シンフォニックメタルは、ヨーロッパ諸国で隆盛を誇っている。
やはりクラシカルミュージックやオペラを土台にして文化を育成してきたこれら諸国では、従来のハードロックにその要素を必然的に、そして無意識に取り入れても不思議ではない。
オランダ、ノルウェイが2大シンフォニックメタルバンド国であろう。
その魅力は、本1冊にして書くほどのものがあるのは言うまでもない。
そういう本を書いてくれる人がいたら、ぜひとも読みたいものである。
話題がそれるが、これまでの自身の経験から言うに、シンガーが歌詞を書かないバンドのモノは、聴きたくなくなるのだ。
いくら楽曲がよくても、聴いていてもソウルが感じれないゆえに、感動ができないのでいつしか疎遠になり、中古盤屋に売ってしまうということを繰り返してきたのだ私は。
YNGWIE MALMSTEENの『TRILOGY』は非常に素晴らしい出来だが、何故か聴かずじまいになって、いつしか20年以上もたってしまっていたのだ。
『TRILOGY』
またDANGER DANGERのデビュー作もかなりいい出来だったが、いつしかほとんど聴かずじまいで20年以上たったのだった。
それはいずれも歌詞をシンガーが歌詞を書かないゆえに、自分の思いや主張ではないのでソウルを込めることができないので、聴き手が感動できないということになっていたのだ。
しかし、それは私のことであって、他の人はどうかわからない。
※参考記事
そういうスタンスゆえに、シンフォニックバンドでも、歌詞をシンガーがかないバンドのは、いくら楽曲がよくても感動できずじまい、ということになるのがわかっているので、買わないことになっている。
話題になっているバンドでも、ウィキペディアで調べて、シンガーが歌詞を書いているかどうかを確認することができるので、まず調べてからシンガーが作詞していないバンドの場合は買わないことにしている。
ノルウェイのSIRENIAは素晴らしいバンドと楽曲だけを聴くに思ったが、ウィキペディアで調べてシンガーが作詞しないのがわかったので買わないことにした。
しかし、EPICAやDELAINは調べるに、シンガーが作詞をしているのでこれから買って聴こうと思っている。 まず取り上げたいのは、オランダのDELAINである。
DELAIN
そのアルバムの『APRIL RAIN』である。
●“April Rain”
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出だしのタイトルトラックの“April Rain”のピアノの美旋律や今は脱退してしまった女性シンガーのシャルロット.ヴェッセルズのソウルフルな歌声が耳に惹くのだ。
このバンドもシンガーが歌詞を書いているがゆえに、その心を歌に乗せることがかなって、聴いている方も引き込まれるのだ。
いくら歌が上手くても、歌詞を書いていないがゆえに感動できなかったセリーヌ.ディオンとは違う。
この人は世界的に有名であるがゆえに、御法度なのかもしれないが、この人はアルバム数枚中、1曲くらいしか歌詞を書いていないのがわかって愕然としたのだ私は!
世界的に有名ゆえに、作詞もするのだろうと思っていたがそうではなくて…(笑)
セリーヌ.ディオン
しかし、このバンドはシンガーが歌詞を書いている…実に望ましいスタンスだ。
歌詞に感情を込めることがかない、それゆえに、心惹かれて聴きいってしまうのだ。
歌詞をシンガーが書かないと、いくら曲が素晴らしくとも聴きいることはできない。
しかも、このバンドのシンガーのシャーロッテ.ヴェッセルズは美旋律な声を持っている。
シャーロッテ.ヴェッセルズ
次の曲の“Stay Forever”における無人の森林の中の畔に佇まっている気分になる部分で聴ける美旋律な声は、まさに凍てついた澄みの色を持っている。
WITHIN TEMPTATIONのシャロン.デン.アデル(Vo)と同じ特長を持っている。
そして同じくシャロンも歌詞をアルバムのほとんどの曲で書いている。
●“Stay Forever”
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そういう特長を持ったシンガーの声は、この“Stay Forever”のような、サスペンスティックなドラマ性を秘めた曲においては、かなり感情移入を可能とする曲に変化するのだ。
それもシンガーの力量やソウル(作詞)にかかっているのだ。
それを難なく可能にしているのがこのバンドなのだ。
壮大な夕焼けを想起させてから一気に畳あげる“Invidia”も印象的だ。
この曲で聴ける女性としての柔和さや、透明感を有した声は男性シンガーにはないものだ。
このバンドの曲のほとんどを作曲しているキーボーディストであるマタイン.ヴェスターホルトは非常に巧みな曲を書く能力が非常に高い。
こんな映画のサントラのような壮大な曲をよくも量産できるなと感心せざるを得ないのだ。
それでいて、美旋律にまみれたピアノを弾きこなすゆえに、ハートの方もかなり澄んでいるのだろう。 それでいてイケメン…何も文句のつけようがない凄い人物だ!(笑)
マタイン.ヴェスターホルト
そんなことを“Control The Storm”を聴いていて考えてしまったのだ。
武器はそれだけでなく、ちょっとヨーロッパ風の佇まいの建築の中を歩いているような憩いの曲であるのが“On The Other Side”だ。
ポール.マッカートニー顔負けの憩いの曲だ!
持ち前の美旋律に柔和な味も加わったのみならず、哀愁漂うドラマ性も秘めた“Virtue And Vice”のような曲を聴いていると何も言えなくなるのだ。
それを更にスピードで固めた曲が次の“Go Away”だろう。
真空のような砲筒を想起させるのだ。
激しさと静の交互滞在には魂が奪われるようだ。
やはりこういったシンフォニックなバンドの音楽的な特徴は、プログレッシヴ、ドラマティックという形容が浮かび上がる。
男性シンガーが普通の英米のHRを数多聴いてきた人にとっては、当初はこのバンドのような女性シンガーのバンドはなかなか受け入れられなかったかもしれないが、虚心坦懐に聴いてこのような曲芸を見せられると、何も言いたくなくなるだろう。
女性だからこそできる見事な歌声、それによってこそできた音楽的な相乗効果にはただノックダウンされるほかない。
激しいながらも、女性シンガーの声ゆえの癒しの時空間の存在は、英米のバンドにはなかなかできる曲ではない。
それがかなうのはKAMELOTくらいであるが、このバンドは男性シンガーゆえに癒しの空間は作りづらい。
そういうことができる女性シンガーがいるバンドゆえに、それがこのバンドDELAINの特長であり、特徴になっているのだ。
“I'll Reach You”はもちろん、“Start Swimming”でも、そのことが明白だし癒しの夕焼けを見せられているデジャブに襲われるのだ。
冷徹な雰囲気に包まれた雰囲気を包みこんだ“Nothing Left”で、このアルバムは閉じる。
夕焼けを魅せられている時空間を有する曲ゆえに、自分の心は真に洗浄されたまま終焉を迎える。
こういった特長を有した曲群ゆえに、何度も聴きたい誘惑に襲われながら日々を送ることになるのは間違いない。
●このアルバムは以下よりどうぞ!
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Delain ディレイン / April Rain | ||||
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●以下のサイトでも取り扱っています。
↓
タワーレコード
【HMV】ローチケHMV|音楽CD・DVD
今回はこれにて終了します。
ありがとうございました。