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このKISSのライヴCDである『LIVE AT DONINGTON』 は貴重なライヴである。
それは、オジーがトリ以外で出た最後のライヴになったからだ。
これは、96年の『MONSTERS OF ROCK』でのライヴだが、KISSがトリになり、OZZY OSBOURNEがセカンドビルになったが、これを最後に、OZZY及びオリジナルBLACK SABBATHは世界中のフェスでトリを務めることになったのだった。
事の発端は91年にさかのぼる。
この年にMETALLICAがあの『METALLICA』アルバムを出し、これが全世界で2000万枚以上を売るヒットになり、音楽シーンを大幅に変えたのだ。
あのアルバムの特徴である、ヘヴィでダークかつミドルテンポの曲が多いということを受けて、このアルバムをどのバンドも追従していったがために、グランジ.オルタナブームが起こったのだ。
そういう音楽的な特徴を持つバンドはどのバンドか、という大衆の関心として白羽の矢が立ったのだが、それは当然オリジナルメンバーのBLACK SABBATHであり、その話題性が呼び水となり、98年にこのバンドの再結成がかなった。
あのMETALLICA(下写真)が起こしたブーム下によってかなったのであって、90年代の初頭まであったハードロックブームにおいて、それがかなったとはとても考えれない。
そのグランジは、あの『METALLICA』アルバムから始まったが、あのアルバムの良さを踏襲したモノではなく、ヘヴィさだけを強調した気怠い音楽が特徴になってしまっていた。
そういう音楽が席巻してしまっていたのだ。
それが、聴き手を魅了するものであればいいが、そうではないモノが多かったのは間違いない。
あのグランジブームは、すぐ消えてくれればよかったのだが、そうはならず、かなりの長い期間続いた。
その余波はいまだに続いているといえるだろう。
そういう気怠さは後退したが、やはりヘヴィな音が基調となった音楽の方がウケがいいのは間違いない。
その結果、日本でも『LOUD PARK』が10年以上続いているし、ハードロックよりもヘヴィメタルバンドの方が話題性は高いままだ。
そういう音楽の世界的な流行下ゆえに、オリジナルBLACK SABBATHと、そのバンドのシンガー擁するOZZYOSBOURNEは、それ以降、世界中のフェスでトリを務めることになった。
ハードロックブームの下においては、OZZY OSBOURNEは、セカンドビルやサードビルに甘んじることはしばしばだったにもかかわらずである。
その意味で、オジーはMETALLICAに感謝すべきだろう。
下の写真をみればいい。
やはりオジーの顔は、ハードロックに後塵を拝していた顔をしている。
ハードロックに後塵を拝していた顔って何だ…と思われるだろうが(笑)、言わんとすることはわかるだろう。
やはり2,000年前後のメタルの帝王に君臨した後の顔とはまるで、威厳が違うのがわかるだろう。
そういうブームが到来すると、KISSのメンバーは先読みしたのだろうか?
こういったメタルブームの対抗するには、ハードロックのミュージックではダメということを。
それゆえに、97年に出したアルバムである『CARNIVAL OF SOULS』(下写真)は、かなりグランジを取り入れた出来になった。
しかし、これは失敗であったのは間違いない。
KISSの良さを全然活かしてないし、気怠い雰囲気を有していたので、中古盤屋行きになった。
そして、これからのKISSは、大掛かりなステージングやパフォーマンスを施したメイク時代の曲でないといけないと考えたのだろうか?
96年にふたたびメイクを施したライヴに鞍替えしたのだ。
その読みは当たっていた。
ライヴ敢行は、ノーメイク時代よりも観客数は大幅ベースアップしている。
他のハードロックバンドは、80年代や90年代初頭にはアリーナでしていの数が、それ以降は中級ホールやクラブ規模に落ちていったにもかかわらず。
日本でも、ノーメイク時代は日本武道館でしていたが、メイクになって東京ドーム公演を実現しているのだ。
この先、ハードロックでは対抗できないと読んでいたのかどうかわからないが、この『MONSTERS OF ROCK 96』でのライヴは、メイク時代のモノだけに絞ったのだった。
このフェスで、ハードロックバンドはトリの自分たちだけということには当然気が付いただろう。
90年の『MONSTERS OF ROCK』は、参戦したバンドは全てハードロックバンドに占められていたのだが、次の年には、1つのヘヴィメタルバンド(METALLICA)だけが参戦し、92年には参戦した6バンド中3つのヘヴィメタルバンドが参戦し、94年には6バンド中2つのヘヴィメタルバンドが参戦し、95年には参戦した9バンド中、6つのヘヴィメタルが参戦するといった感じで上下を繰り返していたが、96年にはついに1バンドだけハードロックバンドということになってしまった。
やはり、人間はアクの強いものの方がハマりやすいということだろう。
一見すると忌避しやすいが、思い切って入ってみるとその魅力に鷲掴みにされて、そのまま嵌ってしまい抜けにくくなるということだ。
それが30年以上にわたって続いているということだ。
当時の音楽シーンをタイムリーにみていた私だが、「これは短期で終わるだろう」などと持っていたが実際はそうではなかったし、今も続いている。
そして今、俯瞰すると、ハードロックのブームは80年代初頭から90年代初頭までのわずか10年くらいだったのだ。
いま思うと、儚い繁栄だったとは思うが、その短い期間で数々のハードロックアーティストがいくつものアルバムで、何百万枚ものレコードやCDを売ってきたのだ。
その時期に活躍したアーティストで、今は辞めてしまったパターンもあるが、今も現役を続けているパターンの方が多い。
その良さは、今聴いても感動できる品位を備えている。
そんなアーティストたちに大差をつけて活躍し続けているバンドの1つがKISSだ。
その良さも、いま、聴いても決して色褪せることなく…というレベルではなく、かなり感動を呼び起こすレベルなのだ。
世間の多くの人たちとは違って、私はノーメイク時代のKISSの方が好感が持てるのだ。
理由は単純で、ノーメイク時代のレコードの方が、佳曲が多いからだ。
プロダクションのレベルも高いからだ。
しかし、世間では、メイクのKISSのを歓待している。
それで世間一般とは乖離してしまっているのが現状だ。
しかし、これまでの経験から、自分がそれほど好意の持てないものを無理やり突貫しても決して好きにはなれないということがわかっているがゆえに、あえてそういうことはしないでいるのだ。
昨年初めに叶ったMEGADETH初の日本武道館公演だが、何回も行こうかどうか迷ったが、行かないことにした。
MEGADETH
その模様がWOWOWで放映されたが、やはり感動できない。
理由は簡単。
MEGADETHのアルバムは私にとっての佳曲が少ないからだ。
86年発表の『PEACE SELLS…BUT WHO'S BUYING?』(下写真)は全曲佳曲だけの素晴らしいアルバムだが、それに拮抗できるアルバムが、まるでなくなってしまったのだ。
それゆえに、2015年の『LOUD PARK』においてMEGADETHのステージを観たが、感動できずに終わってしまったのだった。
その経験から、日本武道館公演には行かないことにしたが、その決断は間違いではなかったのだった。
KISSの公演に行ってもそうなる可能性があったのだった。
何はともあれ、KISSの今回のライヴCDは、メイク時代のモノだけだが、聴く価値はあるようだ。
って,さっき言ってたことと違うじゃん、と思われそうだが(笑)、アルバム中の佳曲に占める割合がメイク時代は少なかったというだけであって、シングルカットされた曲は間違いなくいい。
メイク時代のヒットソングとノーメイク時代のヒットソングを集めた『SMASHES,THRASHES & HITS』アルバムは、最初から最後まで興奮冷めやらずにずっと聴いていたのだ。
それには嘘偽りはない。
ゆえに、佳曲ばかりになった。
ならKISSのコンサートにもいけばいいじゃん、と思われようが、メイクのKISSはチケットがバカ高いのだ(笑)。
ゆえに、コンサートには行く気がしないのだ。
2019年のコンサート時には「最終コンサート」と銘打っていたにもかかわらず、また復活している…(笑)。
本当に最終だと確信が持てたら行くかもしれないが…。
これまで、KISSはライヴ盤を数多く出してきた。
それはひとえに、アルバムを売ってきたというだけでなく、ライヴの出来が素晴らしいからだろう。
いくらスタジオ盤が良くても、ライヴでは手抜きするバンドがある中、KISSはそういう所が一切ないから好感が持てる。
そんなKISSのライヴ盤は、オジーがセカンドビル以下になった最後のフェスで、トリになったKISSのライヴ盤はおすすめである。
収録曲は以下。
1 ジュース
2 暗黒の帝王
3 ドゥ・ユー・ラヴ・ミー
4 悪魔のドクター・ラヴ
5 コールド・ジン
6 レット・ミー・ゴー、ロックン・ロール
7 狂気の叫び
8 ウォッチン・ユー
9 ファイアーハウス
10 ショック・ミー
ディスク: 2
1 ストラッター
2 雷神
3 ラヴ・ガン
4 10万年の彼方
5 ブラック・ダイヤモンド
6 デトロイト・ロック・シティ
7 ロックン・ロール・オール・ナイト
●以下のサイトでも取り扱っています。
↓
タワーレコード
【HMV】ローチケHMV|音楽CD・DVD
今回はこれにて終了します。
ありがとうございました。
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