(コラム)売り上げマイナーなEMPERORから、メジャーな威厳を感じれるパフォーマンスの不思議を考察する?

HMV&BOOKS online



BON JOVIがあのSLIPPERY WHEN WETを世界中で大ヒットさせた後に、 ハードロックヘヴィメタルはマイナーな存在だからこそファンでいられた。

なのに、メジャーになったらその状態に違和感を感じる」
80年代後半BURRN!の某号の読者による投稿でこう書かれていたのだ。

DEF LEPPARDがあのHYSTERIAアメリおよび世界で大ヒットを記録した時にDEF LEPPARDアメリに媚を売った」などと言う言論がBURRN!の編集員により現れたが、その好況が去り、ハードロックの不況も叫ばれる時代になると、「再びあのヒットを!」などと言う意見が出だすのだから人間の言論はわがままそのものだ。



  DEF LEPPARD

しかし、ハードロックヘヴィメタルはマイナーな存在だからこそファンでいられた。なのに、メジャーになったらその状態に違和感を感じる」としたファンの精神はどういうことか分析したくなる好奇心めいたものを秘めている。

ハードロックヘヴィメタルは非常に出来の良いミュージックだ。

それを大衆受けするものに変わったら、その魅力がなくなるということだろうか?

それとも、大好きになった音楽だから、多くの人に魅了されるようになったら、独り占めすることができなくなるという後ろめたい気分なのだろうか?

いずれも理解できる心情だ。

しかし、それらの言論はいずれも早とちり的な部分を含んでいる。

日進月歩の進化を遂げている科学技術を駆使している音楽界において、大衆受けする要素を加味するということは、更なる音楽的な魅力の昇華を伴うものであることは間違いない。

そういう実験を伴ったアルバムを作った結果、世界的な大ヒットにつながったアルバムを聴けばよくわかる。 BON JOVI SLIPPERY WHEN WET DEF LEPPARDHYSTERIAWHITESNAKEWHITESNAKE, EUROPETHE FINAL COUNTDOWN(下写真)…etc

ファイナルカウントダウン

こういった例を見ればわかるように、いずれも音楽の質的昇華をしてこそすれ、魅力の減退は伴ってはいないことは間違いない。

それでも、やはり、そういった質的な昇華がなされなかった時代のアルバムの方がよろしいという人は、そのアルバムにかなりの入れ込みをしているのだろうことは間違いない。

それはそれで単なる好みの問題だから仕方がない。

どちらがいいか悪いかという問題でもないのだ。

しかし、そうでもなくただ単に、売れるようになったアーティストの存在が許しがたいという人は、その新たに開拓された大衆に対して敵対心を持っているだろうことは間違いない。

やはりミーハーが許せない、という人は、その人が、周りの人間から煙たがられているのだろう。

日々、不特定多数の人たちから変な目で見られていたり、陰口をたたかれているがゆえに敵対心を持ってしまっているのだろう。

何故、そういう目に遭うのか?

やはり、声が小さくてボソボソ喋っていたり、礼儀がなってなかったり、不潔だったり、怪しげな格好をしていたりしたら、周りの人間に疎まれたり、陰口をたたかれているがために、周りの人間に敵愾心を持っているがゆえに、そういうミーハーが許せなくなるのだ。

死刑囚になった故.麻原彰晃はまさにそういう要素をふんだんに持ち合わせていて、周りの人たちから疎まれていて、敵対心を大衆に持っていたのだ。

そしてあのサリン事件…そして死刑になったのだった。

周りの人間たちと良好な関係を築けている人は、ミーハーであろうが何であろうが受け入れられることは間違いない。

ミーハー…確かにこういった人たちのアーティストに対するスタンスとしては失礼に当たるかもしれないが、周りの人間たちと良好な関係を築けている人ならば、そういう人を見ても「仕方ないなぁ…」で終わるはずだ。

音楽的なファンでもそういった心理的背景を分析する必要がある。

そこで思い起すのはMETALLICA(下写真)のキャリアだ。

めたりか

デビュー作のKILL 'EM ALLはかなり粗削りで、音のプロダクションも低い。

当然だ。

そのレコーディングが人生初めての新人の時のものだったし、低予算で作ったのだから。

しかし、セカンドのRIDE THE LIGHTNINGからは打って変わって、かなりの高レベルの演奏力に様変わりしているし、プロダクションもかなり精緻になってレベルが高い。

そしてサードのMASTER OF PUPPETSはさらに昇華している。

そして91年のあのブラックアルバムだ

元々レベルが高かったうえに、大衆受けする要素をふんだんに盛り込めば、当然ヒットにつながることは間違いなかった。

セカンドからレベルがかなりハイになったMETALLICAだったが、それでもそんなにファンにはなれなかったことは正直書かなくてはならない。

確かに好きなバンドの1つではあったし、アルバムもすべて集めていた。

しかし、毎日聴きこむほどのファンではなかったが、91年のあのMETALLICA』アルバムからは様相が一変し、毎日聴きまくりになるようになったのだった。

やはり、その理由は質的な昇華に他ならない。

“Wherever I May Roam” 『METALLICA』収録
  



あのアルバムは聴きたくないが、それ以前の方がいいという人は、どのような心理なのだろうか?

単なる好みの問題か、あるいは周りの人間たちから疎まれているか、そのどちらかと思うのだがどうだろうか?

そこで思い起さなくてはならないのはノルウェーEMPEROR(下写真)だ。

premiumxl.jpg

EMPERORは実に不思議なバンドだ。

94年にデビューして、それから2001年までに4枚のアルバムを出し、一度解散し、そして復活するが、いまだに、アルバムを作る気配がない。

そして、そのシンガーのイーサーン8枚目のソロアルバムが、先日発売された。

バンドのキャリア以上の枚数のソロアルバムだ(笑)。

しかし、こんな悠長でマイペースなことをしていては、ファンから疎まれてしまうが、ことEMPERORに関しては、そんなことは一切ない。

世界中のフェストリセカンドビルを務めているし、ここ日本でも、2017年LOUD PARKではセカンドビルになったし、2019年にはANTHEMS TO THE WELKIN AT DUSK完全再現ライヴをしに来て、その時は1000人規模ホール計3回やった。

そして2023年にも、ベストライブの様相を呈する選曲での公演をおこなった。

いずれもニューアルバム未発表でここまでできるのだから凄い。

このバンドに先駆けるバンドとしてSLAYERMEGADETHがあげれる。

それぞれREIGN IN BLOODPEACE SELLS…BUT WHO'S BUYING?』という素晴らしいアルバムを出してくれたが、それ以降それらに準ずるアルバムは一向に出してくれなかったがゆえに、疎遠になってしまっていたし、それら以外のアルバムは全て売りに出した。


REIGN IN BLOOD
REIGN IN BLOOD


REIGN IN BLOODPEACE SELLS…BUT WHO'S BUYING?』はそれぞれ愛聴盤になっているが、それ以上とは言わずとも、それに拮抗するアルバムを出してくれれば、ファンになったが、いくら待てどもそれがかなわなかったので、ファンにはなれなかったのだ。

こういった名盤と同じレベルのメタルアルバムを出してくれたのだEMPERORは。

しかも4枚も。

そういずれもベストアルバムと評したくなるアルバムなのだ。

4つアルバムが、それぞれREIGN IN BLOODPEACE SELLS…BUT WHO'S BUYING?』(下写真)と同じレベル、いやそれ以上であると言い切ってもいいくらいだ。

pisuseruzu

そんな良質なアルバムを出してくれたにもかかわらず、2001年のアルバムを最後にEMPERORは解散し、その4年後に再結成する。

その直後に行われたドイツでのWACKEN OPEN AIRヘッドライナーで主演した時の模様を収めた映像がLIVE AT WACKEN 2006』だ。

その模様をみて観察すると、非常に作曲力や演奏のレベルが高く、プロダクションも申し分ない楽曲を多く有していることが直ぐにわかる。

ヘヴィメタルというどうしても、マイナーなイメージが音からもまとわりつくミュージックではあるが、そういうものを払拭してしまうカリスマとオーラを有しているのだEMPERORは。

かなりヘヴィではあるけれども、スピーディさも最初から最後まで維持しているし、静逸かつ冷厳にドラマ性を展開するその楽曲は、一切の気怠さを感じない魅力を有している。

どんな好きなバンドでも、気怠さを感じる場面はどのバンドにもあるが、ことEMPERORには一切ないのだ。

単なるスピディでヘヴィなミュージックではなく、ここで曲風転換したらいいな、と思ったらすぐさま転換するし、次の曲はこういうのがいいのでは、と思うとすぐさまそういう曲にかわるのだ。

そういった面を考慮すると、私の食指にぴったり合っているのがわかる。

ゆえに、最近はこのバンドのこの映像モノばかり鑑賞して、他のものが手付かずじまいだ。



しかし、それは万人にも当てはまるかというとそれは保証にしようがないのだが…。


“With Strength I Burn” ANTHEMS TO THE WELKIN AT DUSK』収録
  




しかし、ここで気がかりになるのはEMPERORのアルバムの売り上げである。

このバンドのウィキペディアをみると、全然売れていないのだ。

セカンドアルバムアメリカで18620枚売れて、サードアルバム10820枚売れたと書いてあるだけだ。

それなのに、世界や日本での好待遇…実に不思議だが、ここでネットでの情報への接しかったが浮き彫りになる。

今は数えきれないほどのアーティストが存在するがゆえに、以前と比べて売り上げが上がったとしても、それを上書きしていないということだろう。

よっぽどのメジャーアーティストでなければそれは不可能に近い。

RATTはデビュー作OUT OF THE CELLAR(下写真)が全米300万枚を売ったと30年前に知ったが、そのままの数字がRATTウィキペディアに書いてある。

41FxNYr0W9L._SL160_AA115_[1]

しかし、最近そのシンガーのティーヴン.パーシーウィキペディアをみると、OUT OF THE CELLAR全米500万枚ということになっている。

当然だろう。

あのアルバムは伝説的な名アルバムで今も入手可能なのは、その良さが今でも口々に言われていて、売れ続けたから今でも入手可能なのだ。

ゆえに、その数字にまで達していても、何ら不思議ではない。

そういう書き換えを、他のアーティストでもされていてしかるべしではあるが、アーティストの数が多すぎてできないのだろう。

ゆえに、EMPERORのもされていないのだろう。


しかし、ゴールドプラチナといった売り上げには達していないながらも、ここまでの地位に上り詰めたのだから、それはそれでかなり天晴れだ。

そういう実績を上げれる時期(94年)にデビューしたのだから、それらの獲得するチャンスは充分にあった。


  EMPEROR 94



しかし挙げれずじまいだったにもかかわらず、この好待遇…実に不思議であるが、やはりじわりじわりと売れ続けていたのだろう。

ここ日本世界中で。

実際に、このバンドの4つのアルバムはいずれも入手可能なのだ。

そうでなければ、この事象は説明できないはずだ。

しかし、1994年の頃から今までどのくらい上がったか興味津々なのは私だけではないのは当然だ。

やはリかなりの大衆的支持を受けていた威厳が、演奏にも楽曲にもプロダクションにも表れている。

ただ速く、ヘヴィなだけではなく、“Opus A Satana”“With Strength I Burn”での曲の構築美や壮大な渇興めいたSE音を有したドラマティックな展開を聴いていると、そんな品位がありありと迫ってくる。

これも私が、ゴールドプラチナを獲得していないにもかかわらず、EMPERORの音楽やパフォーマンスに耽溺し、ここまで入れ込んでしまった思考のモチベーションである。

売れているか売れていないか…メジャーなミュージックかそうでないか…それほどのヒットにはなっていないし、音楽業界全体から見たらメジャーなイメージはないし、マイナーだろう。

にもかかわらず、これほどの惹きつけをされてしまうのだから、私は不思議な感懐になってしまうのだ。

hero163929

これは決してマイナーであることに居心地の良さを求める心理でもないし、周りの人間に敵愾心を抱いているからでもない。

私は、周りの人間に敵愾心を抱くヒキオタではないことは厳重にお断りしておきたい(笑)。

それなのにここまで惹きいれいられてしまう…それはひとえにEMPERORの演奏や楽曲のレベルの高さや魅力に他ならない。

そういった魅力に引き込まれたら、そのまま人目を気にすることなく、耽溺していけばいい。

ファンを選ぶときに大事なのは、売れているか売れていないかはあまり、いや全然関係ない! 言いたいのはそれだけである。

このEMPERORのアルバムはどれもいいが、たった1つだけ推せるものはどれかと言われたら、セカンドのANTHEMS TO THE WELKIN AT DUSKを推奨するだろう。

これもまた素晴らしいアルバムゆえに、心底お勧めしたい!

(Amazon)

Anthems to the Welkin at Dusk


国内盤

闇の賛美歌


(楽天)

【メール便送料無料】Emperor / Anthems To The Welkin At Dusk (輸入盤CD)【K2017/2/3発売】


国内盤

闇の賛美歌 /エンペラー afb


タワーレコード

【HMV】ローチケHMV|音楽CD・DVD

今回はこれにて終了します。

ありがとうございました。

ol_hmp3002_43


HMV&BOOKS online







♯EMPEROR
♯人気
♯マイナー

ロニー.アトキンス(PRETTY MAIDS)のソロライヴ(2月8日)に吾思う。

HMV&BOOKS online





先日2月8日川崎クラブチッタロニー.アトキンス(PRETTY MAIDS)のソロライヴを観に足を運んだ。

しかし、不安だったのはロニーがガンを患っていて、それがライヴによって悪化してしまうのではないかということだった。

やはり、その進行が進まないためには安静にしているのがいい、と病気にそんなに詳しくない私は、すぐそんなことを思ってしまうだが実際はどうなのだろうか?

しかし、後になってステージングをみてわかったが、その心配はなかったようだ。

ガンは進行すると、体を住処にして栄養にしていくので、どんどんやせてしまうのだ。

しかし、実際のロニーは普通の身体をしていたし、顔色も普通だし、普通の動きをしていたし、声の大きさも普通だった。

苦しそうなそぶりも一切なしだった。

やはり北欧諸国は、環境や医療や福祉の面で先進国になっている。

yoropa.JPG

社会民主党が指揮を執って、経済先進国が辿ってきた負の面を是正した先端の執政をしているのだ。

日本などの経済大国の方が、豊かなんだし、それも先進的なんじゃないの、といった疑問がわきそうであるが、実際はそうではない。

官僚がそういった面でにおいて、実施することは、これまでの先例を踏襲するだけで、問題点があったら、それを是正して、良きものにかえていくということがシステム的に出来ないのだ。

それが是正されることはあるが、それを経るには長い月日がかかるようだ。


こと医療分野においてもそうだ。

ガンにかかる、すると、抗がん剤を投与するというのが一般的であるが、それではガン細胞3割殺し、生命力を2割殺すということだ。

それでは抜本的な解決にはならないだろう。

そういう治療法ではなく、北欧の一端であるロニーの生まれた国デンマークでも違う医療法が施行せられたのだろうと思う。

ゆえに、それ以上、ガンが進行していないし回復に向かっているのだろうと思う。

ロニーは煙草吸いゆえに、そのシーンがBURRN!でも、またビデオクリップでも出ている。

やはりガン撲滅のためにはタバコは控える…いや絶対にやめなくてはならない!

とにかく、彼が元気だったのは良かった。

がん細胞が完全に消えるのを祈っている。


 
ロニー.アトキンス


しかし、今回の公演はクラブチッタにもかかわらず、座席形式になっていた。

これまではスタンディング形式だったが、どんな意図があったのかわらない。

スタンディングであれば、入場が後の方になっても、割り込んでいけば前の方で見れる。

だが、座席形式ではそれがかなわない。

しかし、私がPRETTY MAIDSを初めて知ったのは1990年の昔になる。

この年に、鷲見玲奈(フリーアナウンサー)や芸能界を干されたにもかかわらずユーチューバーや独自ブランドを立ち上げて活躍をしているローラの生まれた年になる。



  鷲見玲奈


また新極真会の世界大会で2回優勝した島本雄二も同じ年に生まれたのだ。

まあ全然関係ないが…(笑)。

この年に、PRETTY MAIDSのミニアルバムを含め4枚目のアルバムであるJUMP THE GUNが発表されたのだ。

これは、非常に傑作アルバムで、今も人に語りたくなる内容をもっている。

この年に初めて来日公演も決定し、どれも中級ホールだった。


●“Lethal Heroes” (『JUMP THE GUN』収録)
  


PRETTY MAIDS 90’ 来日公演日程(S席=5000円))
9月13日 大阪サンケイホール
9月14日 横浜新都市ホール
9月17日 新宿厚生年金会館ホール
9月18日 渋谷公会堂


JUMP THE GUN

BEST OF …BACK TO BACK


そして、次のSIN-DECADEも傑作だった。


●“Sin –Decade SIN-DECADE』収録
  



(92年 来日公演日程)
10月8日  東京.中野サンプラザ
10月10日 広島アステールプラザ
10月11日 大阪アルカイックホール
10月12日 名古屋瀬戸市文化センター
10月13日 川崎クラブチッタ
10月15日 東京.簡易保険ホール


SIN‐DECADE

ザ・ベスト・オブ...バック・トウ・バック


こういった活躍を見れば、将来いずれ日本武道館での公演も可能だろうと思っていた。

しかし、実際はそうはならなかった。

94年のアルバムSCREAMから不振が始まってしまい、そこからクラブ公演ばかりになってしまい、こんにちまでその規模を脱することは出来ないままになっていた。

一番最近のこのバンドでの来日公演は、あのFUTURE WORLD完全再現のための公演だったが、クラブチッタ2日だけ…誰が、90年92年当時の活躍ぶりを見たら、そんなことが予想できただろうか?

そのわけを分析している時間はないので止めにするが、あのアルバムは、ワールドワイドで勝負するためのアルバムだったのだ。



FUTURE WORLD


どういうわけか知る由もないが、あのアルバムこそが唯一のアメリカでチャートを昇ったアルバムで、165位にまでいった。

私としてはもっと行けてもいいアルバムと思おうが、人生なかなか思い通りに行かないものだ。

この活躍によってか、87年のドイツのMONSTERS OF ROCKでの参戦がかなった。 トップバッターとしてだ。


mor 87
MONSTERS OF ROCK 87』


しかし、トリになったDEEP PURPLEと比べて、PRETTY MAIDSの方が全然演奏力はタイトで、かなり堅実なプレイを聴かせてくれるのは明白だ。

そのことを気付いた人はいなかったのだろうか?

DEEP PURPLEはハードロック界の大御所ゆえに、それに気が付いていても表立っていうのはご法度なのだろうか?

このバンドの演奏力はかなり低い(笑)。

deepbout

事実だからしょうがない。

やはりインプロビゼーションによるジャミングで曲を作ることが多いために、自分1人の独奏によっては曲は出来ない。

そのために、演奏自体がふにゃふにゃしたモノにならざるを得ないのだ。

それは、80年代後半に、ロックを初めて体感した人にとっては、受け入れることは出来ない。

当時のロックのレベルはかなり高く、それが当たり前という認識が抜けない人間にとっては、DEEP PURPLEの演奏のレベル低さは受け入れられない。

私が敬愛するイングヴェイ.マルムスティーが、幼少期にDEEP PURPLEやそのバンドのギタリストであったリッチー.ブラックモアを崇めていたことを知り、DEEP PURPLERAINBOWはハードロックファンの教養として聴かなくてはならないと思い、それらの多くの中古盤を買って聴いたが、感動をよび起すものは1つもなかった。



イングヴェイ.マルムスティー


91年来日公演にも足を運んだが、そこでも感動はなかった。

あのレベルの低い演奏に加えテクニカルさがまるでないのもダメだったのだ。

あのドイツ版のMONSTERS OF ROCKに参戦によって、DEEP PURPLEのベーシストであるロジャー.グロバーPRETTY MAIDSは知り合い、次のアルバムであるJUMP THE GUNプロデューサーになってもらったようだ。

しかし、その試みはうまくいかず、そんなにアメリでは売れなかったし、チャートものぼらなかった。

しかし、日本での人気爆発につながったのだ。

それから23年の月日を経て、今度は同じドイツでもWACKEN OPEN AIRにおいて、PRETTY MAIDSは参戦することになる。



この年のこのイベントは、何日間開催され、どの日にどのバンドが参戦したのかは、このイベントのホームページにも明記されていない。

日本のLOUD PARKはえらい違いだ(笑)。

この年のこのイベントにおいて、DEEP PURPLEも参戦した。

PRETTY MAIDSの日と同じかどうかもわからない。

同じだったら、26年ぶりの同じ日のドイツのフェスでの参戦ということで、奇しくもあり興味深かったが、どうなのだろうか?

このイベントは、参戦した全アーティストではないが、ドイツか同じEU内での国で、その模様が放映されたり、あるいはその模様がオフィシャル化されているから、メタルファンにとっては嬉しい事態だ。

この年の映像はDEEP PURPLEのはオフィシャル化されてFrom The Setting Sun: In Wackenという題で出ている。

しかし、残念ながらPRETTY MAIDSのモノはそうなっていない。 テレビ放映されていたのだろう、それがブートレッグ屋で売っていて、それを買って悦に入っていたのだ私は。

しかし、その模様をみるに、観客の反応はいまいちだ。

人気がそんなにないのだろう。

しかし、あんなに佳曲を量産してきて、演奏力も抜群のこのバンドが…と私は途方に暮れる(笑)。

しかし、トリになったDEEP PURPLEの時のは反応がいいのだろう。

私はそれが信じれないのだ。

あんなふにゃふにゃな演奏しかしない、しかも曲にも感動できないフレーズが多いバンドが、受け入れられて、それと対をなすPRETTY MAIDSのはそっぽを向かれるとは…という悲嘆の思いしか出ないのだ。

そんなことを考えながら、このバンドの魅力をさらに分析していた。

私が、このバンドを30年以上も感動してきたのは、やはりタイトな演奏力と、楽曲の魅力だろう。

そして、エモーショナルなシンガーがいる、ということだろう。

どんな歌が上手くても、そのシンガーが作詞をしないことには感動をよび起すことは出来ない。



他人が書いた歌詞をシンガーが歌っても、感情を込めることは出来ないがゆえに、いつしか疎遠になり、そのCDを中古盤屋ネットオークションで売ってきた私なのだ。

デンマーク出身ながら、英語で歌って世界中でアルバムを出しているバンドは、PRETTY MAIDSのほかに、ROYAL HUNTVOLBEATがいる。

ROYAL HUNTは、リーダーのアンドレ.アンダーセンが主導を握り作詞作曲まで全て担うのがこのバンドの暗黙のルールになっておりシンガーであるDC.クーパーは作詞ができない。

ゆえに、かなり上手い歌唱を聴かせてくれるが、感動をよび起さないので、このバンドのは聴かないことにしているのだ。

そしてVOLBEATは、ロカビリーをハードロックに取り入れたミュージックと表現されるが、それを買って聴いてみたが、こういう音楽自体が私の好みではないので、ファンにはなれない。

ゆえに期待はPRETTY MAIDSに懸かっているのだ。

シンガーが歌詞を書くということが非常に大事なのだ。

元アリス.クーパーのギタリストのニタ.ストラウスや元SLAYERケリー.キングがソロアルバムを出す予定のようだが、そういったアルバムは、ギタリストが作詞作曲までほとんどしてしまって、ゲストでよんだヴォーカリストは作詞しないでいるパターンに決まっている。

そういうアルバムは、ヴォーカリスト作詞した歌ではないから聴いていて感動できないで終わるのは目に見えている。

ゆえに買わないだろうし期待もしていない。

これまで、ロニーONE SHOT』『4 MORE SHOT』『MAKE IT COUNTそしてTRINITYというソロアルバムを出しての今回の来日公演だった。

しかし、これまでまともに聴いたのはTRINITYだけだった。



TRINITY


勿論、彼のファンゆえに、全部のソロアルバムを買ってはいたが。

言い訳じみたことだが、やはり時間がなかったのだった。

一番、ハードロックにのめりこみ、聴くのに時間を割いた高校時代であれば、帰宅は3時くらいだったから、いくらでも来日公演の予習のために聴きこむことはできたのだが…。

今や帰宅時間は7時9時になることもある。

ゆえに、さらっと聴いてくることしかできなかったのだ。

曲を聴きこんで知ってれば、ライヴでの感動も格段に上がることは間違いなかったが。

私はHR/HMが大好きゆえに、昔ファンだったにも関わらず、ファンを辞めてしまった人に憤りを感じてきたのだ。

そういう人にとってみれば勝手に怒ってろ、ということだろうが(笑)。

そんなアティチュードの癖に、今回にために予習を怠るとは…人のこと言えないじゃないか、と言われても仕方ない。

それゆえに、演奏されたソロアルバムからの曲はまるで分らなかったのだ。

今回のライヴは、PRETTY MAIDSの曲もされることは、告知されていた。

どんな曲がされるのか楽しみしていたが最初にされたのはFUTURE WORLD収録の“Rodeo”だった。

この曲は、このバンドの最高傑作とバンド自身も思っているのだろうゆえに、FUTURE WORLDからの曲は、一番最近の最新アルバムを引っ提げての来日公演でも、一番多く演奏されるのだから、この曲は極めて自然な成り行きだろう。

そして次に演奏されたのは“Say The Word”だった。

しかし、この曲が来るとは思わなかった。

これはアコースティック.アルバムであるSTRIPPEDからの曲だ。



STRIPPED

これはアコースティックブーム91年にいきなり訪れて、誰もがアコースティックソングでシングルをだしてヒットしたり、アコースティックライヴをしたりしていたのだ。

そのブームに乗るつもりだったのだろうか、PRETTY MAIDSもそういうアコースティックのアルバムを出した。

そして、92年には、このSTRIPPEDを出し、そして来日公演ではライヴの中間においてアコースティックライヴ数曲演奏したのだ。

しかし、このアルバムは、今は廃盤になってしまっている。

余りにおとなしい印象を与えるモノは注目されず、よしんば注目されてもすぐに忘れられてしまう性質のものなのだ。

しかし、この曲を持ってくるとは…。

そしてまた次の曲は、RED,HOT AND HEAVY収録の“A Place In The Night”だ。

あまりに曲名がオーソドックス過ぎなのには笑えてくるが、これも最近のPRETTY MAIDSでは20年以上演奏されていなかった曲だ。

やはり、バンドの選曲はメンバー全員の合意の上で成り立つので、やはりロニーがこれをやりたいといっても、却下され続けたのだろう。

そしてソロライヴにおいて、鬱憤を晴らすかのように、ソロライヴでこの曲を演ったのだろう。

“Say The Word”“A Place In The Night”はいい曲ではあるが…微妙な評価の曲だ。



PRETTY MAIDSの魅力は、高い演奏力のほかに、いつまでも耳朶を離れないメロディを多数量産してきたことだ。

伴奏でもギターソロでも両方において存在しているのだ。

そして、いくつもドラマティックな曲を作ってきたのだ。

JUMP THE GUN』収録の“Lethal Hero”のイントロからの展開は涙ものだし、『SIN-DECADE』収録の“Sin-decade”も、あまりに静逸な雰囲気を持ったドラマ性に感動するし、“Pandemonium”もSFの映画に放り込まれたかの錯覚をおこしかねない臨場感に押し流されそうになるのだ。

こういうドラマティックな曲を、PRETTY MAIDSは量産してきた。

そういうドラマティックな曲にとことん私は弱い。

日本のCCBというポップバンドに“ロマンティックが止まらない”という曲があったが、PRETTY MAIDSにおいては“ドラマティックが止まらない"の観を呈している(笑)。

bbc

そういうドラマティックな曲として、ソロのTRINITYには、爽快で、壮麗なキーボード音が印象的で、聴いていると心澄みやかになり、それに調和したヘヴィさをもったギター音で展開するインストの“Via Dolorosa”から次の“Godless”につながる構成があるが、その思わずヘドバンをかましたくなるヘヴィさとドラマティックさは、奥ゆかしいドラマ性を秘めた作りも、以前よりレベルアップしているのだ。

こういう作曲能力は年を経るごとに低下していき、以前に作った曲が演奏された方がウケがいいということはベテランバンドにはよくあるが、ことロニーやPRETTY MAIDSにおいてはないのだ。

その“Via Dolorosa”から次の“Godless”は今回のライヴでもなされたゆえに嬉しさひとしおだったのだ。 そんなことを思っていると、メインのセットが終わり、メンバー全員がひとまずステージをあとにした。

そして、戻ってきて始めたのは、ドラマティック最前線の"Future World"が始まる。

こういう曲でこそ、このバンドのライヴは映えるのだ。

こんないい曲、しかもスピーディさもヘヴィさも申し分ない曲ゆえに、必然的にヘドバンをかましてしまう。


●“Future World
  ↓



Future World

Best of


こういう素晴らしい曲をもっと多くのHRファンに聴いてほしいのだ、DEEP PURPLEのしなびた曲はもういいだろう、と思ってしまう。

ファンに失礼か…(苦笑)

しかし、この業界を垣間見るに、あまりにヨーロピアンテイストな曲ばかりでは忌避されてしまうことは間違いないと思ったのだ。

別に悪い曲ではないが好き嫌いが極端に分かれてしまうからだ。

KAMELOTもそんな危惧を有しているといった方がいいだろう。


tommykyare
   KAMELOT


できた曲の殆どはヨーロピアンテイストが強すぎるゆえに、好き嫌いが分かれてしまうのだ。

ここ日本でもそうだ。

このバンドもかなり演奏力が高く、作曲能力も高い、いや高すぎるほどだ。

そんなバンドにもかかわらず、日本で演るときはいつもクラブばかりだ。

しかもキャパの低いクラブだ。

このバンドにぞっこんになった人にとっては信じれないだろうし、残念至極だろうが。

そんなヨーロピアンタイストが強いPRETTY MAIDSの曲として代表的な曲は“A Little Drops Of Heaven”だ。

イントロから醸し出される雰囲気や色はあまりにヨーロピアンテイストが強すぎるがゆえに、そういった曲が多いと忌避されてしまう。

しかし、ことPRETTY MAIDSは、そういう曲の占める割合はちょうどいい感じがするのは私だけだろうか?

いやそんなことはないだろう。

そんなことを考えてしまった“A Little Drops Of Heaven”が最後に演奏されて、今回のライヴは終わった。

いつもは、演奏された曲のリストを全部書くのだが、予習不足でそれができなかった。

次のライヴでは、予習をきっちりしたうえで、しかもロニーのガンが完全消滅して、それからのライヴになるであろうことを期待して私はクラブチッタをあとにした。


タワーレコード

【HMV】ローチケHMV|音楽CD・DVD


今回はこれにて終了します。

ありがとうございました。

ol_hmp1912_35

HMV&BOOKS online







♯ロニー.アトキンス
♯ソロライヴ
♯PRETTY MAIDS
クラブチッタ

(コラム) 2022年3月16日のO2 アリーナでのEUROPE,FOREIGNER、WHITESNAKEのドッキングツアーを回顧する!

●日本最大級のあらゆるカテゴリーあるゆる商品を扱うフリマサイト『メルカリ』に参加しませんか?

merucii


ここでは新品中古品問わずいろんな商品を扱っています。

いま「 EMXPNW 」の文字をコピペして会員登録すれば500ポイントがもらえます。

それが500円として使えます。

どうぞ参加しましょう!

サイトに行って右上の「会員登録」のタブをクリックして参加しましょう。

「 EMXPNW 」をコピペ、そして⇒こちらへ!





2022年EUROPE,FOREIGNER,WHITESNAKEの順でなされたイギリスのロンドンにあるO2 ARENAでおこなわれたライヴのブートレッグDVD-Rを某サイトで注文して取り寄せて観た。

しかし、素晴らしい顔ぶれである。

いずれも70年代後半から80年代HRの最盛期にマルチプラチナムを獲得した、HRファンにはこたえられない楽曲群を有するバンドだからだ。

こういう顔ぶれで日本でもやってくれないか、といつも思うのだが、人生なかなか自分の思い通りにならないから歯がゆい(笑)。

このO2 ARENAはきっちり2万人収容とネットでは書いてある。

イギリスの人口は、日本の約半分ゆえに、日本の規模でいえば、4万人前後さいたまスーパーアリーナでする算段になる。

さいたまスーパーアリーナと言えばLOUD PARKで何度も使用された場所だ。

FOREIGNERはこのイベントで来たことはないが、EUROPEはこのイベントでセカンドビルになったし、WHITESNAKEセカンドビルで1回、ヘッドライナーで1回やった。


louddyGRP_0024  
LOUD PARK2016』


それくらい、ここ日本でもこのバンドたちは人気がある。

そんなバンドを3ついっぺんにみれるのだから、こんなラクシャリーな時空間はないだろう。

つぶさにブートレッグのネットショップを検索していくと、そういうドッキングを目にして、それを買えることになるからロックのファンは要チェックだ!(笑)

2003年WHITESNAKESCORPIONSのドッキングや、同年のJUDAS PRIESTBLACK SABBATHのドッキングや、94年ANGRA、VIPER、SUICIDAL TENDENCIES、BLACK SABBATH、SLAYER、KISSという顔ぶれのMONSTERS OF ROCK(ブラジル)など私は所有しているが、日本では実現されなかった組み合わせゆえに、こんな涎モノはない!

lacunagadeta


トップバッターはEUROPEだが、このバンドは今年の日本でも来日公演が決定している。

あのTHE FINAL COUNTDOWNの大ヒットとそれに続くOUT OF THIS WORLDのヒットでここ日本でもアリーナ公演を実現するほどの人気ぶりを博した。

しかし、長い休止期間と、その後の普通大のヒットのあったせいで、永遠なる単独アリーナ公演スタジアム公演は出来ない人気に収まっている。

このバンドを初めて知った時は、そういう人気の博し方を永遠にしてくれるのだろうと思っていたが、人生なかなかそうはいかないのが歯がゆい。

やはり過去のヒット作に拘らざるを得ないセットリストにならざるを得ないのだろう。

いやこのバンドだけでなく、どんな重鎮的存在であるAEROSMITHKISSでさえも、事情は一緒なのだろう。 老舗バンドというだけで、10代20代の音楽ファンからは遠ざけられてしまうのだろう。

私も、10代のころ老舗バンドを写真で見た時は、咄嗟的にページを飛ばして音楽雑誌を読んでいたから事情はよくわかるのだ。


 
 EUROPE


そういう事情ゆえに、いつまでも百万枚単位のヒットは出来ないのだ。

しかし、EUROPEにとってイギリスは相性のいい国であるはずだ。

86年THE FINAL COUNTDOWNの世界的ヒットの直後にDEF LEPPARDの前座でイギリスでおこなわれたライヴの模様を収めたオフィシャルライヴビデオが発売されたし、2004年の再結成後のイギリスのハマースミスでおこなわれた単独ライヴの模様を収めたオフィシャルライヴDVDLIVE FROM DARKも発売されたのだ。

このバンドはしょっちゅうイギリスに呼ばれているのだ。

きたる日本での公演を楽しみに待つべきだろう!




続いてFOREIGNERだ。

このバンドは、これまでアルバムとシングルあわせて8500万枚を売ったとウィキペディアに書いてある。

ゆえに記録としてはWHITESNAKE以上であるが、その記録は主にルー.グラム在籍時のモノゆえに、WHITESNAKEよりも先順になってしまったのは致し方ない。

それに、今のシンガーであるケリー.ハンセンで出したアルバムはわずかに1枚だけだ。

それも、やはり先順になってしまう理由になるだろう。

しかし、このバンドもフェアウェルツアーを公表したのだ。



要するに、今回のツアーをもって引退するということだ。

それは頷ける。

このバンドのリーダーであるミック.ジョーンズは、私の父よりも2歳年長という高齢者なのだ。

HRファンには哀しい事態が次々に起こっている。

しかし、まだ日本に来る展開がなされていないのはちょっと心配だ。

ケリーがシンガーになってから、このバンドのライヴモノはかなりの数出ているから不思議だ。

やはり、それだけライヴが素晴らしいのだろう。

FOREIGNERの筋金入りのファンでも正確に把握できないほどの数のライヴDVDやライヴCDが出ている。

しかもアンプラッグドモノすらもある。

私は、シンガーが作詞をしないバンドは心底感動できないから否定的で、そういうバンドのアルバムは買わないことにしている。

感動できないから、そのまま疎遠になって、中古盤屋に売ってしまう羽目になるからお金の無駄なのだ。

ゆえに、主にルー時代の楽曲を歌う今のFOREIGNERのライヴモノにも疎遠になるのが筋だが、なかなかどうして人間というものは、ダブルスタンダードになってしまい、こと今のFOREIGNERのライヴモノは、何枚か所有することになっている。

勿論全部ではないが、何枚かは所有している。

今まで一番よかったのは、スイスでおこなわれたオーケストラとの共演モノのライヴだ。



今回のブートのライヴの模様をみる限り、やはりここでもケリーの歌はうまい。

バンド内でシンガーが変わると、前任のシンガーが書いた歌詞を歌っても、自分が書いた歌詞ではないゆえに、100%の感情移入は出来ないのだ。

ゆえにそれほど感動できずに終わってしまう。

ケリー在籍時には、CAN'T SLOW DOWNの1枚のみアルバが発表されたが、そこからの選曲はなしで、全てルー時代のモノだ。

それで、40分の持ち時間だ。

このイギリスでも、このバンドは人気を確固たるものにしたことは間違いない。

やはり、このバンドも、新曲をいくつも入れることはせずに、過去の名曲で固めたようだ。

どのバンドにもはまる弊害(?)に陥っているようだ。



ブルース.ワトソン(FOREIGNER)

私も、日本にこのバンドがフェアウェルツアーに来たら、必ず行くと決めている。 この際のセットリストはルー時代のモノだけだった。

このバンドにはかなり感動させてもらった大恩があるのだが、果たして実現するかどうかが不安だ。

必ず来てくれと声を大にして言いたいのだ。

(FOREIGNER set list)
Double Vision
Head Games
Cold As Ice
Dirty White Boy
Feels Like The First Time
Urgent
Juke Box Hero
Long Long Way From Home
I Want Know What Love Is
Hot Blooded
  

そしてメインのWHITESNAKEだ。

このバンドも、かなり同じことを繰り返してきたことで有名だ(笑)。

今回のセットリストも、「またこのセットリストか~!」とため息が漏れるだろう、熱烈なファンでなければ。

しかし、それが音楽雑誌で議論されないのは、無数のアーティストが存在する昨今ゆえに、そんなことをいちいち議論している暇がないのだろう。

このバンドが、ここ日本に来た最後は2016年LOUD PARKトリを務めて、その後、大阪静岡で単独公演をおこなったのが最後だ。

その後、2020年に日本で単独公演が行われるはずだったが、コロナ騒動で取りやめになってしまった。

その2016年の公演ではGREATEST HITS LIVEと銘打ったツアーだったが、なんていうことはない、87年、94年、2003年、2012年においてなされた、ほぼ同じのセットリストでライヴをしていただけだったのだ。

2011年の来日時にデヴィッド.カヴァーデールWHITESNAKE完全再現ライヴをしたい。」というコメントをしていたが、2016年にでもそれをしてくれたらよかったのに、という悔恨の念が浮かぶ。



デヴィッド.カヴァーデール


その完全再現ライヴはいまだされていない。

実にもったいないことこの上ない。

SLAYERも、2005年にこのバンドの最高傑作であるREIGN IN BLOOD完全再現ライヴをやり、その模様が納められたオフィシャルライヴDVDであるSTILL REIGNINGがリリースされたが、それは圧巻だった。

still reigning
STILL REIGNING


それが、LOUD PARKや、最後の公演になった2019年DOWNLOAD FESTIVAL IN JAPANにおいてしてくれたらよかったのに、それはなされなかった。

このアルバムはかなり良くて何十回も聴き、それ以外はあまり感動できなかった私としては、このアルバムの完全再現をしてくれたらよかったのだが、そうならなくて歯がゆいことこの上ない…って同じような表現を何回使ってんだ、と自分でもいいたくなる(笑)。

ならばWHITESNAKEも、そういうことをするとしてライヴ告知をすれば、この2022年のライヴでももっと多くの観客を動員できたことは間違いない。

アルバムを発表しても必ずしも、大ヒットを記録する事ができなかったのは、やはりあのWHITESNAKE』アルバムにはかなり聴き劣りがするからというのが要因として一番大きいのではないだろうか?

しかし、WHITESNAKE』アルバムは良かったけれども、それ以降は、このアルバム以上の魅力が見えないから買わない、ライヴにもいかないという多くのファンがスパイラルに嵌っているのは明白だ。 だから起死回生のためにWHITESNAKE完全再現をすべきだったのだ。


白蛇の紋章
WHITESNAKE


DEF LEPPARDは、私好みのメロディやヘヴィさやフレーズを持つバンドだが、速弾きテクがまるでないがゆえに、必ずライヴには行くということにはなっていないし、ライヴモノも必ずしも買うということにもなっていない。

しかし、あの最大ヒットである『HYSTERIA』の完全再現ライヴモノであるVIVA!HYSTERIAは、私は数えきれないほど鑑賞してしまっているのだ。

これと同じ様に、それほどWHITESNAKEにのめりこめなかったHRファンも、WHITESNAKE完全再現をすれば、観たいという気分にさせることは間違いなかっただろう。

WHITESNAKEこそが最大のヒットだったゆえに。

それがやはり悔やまれるのだ。

今回のO2 ARENAでのライヴも、同じようなセットリストだ。

それについて議論はしなくても、ただこのバンドを観れるだけで幸せ、という筋金入りのファンでほとんどを占められたのだろう。

それについて議論はしようがしまいが、関係ないといったところだろう。

Bad Boysで始めてから“Slide It In”に流れて“Love Ain't No Stranger”“Slow An' Easy”“Crying In The Rain”“Is This Love”“Give Me All Your Love”“Here I Go Again”“Still Of The Night”…このような流れは何度となく繰り返されてきたものだ。

2019年発表の『FLESH AND BLOOD』からは、わずかに“Hey Youのみがセットに入ったのみだ。



ジョエル.ホークストラ (WHITESNAKE)


しかし、この公演のブートを観る限り、観客はあまりノッテいない。

WHITESNAKEがメインであるにもかかわらず、しかも最終ツアーになるかもしれないというのにもかかわらずである。 不思議な現象だ。

確かに、デヴィッド.カヴァーデールが当時71歳だったことを考えれば、ファンの年齢層もかなり高く60代および70代の観客が多くいても不思議ではない。

しかし、それにしても拳を振り上げているのは、全体の3割程度だ。

考えれるのは、サウンドの調整ミスだ。

そういうことは、実際に会場に足を運んで体感してみないことにはわからないのだが。

観客が一番ノレる音程に調整しないことには、いくら楽曲や演奏が素晴らしくても、感動できずじまいになってしまうのだ。

それは2016年LOUD PARKでよくわかった。

このイベントに参戦したDANGER DANGERをみた時に、全然のれないのがわかった。


guruupusy
 DANGER DANGER


このバンドはデビュー当初から、新人離れした音つくりと演奏力で注目を浴びていたのだ。

その実力は維持していた。

しかし、ライヴでの音の調整が失敗していて、観客がノレる音域ではなかったのだ。

それでいくら良い演奏を聴かせても、全然感動できなかったのだ。

それが、今回のWHITESNAKEでも起きてしまったとしか言いようがない。

加えて、デヴィッドのステージアクションにも冴えがなかった。

2016年の時にはすでに足の怪我を患っていたのだが、それを感じさせないパフォーマンスには驚いたし、その公演のブートを観てもそんなことは感じれないのだ。

しかし、デヴィッドはこの時71歳

それならば致し方ないほどパフォーマンスの溌溂さは後退している。

加えて、彼は肩も患っているという。 そういった要因が重なって、それほどの興奮には至らないのがWHITESNAKEの大ファンである私にもわかるのだ。

やはり、WHITESNAKEのライヴパフォーマンスで一番のおすすめであるのは、2004年に行われたライヴのオフィシャル盤であるLIVE IN THE STILL OF THE NIGHTだろう。

これは、WHITESNAKEハマースミスでの単独公演を収めたもので、観客もWHITESNAKEを目当てに来ているのは明白で、観客のノリも良いし、そうなればバンド側のパフォーマンスも必然的に溌溂としたものになる。

デヴィッドもこの時は52歳だったから、パフォーマンスを最大限に彩っている感じだ。

加えて、2003年以降のメンバーは、WHITESNAKEの楽曲を最大限生かす音楽性を持っているがゆえに、必然的に感動を催すのだ。

whitesnake03.jpg

そういうライヴに比較して、今回のブートは劣る印象を受けざるを得ない。

デヴィッドBURRN!で最後に登場した時に、「日本でフェアウェルツアーは実現するのか」という質問に対して、「できればいい」という悲嘆を催す感じに近いコメントがなされていたのを思い出す。

しかし、40年以上日本でも活躍を見せたWHITESNAKEゆえに、2016年LOUD PARK及び単独公演が最後にならないことを願っているのだ。

どうか必ず来てほしいものだ。

(WHITESNAKE set list)
Bad Boys
Slide It In
Love Ain't No Stranger
Hey You
Slow And Easy
Ain't No Love In The Heart Of The City
Fool For Your Loving
Guitar Solo/ Key Board Solo
Crying In The Rain
Drum Solo
Band Introduction
Is This Love
Give Me All Your Love
Here I Go Again
Still Of The Night
Burn


ここまでの精読に感謝したい。

●以下のサイトでも取り扱っています。
  ↓

タワーレコード

【HMV】ローチケHMV|音楽CD・DVD

今回はこれにて終了します。

ありがとうございました。

ol_hmp1706_35


HMV&BOOKS online







WHITESNAKE 2022年
♯O2 ARENA

『METALLICA』アルバムに聴き劣りする『LOAD』の愉しみ方の王道とは?

●日本最大級のあらゆるカテゴリーあるゆる商品を扱うフリマサイト『メルカリ』に参加しませんか?

merucii

ここでは新品中古品問わずいろんな商品を扱っています。

いま「 EMXPNW 」の文字をコピペして会員登録すれば500ポイントがもらえます。

それが500円として使えます。

どうぞ参加しましょう!

サイトに行って右上の「会員登録」のタブをクリックして参加しましょう。

「 EMXPNW 」をコピペ、そして⇒こちらへ!


cunning stunts


METALLICA96年に発表されたLOADは、かなり問題になったアルバムである。

あの91年発表のMETALLICAが全世界で2100万枚以上売り、その素晴らしきアルバムの直後のアルバムということもあり、どのような次作になるかが誰もが期待していたに違いない。


ブラックアルバム
METALLICA


かくいう私もそうだった。

私は、このMETALLICA』アルバムによって大ファンになったからだ。

それまではそれほど好きでもなかったし、かといって気に入らないバンドでもなかったMETALLICAが一気に好きになるきっかけを作ってくれたアルバムだったゆえに、次作には期待がかなりあった。

しかし、蓋を開けてみると、それほどの話題性はないまま終わった作品になったのは否めなかった。

気怠い曲調が多いし、耳を惹くメロディもない曲が多いゆえに、アルバムをかけているとそのまま、印象が残らずに終わってしまうのだ。

それでも3回は通して聴いてみるも、その状態からの脱却を図ることは出来なかった。

そういう印象で終わってしまったアルバムゆえに、惜しみなく中古盤屋に売ってしまったのだった。

思えば、93年ごろからHR/HMの不況が始まっていて、いろんなバンドのそれほど良くないアルバムの闊歩が蔓延していた。

その遠因は、やはりあのMETALLICA』アルバムだったのは間違いない。

私がファンになる原因になった素晴らしいアルバムだったことは間違いないが、あのアルバムの特長であるメロディの良さや聴きやすさの反面、ヘヴィでミドルな面が音楽業界で強調され、あのアルバムを模していながらも、更にダークな面が強調されたアルバムをどのバンドも出すようになったのだ。

それで、そういう音楽であるグランジ.オルタナというミュージックが闊歩しだすようになったのだった。

その面を強調してアルバムを作っても、良いアルバムができたのは少数のバンドだけであって、他の多くのバンドはどれも魅力を減退させていたのだ。

ゆえに93年以降は駄作なアルバムがどんどんできて、全然感動がもたらされず、私はそういったアルバムをことごとく中古盤屋に売っていったのだった。

そのグランジ.オルタナの要素を引きいれたアルバムをMETALLICA自身が作ったというのは興味深い。

やはり同じことを繰り返したくないというメンバーの意向が反映された結果だったのだ。

そこで批判が出るのは世の常である。

しかし、その批判が年の経過とともに消失していくのは、その音楽性の変化が佳曲という印象に終わったのであればこそだ。

KISS“I Was Made For Loving You”JUDAS PRIEST“Turbo Lover”にしろ、このバンドの代表曲になっているが、新しい音楽的な試みをして、物議を醸したのだ。


judas priest   
JUDAS PRIEST


しかし、結果的に佳曲に仕上がったがゆえに、その物議は杞憂に終わったのだった。

METALLICAもそういう変化を常々、ココロんできたバンドであったし、その姿勢はデビューから続いている。

しかし、今回のLOADに関しては、それほどいい印象がないまま終わってしまったのは、アルバム中に占める佳曲の数が少なかったからだろう。


load.jpg
 『LOAD


“I Was Made For Loving You”収録のDYNASTYにしろ、“Turbo Lover”収録のTURBOにしろ、アルバム中の佳曲は多いし、少なくともアルバム収録曲中の半分以上であることは確かだ。

今も、このアルバムを称賛する識者はかなり少ない印象を受けるのは私だけではないだろう。

趣向替え…それはしてもいいが、それは程度によるのだ。

闇雲にしていていいはずはない。

アルバムを通して聴いて、好印象になればいいのだが、そうならなかったらやはり失敗作とみなされるのが通常だ。

しかし、LOADからは、前作の成功も手伝って“Until It Sleeps” “Hero of the Day” “Mama said” “King nothing”4つものシングルカットがなされた。

前作のMETALLICAほど売れなくても、全米だけで500万枚も売れれば充分、この先20年以上は廃盤にはならなくて済む。

これだけ売れれば、いつまでも多くの人の心にMETALLICAのことが引っかかることになり、話題がなくても気になり、そして買うということにつながるからだ。 非難されてもそういうことになるから大ヒットを記録したアーティストは強いしマーケティングでも有利だ。

そんな物議を醸したアルバム後にも関わらずライヴビデオを出したから凄い。

めたりか

それがCUNNING STUNTSだ。

やはり、当時のライヴモノを観るメリットは、今は演奏されない曲が観れることにある。

“King nothing”は2000年以降もライヴでは演奏されていたが、“Until It Sleeps”“Hero of the Day”は、2000年が明けてからは一切演奏されていない。 (ただし、ライヴを人並み以上の数こなしているMETALLICA ゆえに、ブートを全部確認しているわけではないので、もしかしたらしている可能性はあるが…)

そういう曲が見れるのだ。

それほどの期待に応えてはくれなかったLOADではあったが、更にショッキングな声明が出されることになった。 ラーズ.ウルリッヒ(d)によると、LOADが気にいらなかった人は、次のRELOADも気に入らないだろうね!」ということだった。

LOAD』リリースの次の年にRELOADが発表されたが、このアルバムもまた物議を醸したアルバムだったし、それゆえにBURRN!の編集者の中で、METALLICAに永遠に別れを告げた例もあったくらいだ。

私はそこまですることはないだろうと思ったが、これも好意的にみれるアルバムではなかった。

これも4つにシングルカットがなされたが、その中で興奮できるのは、唯一“Fuel”だけだ。

このシングルも、今でもライヴで演奏される唯一の曲になってしまっているのは皮肉と言えば皮肉だろう。


●"So What?" CUNNING STUNTS
  


しかし、なんというオーディエンスの数だろうか!

物議の醸したアルバム発表後にも関わらず、こんなに大きな会場でできること自体がすごい!

しかし、ファンの食指を考えず、自由気まま、唯我独尊的なスタンスを変えないこのバンドには驚きを隠せなかったし、それでいてファンをコケにするわけでもなく、かなりの自信家にも見えて、実際にオーラはかなり放っていたのがわかる。

自由奔放な音楽スタンスが、この曲の始まり方からもわかろうというものだ。


こんな始まり方をするバンドはMETALLICA以外にあり得ない!

metallic download

佳曲の少ないアルバムだったにもかかわらず、その声はいつしか消え失せて、ライヴに、そしてMETALLICAに集中して、そして陶酔してしまう。

批判をするなんてもってのほか、みたいな雰囲気すらも醸成してしまう威力を内蔵してしまいすらしてしまう。


そんな自由気まま、唯我独尊的なスタンスのアティチュードでも、モラルの根幹はやはり硬派なのだ。 それには好感がもいてる。

それでいて、ヘヴィさは維持している。

ことはハードロックであろうと、ヘヴィメタルであろうと、信条としてヘヴィさは欠かせないはずだ。

それを失ってしまったら、私にとって魅力あるものには見えなくなってしまう。

96年以降も、今までアルバムを出し続けてきたMETALLICAであるが、そのたびにいろんな評論が生まれたが、ヘヴィさは維持している。

それが、このバンドに関心をもち続けていられる要因になっている。

アルバムは全部ではないが買っているし、ライヴにも行けている。

ブートも多数買っている
(笑)。

しかし、HR/HMに入るきっかけになった大恩あるBON JOVIであるが、もう30年くらい関心の外にある。


jon richie
   BON JOVI


ヘヴィさは後退し、メロディの良さも後退し、加えてライヴでのキーを下げてのヴォーカル、フェイクしてのヴぉーっかる 、スタジオアルバムでの感動をぶち壊しにする楽曲アレンジと、縁遠くなる要因が多数目につくようになって以来、無関心が続いてしまっているのだ。

しかし、METALLICAは、ライヴでも一切手を抜かないから好感が持てるのだ。

BON JOVIMETALLICAは、87年MONSTERS OF ROCKで共演した。

BON JOVIトリで、METALLICAサードビルで出演したのだ。

この時のBON JOVIの最新アルバムSLIPPERY WHEN WETは全米800万枚を売るヒットになったが、METALLICAのそれ=MASTER OF PUPPETS50万枚がやっとだった。


slippery.jpg
SLIPPERY WHEN WET


しかし、両者とものちのアルバムの大ヒットによってBON JOVIのそれは1300万枚になり、METALLICAのそれは800万枚になった。

両者のアルバムやシングルの全世界での総売り上げは、BON JOVI1億3000万枚METALLICA1億2000万枚になった。

当時のBON JOVIは、サードビルだったMETALLICAがこれほどビッグになるとは思わなかっただろう。

しかし、私はMETALLICAへの関心と同じような関心はBON JOVIには持てなくなっていることは確かだ。

それはライヴの魅力の差で歴然になってしまったのだ。

それは、96年発表のCUNNING STUNTSを鑑賞すればすぐにわかるはずだ。

かなり物議を醸したLOADではあったが、その中からシングルカットされた4つのうち、3つが演奏されている。


●“Ain't My BitchCUNNING STUNTS
  


そして、シングルカットはされなかったが、LOAD収録の“Ain't My Bitch”もなされている。

この曲も、2000年以降はなされていないが、このアルバム収録の佳曲であることには間違いない。

何故、この曲がシングルカットされなかったのか不思議に思えてくるくらいだ。

ゆえに、LOADに占める佳曲の数が少ないとはいえ、他の既発表の名曲が多数ライヴでなされていれば、その思いは自然と無意識に消えていくのだ。

いまでこそデビュー作セカンドアルバムも全米だけで1000万枚近く売っているMETALLICAだが、それらのアルバム収録曲を聴くと、かなり演奏力も歌唱力も構成力もかなり高いのがわかる。

ヒットがなかったがゆえに、そういう特長があっても、それらが認識されずに終わってしまう残念ながら多数あるが、大ヒットアルバムを出したことで、それが多くの人に認識される幸運に見舞われることになったのだ。

デビュー作は、新人だったし、限られた予算ゆえに、完成度はそれほど高くはないが、その予兆は大いに見れる。

しかし、次からはかなりレベルの高いアルバムになったことに違いはない。

しかし、発表当初は全然ヒットに恵まれなかったがゆえに、それが認識されずじまいだったのだ。

発表から1年たっても2年たってもゴールド(50万枚)にも達していなかったのだが、この黒歴史を信じれるHMファンがどれだけいるだろうか?



セカンドアルバム『RIDE THE LIGHTNING


それでも自分たちのキャリアを誇りに思い、4thアルバム発表後にも、5thアルバム発表後にもデビュー作やセカンドアルバムの収録曲を演奏していたこのバンドメンバーの精神には敬服する。

セカンドアルバムからの代表作は、以下の曲になる。


“For Whom The Bell Tolls” 『CUNNING STUNTS』収録
  




METALLICA』アルバムの大ヒットによって、このバンドの過去の作品にも興味が出た。

あるいは、このバンドのライヴに際にも、知っておきたいという思いが募った。

その両方が引き金になって、デビュー作も、セカンドアルバムも、サードアルバムも全米だけで1000万枚近く売れたのだ。

こういう大出世劇はMETALLICA以外に見たことがないし実際いないだろう。

このCUNNING STUNTSの収録曲は以下である。

1. "Bad Seed Jam"/"So What?"
2. "Creeping Death"
3. "Sad But True"
4. "Ain't My Bitch" (Multiple Angles)
5. "Hero of the Day"
6. "King Nothing"
7. "One"
8. "Fuel"
9. "Bass/Guitar Doodle" (Medley of "Hero of the Day", "My Friend of Misery", and "Welcome Home (Sanitarium)")
10. "Nothing Else Matters"
11. "Until It Sleeps"
12. "For Whom the Bell Tolls" (Multiple Angles)
13. "Wherever I May Roam" (Multiple Angles)
14. "Fade to Black"
15. "Kill/Ride Medley"
1. "Ride the Lightning"
2. "No Remorse"
3. "Hit the Lights"
4. "The Four Horsemen"
5. "Seek & Destroy"
6. "Fight Fire with Fire"

Disc 2
1. "'Leper Messiah Jam"/"Last Caress"
2. "Master of Puppets" (short version)
3. "Enter Sandman"
4. "'Cure' Jam"/"Am I Evil?" (short version)
5. "Motorbreath"

赤字は『LOAD』収録の曲


既発の佳曲の数々、大ヒットアルバム、ライヴでの手抜きしないパフォーマンス…こういったものが大きな印象になっていれば、駄作アルバムがいくつか出ても、不問に付されることになって終わるのだ。

そして、アルバムを買い続けて、ライヴにも足を運び続けて、ブートを買い続けることになるのだ(笑)!

私もそのような印象に終わっているのだ。

そして、このCUNNING STUNTSも同様に人様にお勧めしたいと正直思っているのだ。

そんな体験をしたい人には、このライヴ映像はおすすめである。

タワーレコード

【HMV】ローチケHMV|音楽CD・DVD

今回はこれにて終了します。

ありがとうございました。

lo_ra195518

HMV&BOOKS online







METALLICA
♯CUNNING STUNTS
♯LOAD

(祝)マイケル.モンロー来日公演決定!90年のマイケルは良かった。そして素晴らしかった…当時を回顧する!

【PR】

恋愛コンテンツマスターズ


monroe.jpg


フィンランドマイケル.モンローの来日が決定していた。

2月6,7,8日とあるが、それぞれ、SHIBUYA-SPOTIFY O-EAST、NAGOYA CLUB QUATRO、UMEDA CLUB QUATROだ。

どれも売れ切れ寸前だという。

しかし、私がこの人を初めて知ったのは89年の事になる。

パンキッシュないでたちにルックス…私はパンクを基本的に好むところではないが、この人だけはダブルスタンダードが生じて、何か聴いてみたい気がしたのだ。

パンクが駄目だとは言うけれど、自分の好きなL.A GUNSだってそういうテイストを持っているし、たまには聴いてみるのもいいかなという気がしたのだ。

パンキッシュ…やはり、不満や鬱憤を、歌に出す、ゆえに感情的な歌詞にもパフォーマンスにもなるのは必然だ。

しかし、90年に買ったNOT FAKIN' ITから数年後に、この人がアメリカ人ではなくフィンランドであることを知って驚愕したのだ。

あんな感情的に歌詞を母国語でない言語で歌えて、聴いているコチラも感動できるの?ということで驚嘆であった。

90年から3年後に北欧メタルブームが起きて、これらの国の出身のアーティストが無数現れるも、無数に消えていったのだ。

その現象を見て、私は「母国語でない言語で歌うからソウルが感じれない。

だからファンからそっぽを向かれたんだろう。」と思っていたのだ。

しかし、そうではなかったようだ。

ことマイケルの例をみればわかるように、どこの出身であろうが、自分で作詞する人のであれば、英語で歌ってもソウルが感じれる、ということが分かったのだ。

そういった感情を言語に関係なく聴き手に感動をもたらすことができるものに関しては、いつまでも聴いていたいし、人に薦めたいのだ。

『NOT FAKIN' IT
は、そういった感動できる歌だけでなく、音楽性そのものが私には好意的だった。

そう、私の好みだったのだ。

時あたかもHRの全盛時代。

先のL.A GUNSはもとより、BON JOVI,GUNS N'ROSES,DOKKEN,WHITESNAKE,AEROSMITH,RATT,CINDRELLA、KIX、MOTLEY CRUE,DAMN YANKEESといったアメリカンなイメージを武器にしたハードロックバンドが、アメリカンチャートを賑わし、ゴールドプラチナの売り上げを上げていたのだ。

ビルボード200以内にハードロックアーティストは40前後がチャートインしていたのだ。

こういったテイストをNOT FAKIN' ITは取り入れて、素晴らしい音楽性に昇華させていたのだ。


NOT FAKIN IT
NOT FAKIN' IT


それだけ素晴らしい音楽だったゆえに、何十回も聴き、その良さを人にも味わってもらいたく思い、カセットにダビングしてプレゼントさえしていたのだ。

しかし、なぜかは自分でもわからないが、次のアルバムは買わず、チェックもしなくなる…理由はわからないが、こういうことは趣味を続けていれば、誰しも往々にしてあるのではないか?

次のアルバムからは興味が薄れてしまったのだった。

アルバムもチェックせずじまい。

自分でも説明できない…さしたる理由もないのに、新譜の発表がなされても、予約せずじまい、買わずじまいになってしまいそのまま…。

こういうことがたまに起きたりするから不思議だ。


“Not Fakin’ It” NOT FAKIN' IT』収録
  




このNOT FAKIN' ITの後に、マイケルティーヴ.スティーヴンスとともに、JERUSALEM SLIMを結成してアルバムを出すも、ティーが抜けてしまい、ライヴ活動はせず、そのままバンドは解散してしまった。

あれだけ夢中になったマイケルのアルバムだし、これも買おうかなと思ったが、そのまま買わずじまい。

そして廃盤になってしまった。

その後、マイケルは何枚もアルバムを出すも、私は聴かずじまいになってしまった。

その理由を分析しても意味がないだろうか。

しかし、それではマイケルに失礼だ、何とか聴いてみようと思い立ち、私は超廉価になったSENSORY OVERDRIVEを買って聴いた。

しかし、良くない。

NOT FAKIN' ITのようなサウンドの重厚さはないし、メロディのキャッチーさはかなり後退してしまっていたのだ。

あまり、というか全然感動できなかったので、ヤフオクに出して売ってしまったのだ。

悔やまれるのは、あのNOT FAKIN' ITの音楽性を踏襲してくれていたら、ということであった。

そうすれば、ブランクがあっても再び彼の音楽を聴くようになるだろうと思ったのだ。

しかしそうではなく、キャッチーさが後退してしまっているがゆえに、それは叶わなくなってしまった。

この音楽を踏襲してくれていれば、この人のファンを続けていただろう…こういう例は誰にもあるのではないか? アリス.クーパー89年TRASHがとてつもなくよかった。


ファイル0047
 『TARSH


NOT FAKIN' ITと同じく、アメリカンなテイストのキャッチーさがあるし、ヘヴィさが丁度よかったのだ。

やはりヘヴィさは、その案配が大事なのだ。

それでこのアルバムは聴きまくった思い出がある。

その音楽性を踏襲してくれた次のHEY! STOOPIDもよかった。

しかし、その次の『THE LAST TEMPTATION』からは、その華やかさが後退し、秋の木陰日に、暗めの美術館に来ているような気分になるような音楽に変節してしまったのだ…よく表現が分からないだろうか?(笑)

それなりに佳曲はあるが、少ない印象はぬぐえなかった。

その次のアルバムも、同じようにキャッチーさが後退し、あの最盛期の華やかさがなくなってしまったのだった。

こういう佳作アルバムと胸を張っていえないアルバムが続けば、やはりファンとしての心は離れていってしまうのは必然だ。


ファイル0043
  アリス.クーパー


その佳作でないアルバムが何枚まで我慢できるかは、人によって違ってくるだろうし、後に往年の華やかさを取り戻してくれたアルバムが出たら、またファンになれるという人もいれば、もう遅いとしてはねのける人もいるだろう。

マイケル.モンローにしろ、アリス.クーパーにしろ、ライヴが決定したら必ず行くと決めているファンでは私はないが、新作をチェックしながら、これならばいける、と思ったらライヴには足を運ぼうと思っているのだ。

アメリカンなテイストを失ってしまったがために、ファンとしての心が離れてしまったのは、マイケルにしろ、アリスにしろ私は期を一にしている。

マイケルのファンを私がなぜか辞めてしまっていて、その内にマイケルの出身国であるフィンランド出身HIMのファンに私がなって、そのHIMが出したアルバムのDARK LIGHTフィンランド史上初、アメリカでゴールドデイスクを獲得したことになったのは皮肉だろうか?


HIM.jpg
    HIM


マイケルNOT FAKIN' ITは日本ではかなり売れたが、アメリカではこのような売れ行きにはならなかった。

マイケル、アリス両方のファンを続けている人は、やはりそれなりの魅力を両者に感じて離れていないからに他ならない。

しかし、彼らのファンを辞めてしまった人は、私と同じように、あの89年の作品のような魅力を近年の作品に感じれない、という理由が大きいとしか思えない。

マイケル89年のアルバム発表後の来日公演日程(1990年)は以下である。

この時が、最高記録であって、それから後は、この記録以上のは達成できなかった。

3月30日 横浜文化体育館
4月2日  東京簡易保険ホール
4月3日  東京簡易保険ホール
4月5日  東京NHKホール
4月6日  大阪厚生年金会館
4月7日  大阪厚生年金会館
4月9日  東京NHKホール
4月10日 川崎産業文化会館


しかし、この時の動員数は凄い。

地方公演なしで、1日だけに絞れば、日本武道館公演も可能だったのは間違いない。

マイケルのファンをこの時はしていたが、今はしていないのは、あのNOT FAKIN' ITのような感動がないからかどうか…それをたしかめるには、89年のアルバムを買ったが、最近のは買っていない人、全部になぜ最近のは買ってないのか訊いてみるほかないが、そんなことは不可能だ。

ただ過去の偉業を垣間見るには、あのNOT FAKIN' ITを聴くのが一番いいだろうことは間違いない。

あの作品と同じような作品を出してくれることを切に祈るばかりだ。

またアリス.クーパーも同様に。

興味の出た人にはNOT FAKIN' ITは非常にお勧めだ!

Not Fakin' It


●以下のサイトでも取り扱っています。
  ↓

タワーレコード

【HMV】ローチケHMV|音楽CD・DVD

今回はこれにて終了します。
ありがとうございました。

JIMAx1024

HMV&BOOKS online







♯MICHAEL MONROE
♯NOT FAKIN' IT

(コラム)THUNDERを最高に楽しむ方法はこれだ!

●日本最大級のあらゆるカテゴリーあるゆる商品を扱うフリマサイト『メルカリ』に参加しませんか?
merucii

ここでは新品中古品問わずいろんな商品を扱っています。

いま「 EMXPNW 」の文字をコピペして会員登録すれば500ポイントがもらえます。

それが500円として使えます。

どうぞ参加しましょう!

サイトに行って右上の「会員登録」のタブをクリックして参加しましょう。 「 EMXPNW 」をコピペ、そして⇒こちらへ!


HMV&BOOKS online






私は、最近THUNDERのクリップとライヴ映像を収めたDVDであるFLOWED TO PERFECTIONをレンタル倉庫から取り出してきて鑑賞した。

これはヤフオクで売ろうと思い、その前に見納めにしようとしたのだ。

しかし、懐かしい。

デビュー作のBACKSTREET SYMPHONYからの曲では、メンバーの殆どが長髪で、茶髪や金髪などの煌びやかな染髪をして、男性はもちろん女性の目を惹くいでたちをしているし、いかにもヒット作になりそうなクリップの雰囲気をぷんぷんと漂わせている。

誰もが将来に希望を持たざるを得ない曲の出来だ。


こういう曲こそが、ヒット性を有しているのだ。

綺麗な女性も登場し、パーティ気分を醸成させる、朗らかな雰囲気を察知すると、どうしてもこのバンドにファンの誰もが期待を抱いただろう。

“Dirty Love” 『BACKSTREET SYMPHONY』収録
   ↓




当時、雑誌などで「ブリティッシュハードロックの新世代の旗手」とまで言われたのは大げさな賛辞ではないことは確かだった。

 お勧め。
BACKSTREET SYMPHONY


デビューした年に、イギリスのハマースミス.アポロ3日間ソールドアウトにしたのだTHUNDERは。

この曲の出来ならばそれも充分可能だろうことは予想できる。

この会場は、POISONの『SEVEN DAYS LIVE』や、EUROPEの『LIVE FROM DARK』や、DIOの『LIVE AT LONDON』や、JUDAS PRIESTの『EPITAPH』での会場になったあのハマースミス.アポロだ。

ここの収容人数は5000人前後というから凄い。

新人にしてこの偉業…イギリスの人口は日本の半分以下なのだ。

それを鑑みたら日本でアリーナを新人にして3日間満杯にしたということになるから、それは凄い。

そして、この年に行われたMONSTERS OF ROCKにも、THUNDERオープニングアクトとして出場した。


mor 90
MONSTERS OF ROCK90』


しかし、この時の観客数も凄い。

公式発表では、この時のチケットは75000枚が売れたというのだから。

そのTHUNDERのステージの時に、客はほとんど来ていて満杯だった。

その数の多さに、思わず「うわっ!」と声をあげてしまった。

この時代は、たった5バンドが参戦しただけでこれだけの数を動員できたのだ。

今のように、ステージを3つに分けて、それぞれ10前後のバンドを参戦させて、しかも3日間も開催されるのとはわけが違う。

昨今は、需要逓減の法則が働いて、こういうことをしなければ、観客を集めれないのだ。

そんな当時の時代だったからこそ、このステージに呼ばれるのは狭き門だったのだ。

その時のステージの素晴らしさが称賛されて、そのリポートが『BURRN!』でなされていたが、そこには、「EMIが売り方を間違えなければ、いつでもWHITESNAKEのかわりをつとめれるだろう!」などと書かれていたのを覚えている。

 参考。

その時の演奏曲は以下。
  ↓
1. She's So Fine
2. Backstreet Symphony
3. Until My Dying Day
4. Higher Ground
5. Don't Wait For Me
6. Fired Up
7. Dirty Love

MONSTERS OF ROCK


私は、この時のステージと、91年METALLICAトリにした日本でおこなわれたFINAL COUTNDOWNに参戦した時のライヴの良さを体感して、すっかりTHUNDERの虜になり、このバンドのBACKSTREET SYMPHONYを買い、何度も何度も聴いて悦に入っていたのだ。

そして、その次の年にLAUGHING ON JUDGEMENT DAYが出て、これも買って聴いた。

このアルバムは、イギリスチャートで初登場2位を記録して、その年に行われたMONSTERS OF ROCKサードビルとして参戦し、90年の時のオープニングアクトから大幅に出世した。


monsters 92
MONSTERS OF ROCK 92』


前作の素晴らしさと、これまでのライヴの素晴らしさが口々に語られた結果なのだろう。

私も当然だと思った。

そのセカンドアルバムまでのクリップには、そう自然に思わせる品位が溢れているのだ。


Low Life In High Places”  『LAUGHING ON JUDGEMENT DAY』収録
   ↓



しかし、その時が頂点だったのがわかる、クリップをデビュー作から発表順に流れていくのを見ると、そう思わざるを得ない。

サードアルバムから、このバンドは陰りが見えてきたのだ。

来日公演の観客動員数も少なくなった。


やはり、90年のライヴ映像やクリップを観ると、「このバンドならば売れる!」という気品とオーラに満ちているのだ。

やはりベテランミュージシャンの集まりという雰囲気もさることながら、レベルの高い演奏力に歌唱力、卓越した音作りと申し分ないのだ。

参考ページ

ラフィング・オン・ジャッジメント・デイ 対象商品

Laughing on Judgement Day


そういったプロミュージシャンとしての要素や魅力が、3作目から大幅に減退してしまっているのだ。

3作目のBEHIND THE CLOSED DOORから一気になくなってしまったのだった。

このDVDには、デビュー作から3作目までのクリップが収められているが、3作目の作品から見ているとテンションが下がるのが自分でもわかるのだ。

やはり、93年からのグランジの台頭によって、その要素をどのバンドも加えなければいけないという風潮が広がって、そうせざるを得なくなったのだTHUNDERも。

kaminarim.jpg

しかし、HRグランジの要素など相容れるわけはなく、魅力の減退をもたらすだけだった。

ことはTHUNDERだけでなく、他の多くのHRバンドで実証済みだ。

そのグランジは、THUNDERデビューの次の年の91年METALLICAが出したMETALLICA』アルバムによって引き起こされたものだった。

そのMETALLICA91年の大みそかに、東京ドームで行われたFINAL COUTDOWNのイベントでTHUNDERも参戦したというのではあまりにも皮肉だ。

あのMETALLICA』アルバムがきっかけで、どのバンドもあのアルバムの踏襲、つまりヘヴィーでダークな音楽を作りだすようになり、その音楽的な特徴を有するグランジブームができた。

ブラックアルバム
METALLICA


その音楽性を取り入れても、ハードロックバンドに魅力が出るはずもなく、逆に魅力の減退をもたらしたので、HRバンドはどんどんヒットから遠ざかるようになった。

80年代の、あのMETALLICA』アルバムが出る前は、いろんなHRバンドプラチナマルチプラチナを獲得していたというのに…。

そのブームに関係なく、THUNDERはデビュー作やセカンドのような作品を出していればよかった…ことはそんなに容易ではない。

やはりブームの要素を取り入れるのは、レコード業界の常で、そういう暗黙の圧力はアーティスト側に寄せられるのだ。

たとえブームに流されずに、同じような出来のアルバムを出したとしても、音楽性安定という人もいれば、変化なしという評価する人もいるのだ。

それがヒットにつながれば、その変化を良しとするだろうが、そこの判断は一概には言えないのが、隔靴掻痒の観を呈している。

それに、そういったブームがなくても違うブームが起きていた可能性もあるのだ。

そういうブームのあるなしに関わらず、やはり何かしらの音楽的な変化を消費者は求めてしまうものなのだし、それがあるかないかに関わらず、やはり自然と求められるのはヘヴィ化ではないだろうか?

THUNDERと同じブリティッシュハードロックバンドのWHITESNAKEはデビューから9年目で、かなりのヘヴィ化と、音のプロデュースにコマーシャル性を持たせたがゆえに、世界的に大ヒットをすることができたのだ。 それがWHITESNAKE 87』だ。


白蛇の紋章
WHITESNAKE 87』


これを習って、THUNDERもヘヴィ化すればよかったのだろうか?

判断に悩むところだ。

ヘヴィ化しなくとも、AEROSMITHAC/DCといったバンドはそういうことはしていないし、BON JOVIはヘヴィ化どころか、アルバムを重ねるごとにヘヴィさは希薄になっていっている。

こういったバンドのように世界でアルバム.シングル合わせて5000万枚以上売れれば、ブームに踊らされることなく、自由自適な作品を作っていても売れるし、コンサートでもアリーナでできるし、フェスに召集されればトリセカンドビルになる。

しかし、THUNDERはデビューするのが遅かったのだ。

いま思うと、90年デビューではピークを過ぎていたようだ。

ゆえにハードロックバンドとして、大ヒットを飛ばせるには時期が遅かったとしか言いようがなかったのだ。

しかし、私はそういったブーム合わせやヘヴィ化をしたとしても、このバンドを応援はしていなかっただろう。

なぜならば、このバンドはルーク.モーリーがリーダーで、この人がこのバンドの殆どの曲を作詞作曲している。


ルーク0001
 ルーク.モーリー


このバンドのシンガーであるダニー.ボウズはほとんど作詞していない。


ゆえに、いくら上手い歌を歌っても感動できなかったのだった。

ゆえに、サード以降、このバンドのアルバムや映像モノを買って鑑賞するも、虚しい時間が過ぎ去る感じがして感動できず、いつしかこのバンドのモノは全部中古盤屋か、ネットオークションで売ってしまってきたのだ。

だからFLOWED TO PERFECTIONもついでに売ってしまおうと思ったのだった。

91年大晦日FINAL COUNTDOWNでのステージをみた後は、「ずっとこのバンドを応援していきたい!」と思ったものだったのに…。


何故、シンガーが作詞しないバンドのは感動できないか?


ダニーボウズ
  ダニー.ボウズ


シンガーが他の人間が書いた詞を歌っても、そこにはハートも感じなければ、ソウルも感じれない。

他の人の書いた詞には、書いた人の感情や主張が入っている。

それを、シンガーが完全に感情移入することなどできた話しではない。

ゆえに、シンガーが歌詞を書かないものには感動ができずにここまで来たのだ。

バンド内の事情である中心人物が作詞作曲を担当することが暗黙の了解で決まっており、シンガーが作詞を担当できないというパターンもあれば、単にシンガーに作詞能力がない、というパターンもある。

前者の例が、DANGER DANGER、ROYAL HUNTSKID ROWNIGHTWISH、MESHUGGAH、MOTLEY CRUEといったバンドになる。

こと後者の例はTHUNDERFAIR WARNINGになる。

英語圏で生まれ育ったか否か、といったことはあまり、というか全然関係ないとしか私には思えない。

現に、クラウス.マイネ(SCORPIONS)、ジョーイ.テンペスト(EUROPE)、ヴィレ.ヴァロ(ex HIM)、イーサーン(EMPEROR)、ロニー.アトキンス(PRETTY MAIDS)、クリスティーナ.スカビア(LACUNA COIL)、シャロン.デン.アデル(WITHIN TEMPTATION)、シャーロッテ,ヴィッセル(DELAIN)といった非英語圏のシンガーの歌にはかなり感動させてもらった経験がある。

英語圏シンガーでも、自分で歌詞を書けば自然と感情をこめれるのだ。

その感情が聴き手に感動を喚起するのだ。



イーサーン(EMPEROR)


ただ後者の例は、1度だけマジックが生じて、1枚のアルバムだけは感動して聴けるのだ。

THUNDERのデビュー作BACKSTREET SYMOPHONYは感動して何十回も聴いたが、次のセカンドアルバムからは全然聴けなくなってしまった。

FAIR WARNINGのデビュー作FAIR WARNINGも感動して何十回も聴いたが、次のセカンドアルバムからは全然聴けなくなってしまった。

1度だけ奇跡が生じるが、次のアルバムからは全く聴けなくなるということだ。

ならば、THUNDERが、あのBACKSTREET SYMPHONY完全再現ライヴをしてくれるならば、私はTHUNDERのライヴに足を運ぼうと決めているのだ。


backstreet.jpg
BACKSTREET SYMPHONY

これまで、THUNDER91年以来、何回日本にライヴをしに来たかわからないが、一度も私は観に行っていないが、これを開催してくれれば、行くことは間違いない。

DREAM THEATERも、バンド創始者の1人であるジョン.ぺトルーシがほとんど全部を作詞作曲しているがゆえに、後参入のシンガーのジェイムズ.ラブリエは作詞をできないバンド内の状態になっているのだ。

ゆえに、DREAM THEATERの音楽には、感動できなくなっていたのだ。

しかし、先にも書いたように、1度だけマジックが生まれて、感動できるのだ。

ジェイムズがこのバンドで初の参加になった、あのIMAGES AND WORDSも何度聴いたかわからないほどだったのだ。

これは『BURRN!』の評点で95点をもらった。

私も『BURRN!』のスタッフだったら、あのアルバムに関しては95点以上つけているところだろう。


i w
IMAGES AND WORDS


ゆえに、DREAM THEATERIMAGES AND WORDS完全再現ライヴには足を運んだのだ。

しかし、その次のアルバムからはほとんど感動できなくなってしまったので、他のライヴには足を運んでいない。

これと同じようにTHUNDERのあのデビュー作は何度聴いたかわからなかったほどだが、次のアルバムからは…。

しかし、その完全再現ライヴは無理かもしれない。

完全再現ライヴは、そのバンドの最大ヒット作をする場合がほとんどだったからだ。

このバンド最大ヒットはデビュー作ではなく、セカンドのLAUGHING ON JUDGEMENT DAYだからだ。

それはどうなるかわからないが、ひそかにこのバンドの行方を見ていこうと思う。

サンダー

その1枚のアルバムの曲のクリップやライヴが多数収録されているということで、先のFLOWED TO PERFECTIONは売らずに、保管しておこうと決めたのだ。

また当時を懐かしんで、また鑑賞する機会が出てくるだろうと、心に保留をしておこうと思ったのだ。

そんな思いになったのだった。

それくらいTHUNDERBACKSTREET SYMPHONYは感動できる曲を多数収めたアルバムだった。

興味が出て、そんな映像に触れたい人には勧めたい映像モノである。



フロード・トゥ・パーフェクション ザ・ビデオ・コレクション 1990-1995 [DVD]

rola195551


●以下のサイトでも取り扱っています。
  ↓

タワーレコード


【HMV】ローチケHMV|音楽CD・DVD


今回はこれにて終了します。

ありがとうございました。

HMV&BOOKS online







♯THUNDER
♯FLOWED TO PERFECTION