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シンガーのチェンジは、時としてバンドに良い結果をもたらす事になる。
加入したシンガーの持ち込んだ音楽性が、それまでのバンドにない要素が持ち込まれて音楽に良好さに相乗効果をもたらす事になることがあるからである。
もちろんその加入したメンバーが作詞や作曲をしなければ話しにはならないが。
それがKAMELOTでは、2012年のトミー.カレヴィックの加入になる。
それまでは元CONCEPTIONのロイ.カーン(下写真)が務めていたが、彼は体調不良を理由に脱退した。
確かに、ロイは素晴らしい声を持ったノルウェー人だ。
その声は、CONCEPTION時代から注目されていて、その声は「神の声」とまで評された。
しかし、今思えば、ロイの声があのグレーじみた色を彷彿とさせる音楽に彩ったKAMELOTが心底称賛したいかといえば疑問符が付いた。
その音楽を作る人の心情やモラルや世界観といったものが色濃く反映されるのが、このジャンルの芸術なのだ。
ロイが加入したKAMELOTの音楽は、彼の心情を映し出していたがゆえに、この時代と、今のトミーの音楽を比べると、やはり暗めな印象を受ける。
やはりグレーな色合いが音楽から醸し出されるし、私の好きなメロディのレベルではないので、それほどの感動をよび起すことにはなっていないのだ。
なぜそうなるか?
やはりメイン作詞家だったロイの心情を映し出していたからだろう。
その人の世界観は、それまでに育った環境、自分が摂取してきた情報、読んだ本や見てきた映像、その他さまざまなものが影響を与えて形作るものなのだ。
それによって、歌詞や曲が出来上がるもので、その結果、今のKAMELOTより結構暗い印象を与えることになっている。
それが私の好みになっていないと感じたのだ。
ロイ.カーン(左端)
しかし、それを批判する気にはならない。
やはり、心底自分の思いを表出するのが音楽である。
ゆえに、思ってもいないことなどを「売れそうだから」とか「今の時流だから」といった理由で歌詞にする必要はない。
自分が心底アピールしたいことを歌にすべきなのだ。
そうすることで、琴線に触れた人を感動させることができるのだ。
しかし、琴線に触れなかった人は感動できる話ではない。
琴線に触れた人が多い場合、ヒットや大ヒットという現象になる。
しかし、最初からそれらを狙って音楽や歌詞を製作すべきではない。
ゆえに、ロイ時代の暗めのKAMELOTの音楽を自分は好きになれないからと言って、ことさら批判する気にはなれない。
やはりミュージシャンたるもの自分の心底思うべきものを表出するべきなのだ。
しかし、その結果できた音楽性が私の琴線にそれほど触れずに終わってしまうのであれば、やはりメインの好みにはなれない。
これまでロイ加入時の『EPICA』アルバムや『POETRY FOR THE POISONED』、そしてベスト盤である『WHERE I REIGN』を買って聴いたが、「いいんだけどねえ…」で終わってしまうことを発見した私は、いずれもヤフオク!で売ってきた。
ロイは素晴らしい声の持ち主であるし、歌唱力はこの上なく高いが、出来た音楽がこれでは、やはり手放さずにはいられない。
いま、ロイはいまCONCEPTIONに戻ったが、そこで作っているアルバム名も『MY DARK SYMPHONY』や『FLOW』といった感じで、やはりその名から、音楽性が想像できてしまう(笑)
そういう音楽はたまに聴くのならばいいが、そんな毎日聴くには及ばない(笑)
しかし、断っておくのは彼への批判ではないし、あくまでも自分の好みではないということだけだ。
2007年には、KAMELOTは『GHOST OPERA』というアルバムを出して、あのWHITESNAKEともドッキングを組んでライヴもやった。
それが下の写真である。
神の声と評されたロイ.カーン率いるKAMELOTと、名実ともに世界的に認められたロックシンガーであるデヴィッド.カヴァーデール(下写真)率いるWHITESNAKE…こんな夢のような共演が実現されたのであれば、その2つのドッキングを撮影したブートがあったら是が非でも手に入れたいところだ。
そして、この場でも紹介しただろう。
しかし、これまで買ったロイ加入時の3つのアルバムが、どれもそれほど好きになれなかったのであれば、買って聴く気にはなれなかったのだ。
たまたま、その『GHOST OPERA』の出来がいいという可能性はあるが、昨今の値上げで、高くなっており買う気は失せている。
非常に残念だ。
以下、ロイの声を最大限いかした曲であるCONCEPTION時代の“Silent Crying”と、そのアルバムを以下に紹介したい。
“Silent Crying”
↓
※『PARALLEL MIND』
Conception / Parallel Minds | ||||
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ロイが加入してから12年後に、彼は体調不良によって脱退してしまう。
そして、迎い入れられたのはSEVENTH WONDER等で活動していたスウェーデン人シンガーのトミーカレヴィックだ。
それまでのキャリアについては知らなかったが、2015年のMEGADETHをトリにした『LOUD PARK』を観に行ったときにKAMELOTもみることができた。
メインステージで初めから数えて5番目に登場ということで、曲数は少なかったが、それでも印象を残すには十分のいい曲ばかりだったことを覚えている。
「確か、このバンドにはロイ.カーンがいたんじゃなかったっけ?いつの間にか脱退して違う人が加入していたの…」くらいにしか思ってなかったが、楽曲の良さと、歌の上手さが目立って「このアルバム買いたい!」とすぐさま思ったのだった。
いまどきのデビュー作からしてレベルの高いHMアーティストがうようよいる時代において、メインアクトになったバンドと、前のほうの順番で登場してくるバンドにもはや差などないのは明白だった。
スピードとヘヴィさを失ってしまったMEGADETH(下写真)よりは、KAMELOTのほうがいい出来のバンドと思ったものだった。
そして、すぐさま当時の最新アルバムだった『HAVEN』を買って聴いたのだった。
その良さに耽溺した私は、その後すぐに実現した単独来日公演にも当然足を運んだ。
単独公演ゆえに、『LOUD PARK』の時のように曲数が制限されるわけではなくフルだったのが幸いした。
ただ、トミー加入後のアルバムをすべて(とはいっても『HAVEN』を含めても2枚だったが)集めていたわけでも、その前のロイ時代の曲も知っていたわけではなかったので、知らない曲が演奏された時は困惑のほどは想像されたいところだ。
そして、最近トミー加入後の最初のライヴ映像である『I AM THE EMPIRE』を買って観た。
単独の来日公演で見せた独特の存在感のあるトミーのパフォーマンスと、振り付けのステージアクションをまたみたいと思っていたところに、まさに渡りに船だった。
やはり堅実なプレイに冷徹な雰囲気を出しながらも、ヘヴィさは維持し、きらびやかな閃光を発した照明アクションが、このバンドの魅力を相乗的のアップさせているのだ。
これはもちろん、バンドの着実な演奏力と構成力とそして歌唱力がなければできた話しではない。
メロディの起伏も、ドラマティックな曲展開に乗じるように調和しているから興奮を隠せない。
このバンドの音楽的特徴はシンフォニックと呼びならわしてもいいだろう。
そういう音楽を体現するバンドは、ヨーロッパとくに北欧に多い。
トミーの故国のスウェーデンもそうだし、オランダにもそういった音楽を体現するバンドは多くいる。
類ともゆえか、スウェーデンのAMARANTHEのシンガーであるエリーゼ.リードや、DELAINのシャーロッテ.ヴェッセルやARCH ENEMYのアリッサ.グルーズもゲスト参加して、このライヴに登場している。
こういうシンフォニックなバンドはアメリカではなかなかいない。
KAMELOTはアメリカ出身にもかかわらずシンフォニックなメタルを体現する珍しいバンドだ。 北欧にはそういう例が多いが、フィンランドのSONATA ARCTICA(下写真)もそういう音楽だが、このバンドはスピーディでかつ冷徹なメロディを有しながらも、熱い血潮を感じる音楽をしていたのを『LOUD PARK』で出演した時のステージで感じた。
こういう特徴をしたバンドはなかなかいない、SONATA ARCTICAのみが有する貴重なアイデンティティだ。
トミー加入後のKAMELOTは、スピーディでかつ冷徹なメロディを有しながらも、熱くはなくそのまま爽快さに変化する感じだ。
ロイの時期は、その爽快さがなく、歌メロの暗さがマイナス因子になってしまっていた観があると感じるのの私だけであろうか?
ロイ時代の曲では"Rule the World""March of Mephisto""The Great Pandemonium"がこのライヴ映像では披露されているが、曲数はこのくらいでいいだろう。
KAMELOTと銘打っているからには、全時代のをできる限り網羅しなくてはならないが、前任者のモノをいたずらに多く演奏するのはいただけない。
その曲は、トミーが書いたものではないからだ。
自分が書いていない歌詞の曲を歌っても、聴いている側は感動できない。
ゆえにこれくらいでいいだろう。
サミー.ヘイガーがVAN HALENに加入した時には、自分がレコーディングした曲を中心にしていた。
それのみか自分のソロアルバムからの曲もしていたが、当然それでいいだろう。
他人が書いた歌詞の曲は、感情がのせれないゆえに、聴いていても感動できない。
トミーはスウェーデン人だが、歌詞も英語で書いている。
しかし、それが功を奏して、最初から最後まできき手を感動させることにつながっている。
激しい曲でも、エモーショナルなバラードでもである。
最初から最後まで緊張感が途絶えないがゆえに、何度もこのライヴ映像を見てしまうのだ。
その結果、最近トミー加入後の最初のアルバムである『SILVERTHORNE』を買って聴くことにつながった。
その良さについては別のページで紹介したいが、KAMELOTがこれほどまでに熱中させてくれるものを出してくれるとは思わなかった。
最近は、その『I AM THE EMPIRE』を毎日のように鑑賞している。
しかし、KAMELOTは95年のデビューから17年後の『SILVERTHORNE』において素晴らしい出来を披露してくれたことで、一気に大ファンになった。
それまではそれほどマークなどしていなかったのだが。
さながら、デビューから9年間は好きでも嫌いでもなかったWHITESNAKEが9年後にとてつもなく素晴らしいアルバムを出してくれて、大ファンになった軌跡と通じるものがある。
そのアルバムが、『WHITESNAKE 87』(下写真)だ。
WHITESNAKEの場合の9年と17年と差があるのは確かだが、それでもうれしいカウンターパンチだ。
こうなれば、トミーのこれまで属していたSEVENTH WONDERにも関心がいって当然のことで、音楽サイトにいって入手可能なのは入手したいと思っている。
まずは、トミー加入後に出した2枚目の佳曲とそれ収録のアルバムを紹介したい。
●“Insomnia”
↓
※ 『HAVEN』
Kamelot キャメロット / Haven | ||||
|
●以下のサイトでも取り扱っています。
↓
タワーレコード
【HMV】ローチケHMV|音楽CD・DVD
今回はこれにて終了します。
ありがとうございました。
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♯トミー.カレヴィック
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