好景気のさなか、佳作アルバムでデビューした女性版BON JOVIのVIXENの1stアルバムはこれだ!

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私が、敬愛するリチャード.マークス92年ドイツでおこなわれたライヴのテレビ放送を映像に収めたブートDVD-Rを某店で買って観た。

そして、そこでは“Edge Of Broken Heart”というアップテンポの佳曲があった。

しかし、聴いた覚えがなかったので、彼のアルバムを全部調べたのだが、どのアルバムにも収録されていないのだ。

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    リチャード.マークス


不思議だなあと思いながら無念になっていたが、のちに知ることになる。

それは、VIXENのデビューアルバムに収録されていて、その作曲者を見たら、まさにリチャード.マークスだったのだ。

自分が作曲提供したモノを、自分のコンサートで演奏する、というパターンは往々にしてある。

岡本真夜が、広末涼子“大好き!”を提供し、それを自身のコンサートでも歌っている。

また横山輝一MAXRide On Timeを提供し、それを自身のコンサートでも歌っている。

そういう行為は、相乗効果をもたらし、良い印象を観衆に与えることができるのだ。

そして、見事リチャードもそれと同じことをして、それまで知らなかった人にいい印象を与えることができるのだ。

私は、それなりにVIXENに関心があったが、このことを知ることで関心の度合いが大幅に高まり、買って聴きたくなり、実際にそうなったのだ。

しかし、リチャードが、自分が作詞作曲した曲を、他のアーティストに提供し、それを自身のコンサートでも演奏するというパターンは、VIXENだけでなく、N' SYNCにもしたのだ。


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あの有名な“This I Promise You”である。

これは全米5位にまで行ったのだ。

そしてこの曲を収録したNO STRINGS ATTACHED』アルバムは全米だけで14500000枚を売ったのだ。

リチャードがこの売り上げに貢献したことは間違いない。

蛇足ながら、“Edge Of Broken Heart”“This I Promise You”リチャード自身が歌った曲が収録されてのちに出たベストアルバムは以下である。

興味ある人はチェックである。
       ↓


何はともあれ、今回はVIXEN“Edge Of Broken Heart”収録のVIXENについて紹介したい。

このアルバムは、88年に発表された。

まず当の“Edge Of Broken Heart”から見ていただきたい。


●“Edge Of Broken Heart
  ↓



アルバム全体に覆う雰囲気はやはり、アメリカンなハードロックという感じだ。

女性版BON JOVIといわれたこともあったらしいが、その形容は的を得ている。

メロディやリフ、曲全体のイメージは80年代中盤以降BON JOVIにそっくりだ。



   BON JOVI

ギターソロに入る時の妙もリッチー.サンボラ(ex.BON JOVI)の手法の影響をいやが応にも感じさせるし、キーボードのメロも同様だ。

そんなことを感じさせるのが、2曲目の“I Want You To Rock Me”と次の“Cryin’”だ。

ヴォーカルメロの妙のいでたちがBON JOVIそっくりなのが、次の“American Dream”だ。

BON JOVIのみならず、GREAT WHITEのバラードである“Save Your Love”をオマージュしたのかと思われるに充分なのが、次の“Desperate”だ。

 
    GREAT WHITE


それのみならず、爽快なドライヴ感のある雰囲気が最高な“One Night Alone”などもあるし、ミドルテンポでも高揚感に溢れた“ Waiting”などもある。

80年代の好景気のさなかにあった時代の雰囲気を象徴する雰囲気を思い起こさずにはいられない音楽をこのアルバムは有しているということだ。

やはり、当時にできた音楽は、やはり高揚せざるを得ない雰囲気が満載なのだ。

このアルバム収録の“Cruising”などは、当時の時代を象徴する曲名だ。

今はそんな曲名は、発想もできないだろう。





女性がシンガーをしているバンドでアメリカンな例では、IN THIS MOMENT、HALESTORM, NEW YERAS DAYといったバンドを挙げれるが、これらのバンドはいずれも1人のシンガーがドSな感じで苦手意識を持つ例もあるだろう。

しかし、ことVIXENはここまで牽引するものではない。


●“Cryin'”
  ↓



当時のアルバムは、やはり良質なものが多いし、出来が良くなくて中古盤屋に売ったのは少数だった。

しかし、バブル経済が晴れて不景気に陥るとどうしてか、良質な音楽も少なくなっていったのだ。

ゆえに、中古盤屋に売ってしまったCDの数は数えきれないくらいあった。


不思議といえば不思議であるが、当たり前といえば当たり前なのだろうか?

やはり音楽は、人の心を映し出すものであり、陰鬱な気分に沈んでいれば、やはりその心を映し出す音楽ばかり出来てしまうのも必然なのだろうか?




しかし、VIXENは幸運にして好景気のさなかにデビュー出来て、アルバムも出すこともできた。

ゆえに、このような好アルバムを出すこともできたのだろう。

このアルバムからは、3つのシングルカットがなされた。

いずれも全米チャートの30位前後にチャートインするも、アルバムゴールドには届かずじまいだった。

しかし聴きごたえのある1枚として、勧めれるアルバムであることは間違いない。


●このアルバムは以下よりどうぞ!
  ↓

●以下のサイトでも取り扱っています。
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タワーレコード

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今回はこれにて終了します。

ありがとうございました。

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