KISSの『OFF THE SOUNDBOARD;Poughkeepsie, NY, 1984』を聴くメリットはこれだ!

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昨今は、80年代から90年代初頭にかけて活躍したアーティストのライヴ盤が多くリリースされている。

KISS、JUDAS PRIEST、IRON MAIDEN、DIO,METALLICA、WINGER、DOKKENTNT…数え上げればきりがない。

やはり、スタジオアルバムだけでは、売れないとレコード会社が判断したのだろう。

その意図は当たっていると思う。

この80年代から90年代初頭にかけてがHR/HMの最盛期だったわけだし、その時期に売れたアーティストは多くのファンを獲得し、そのファンたちが喜ぶものと言えば、そのアーティストの過去のライヴ音源もそのうちの1つとして大きな比重を占めている。

しかも、過去にしかライヴで演奏されていない曲が多く収められているとなれば聴きたくてたまらないと思うようになるのは自然な成り行きだ。



私はそう考えるのだが他のファンはどうなのだろうか?

ヤフオク!でも当時のアーティストのモノは、最近出たスタジオアルバムよりも、過去にリリースされたものの方が高く売れるのは、そういう過去の思い入れがあるからなのは明白だ。

それに、人間だれしも、年を重ねるほどに保守的になり、決まった曲ばかりライヴで演奏するようになるのだ。

新しいことに挑戦しようとする気概がなくなっていくようだ。

ゆえに、そのアーティストに忠誠を誓ったファンならば、喜んでアーティストライヴに高い金を払って行くだろうが、それほど好きではないアーティストのモノには行けないだろう。

しかし、過去のライヴ盤であれば話しは別だ。

その当時にしか演奏されて、今では全く演奏されなくなってしまった曲がなされているとなれば、必然的に聴きたくなるのだ。

しかるに、KISSのモノはそういうたぐいに入る。

KISSは、90年代後半に素顔での演奏をやめて、デビュー当時のメイクでの登場に戻した。

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それにより、メイク時代の曲が中心になってしまった。

しかし、私はメイク時代よりも、素顔の時代の方が好きだ。

アルバムに占める佳曲の割合がこっちの方が断然多いからだ。

メイク時代は、佳曲がアルバム中2~3曲くらいしか入っていないのだ。

にもかかわらず、世間ではメイクでのライヴの方が、観客動員数が多いがために、それを維持している。

それで、コンサートのチケット料金も、メイクでの方が断然高い。

それでは、私にとって縁遠い存在になって当然だろう。

どうも世間一般と私の食指は違うのだ。

しかし、メイク時代よりも、ノーメイクの時代の方が佳曲が多い、という意見に賛同してくれる人はいないだろうか?



まあ愚痴はこれくらいにして…(笑)。

一番最初に、昨今は、80年代から90年代初頭にかけて活躍したアーティストのライヴ盤が多くリリースされていることを指摘したが、それは単にこの年代に活躍したというのみならず、ライヴでのレベルが高い場合の話しである。

昨年出されたノーメイク時代KISSのライヴ盤であるOFF THE SOUNDBOARD;Poughkeepsie, NY, 1984であるが、これは84年ANIMALIZE(下写真)発表後に行われたものだ。



そのANIMALIZEはバンドのキャリアで7枚目全米プラチナアルバムになった。

これを吟味すると、やはり、KISSはライヴのレベルは高いゆえにいくつものライヴ盤が出てきたし、このライヴ盤も高い。

類は友を呼ぶという諺通り、新加入のマーク.セントジョン(下写真)も、従来のKISSメンバーと同じレベルが必然的に要求された結果、このような素晴らしいレベルが垣間見れる。



しかし、マークは、ANIMALIZEにおいて、作詞作曲には一切参加していないのが残念なところだ。

しかし、そういう、一時的にしか参加してなかったメンバーのミュージシャンとしての味を散見したいマニアックなファンは多いだろう。

ただ、こういう昔のライヴ盤を鑑賞するメリットとして大きいのは、やはり現在のバンドのライヴではほとんど、あるいは絶対に演奏されない曲が演奏されているのを聴くことだろう。

このKISSANIMALIZEの収録曲で有名で今も演奏されているのは“Heaven's On Fire”だろう。

そして“Thrill In The Night”もシングルカットされたが、これが今演奏されることはまずない。

このライヴアルバム収録の曲で、そういう例は“Fots Like A Glove”“Under The Gun”“War Machine” “Oh ! Susanna”4つの曲だ。

これだけの曲が収録されていれば、ファンにとっては、充分に買うメリットは存在する。

こういう曲を、今堪能できるのは、ファンとしてこれ以上ありがたいことはない。

注目すべきは、この当時はデビューしたてのBON JOVIを前座にしていたことだろう。



その時のBON JOVIのライヴもCDにしてカップリングして、このCDに付属してくれたらよかったのだが…ってそんなことするわけないだろう、と反論されてしまいそうだが、実際他のライヴアルバムが出た時に、前座のアーティストライヴカップリングで付けられて販売されたこともあるのだ。

それが、YNGWIE MALMSTENLIVE !』(下写真)だ。

これはブラジル公演の模様をライヴアルバムにしたものだが、この時に前座を務めたブラジルのバンドであるDr.SINのライヴもカップリングされているのだ。

MalmsteenLive

こういう企画は面白い。

それを、このKISSライヴでもしてほしかったが、人生そんなに自分の思い通りにいかないから難しい(笑)。

それでは、仕方ないからブートレッグショップを詮索するほかないようだ(笑)。

今、私は忌避しているBON JOVIだが、デビューセカンドまでの時期は、きちんとメロディを歌い、音程を下げて歌うことなどなかったので、好感の持てたバンドだった。



ジーン.シモンズ & ジョン.ボン.ジョヴィ 84


しかし、サードアルバム全世界で一気にミリオンセラーを達成したことで、世間を舐めるようになったのか、キーを下げたり、音程を下げたり、フェイクしたりといった頻度が多くなり、それ以降のライヴがどうも好感が持てなくなり、あえなく縁遠い存在になった。

スタジオアルバムも、佳曲のアルバムに占める割合が著しく低下したのも縁遠くなった理由だ。


しかし、そんな私の愚痴は虚しく(笑)、このバンドは売れ続け、ライヴをおこなえば、アリーナスタジアムが当然になっている。

しかし、このバンドのライヴの姿勢を評価できない私は、そういった数字だけではいかないことにしているのだ。

しかし、デビューからセカンドまでは、きちんと歌唱していたので、好感が持てるのだ。


そういうライヴ盤であれば、大歓迎なのだ。



そういうフェイクや音程下げが少ないのが95年に出されたライヴビデオであるLIVE FROM LONDONなのだが、「このようなライヴを維持してくれるかな…」と期待していたが、それはかなわかった。

また、いいかげんなライヴに様変わりしてしまったのだ(笑)。

そういった落胆はことKISSにおいては一切ないのだ。

そういうライヴ、しかも、今のKISSでは演奏されることのない楽曲がいくつも聴けて、しかも、この年にしか加入してなかったマーク.セント.ジョンのプレイを聴けるライヴ盤は、貴重である。

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今回はこれにて終了します。

ありがとうございました。

adaed49ad

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