしネットでは「TRAPEZE」で検索をかけてウィキペディアに行きつき、そこでアルバムをデビュー作から見ていく。
すると、『MEDESA』というアルバムでこの3人が共演していたということを知れた。
そして、そのアルバム名を3つくらいのサイトで探してみて、一番リーズナブルな値段で出しているショップのカートか、ほしいものリストに入れておく。
そして期を見て購入する。 ものの5分くらいでこのようなことが完了してしまう。
実にいい時代だ。
この『MEDUSA』を購入して聴いて、その感想や意義や時代的な背景を踏まえたうえでの地位などが考えれたらここに書きたいと思う。
今からこの『MEDUSA』について書けるのではないかと思い今から興奮している。
しかし、HR界を代表するゴッド.オブ.ヴォイスであるグレン.ヒューズ、発表から40年近くたっているにもかかわらずいまだWHITESNAKEのライヴで演奏されている“Love Ain't No Stranger”の作曲者であるメル.ギャレー、JUDAS PRIESTの“Ram It Down”で超驚異的なドラムプレイをしてくれているデイヴ.ホーランドが同時に在籍していたTRAPEZEのアルバムを聴くのは非常に興味深くてたまらないのだ!
今回は、これで終了したい。
以下、グレンやデヴィッドの勧めたい作品を紹介したい。
●グレン.ヒューズのポップセンスが最大限発揮された94年の超傑作盤『FROM NOW ON…』!
↓
From Now on
●DEEP PURPLE在籍時に作った曲を中心になされたライヴツアーを収めたデヴィッドの懇親のヴォイスが聴ける名盤!
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ザ・パープル・ツアー・ライヴ<SHM-CD+DVD>
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ザ・パープル・ツアー・ライヴ<SHM-CD+BD>
CD
The Purple Tour Live
●以下のサイトでも取り扱っています。
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タワーレコード
【HMV】ローチケHMV|音楽CD・DVD
今回はこれにて終了します。
ありがとうございました。