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2022年のEUROPE,FOREIGNER,WHITESNAKEの順でなされたイギリスのロンドンにあるO2 ARENAでおこなわれたライヴのブートレッグDVD-Rを某サイトで注文して取り寄せて観た。
しかし、素晴らしい顔ぶれである。
いずれも70年代後半から80年代のHRの最盛期にマルチプラチナムを獲得した、HRファンにはこたえられない楽曲群を有するバンドだからだ。
こういう顔ぶれで日本でもやってくれないか、といつも思うのだが、人生なかなか自分の思い通りにならないから歯がゆい(笑)。
このO2 ARENAはきっちり2万人収容とネットでは書いてある。
イギリスの人口は、日本の約半分ゆえに、日本の規模でいえば、4万人前後のさいたまスーパーアリーナでする算段になる。
さいたまスーパーアリーナと言えば『LOUD PARK』で何度も使用された場所だ。
FOREIGNERはこのイベントで来たことはないが、EUROPEはこのイベントでセカンドビルになったし、WHITESNAKEはセカンドビルで1回、ヘッドライナーで1回やった。
『LOUD PARK2016』
それくらい、ここ日本でもこのバンドたちは人気がある。
そんなバンドを3ついっぺんにみれるのだから、こんなラクシャリーな時空間はないだろう。
つぶさにブートレッグのネットショップを検索していくと、そういうドッキングを目にして、それを買えることになるからロックのファンは要チェックだ!(笑)
2003年のWHITESNAKEとSCORPIONSのドッキングや、同年のJUDAS PRIESTとBLACK SABBATHのドッキングや、94年のANGRA、VIPER、SUICIDAL TENDENCIES、BLACK SABBATH、SLAYER、KISSという顔ぶれの『MONSTERS OF ROCK』(ブラジル)など私は所有しているが、日本では実現されなかった組み合わせゆえに、こんな涎モノはない!
トップバッターはEUROPEだが、このバンドは今年の日本でも来日公演が決定している。
あの『THE FINAL COUNTDOWN』の大ヒットとそれに続く『OUT OF THIS WORLD』のヒットでここ日本でもアリーナ公演を実現するほどの人気ぶりを博した。
しかし、長い休止期間と、その後の普通大のヒットのあったせいで、永遠なる単独アリーナ公演やスタジアム公演は出来ない人気に収まっている。
このバンドを初めて知った時は、そういう人気の博し方を永遠にしてくれるのだろうと思っていたが、人生なかなかそうはいかないのが歯がゆい。
やはり過去のヒット作に拘らざるを得ないセットリストにならざるを得ないのだろう。
いやこのバンドだけでなく、どんな重鎮的存在であるAEROSMITHやKISSでさえも、事情は一緒なのだろう。 老舗バンドというだけで、10代や20代の音楽ファンからは遠ざけられてしまうのだろう。
私も、10代のころ老舗バンドを写真で見た時は、咄嗟的にページを飛ばして音楽雑誌を読んでいたから事情はよくわかるのだ。
EUROPE
そういう事情ゆえに、いつまでも百万枚単位のヒットは出来ないのだ。
しかし、EUROPEにとってイギリスは相性のいい国であるはずだ。
86年の『THE FINAL COUNTDOWN』の世界的ヒットの直後にDEF LEPPARDの前座でイギリスでおこなわれたライヴの模様を収めたオフィシャルライヴビデオが発売されたし、2004年の再結成後のイギリスのハマースミスでおこなわれた単独ライヴの模様を収めたオフィシャルライヴDVD『LIVE FROM DARK』も発売されたのだ。
このバンドはしょっちゅうイギリスに呼ばれているのだ。
きたる日本での公演を楽しみに待つべきだろう!
続いてFOREIGNERだ。
このバンドは、これまでアルバムとシングルあわせて8500万枚を売ったとウィキペディアに書いてある。
ゆえに記録としてはWHITESNAKE以上であるが、その記録は主にルー.グラム在籍時のモノゆえに、WHITESNAKEよりも先順になってしまったのは致し方ない。
それに、今のシンガーであるケリー.ハンセンで出したアルバムはわずかに1枚だけだ。
それも、やはり先順になってしまう理由になるだろう。
しかし、このバンドもフェアウェルツアーを公表したのだ。
要するに、今回のツアーをもって引退するということだ。
それは頷ける。
このバンドのリーダーであるミック.ジョーンズは、私の父よりも2歳年長という高齢者なのだ。
HRファンには哀しい事態が次々に起こっている。
しかし、まだ日本に来る展開がなされていないのはちょっと心配だ。
ケリーがシンガーになってから、このバンドのライヴモノはかなりの数出ているから不思議だ。
やはり、それだけライヴが素晴らしいのだろう。
FOREIGNERの筋金入りのファンでも正確に把握できないほどの数のライヴDVDやライヴCDが出ている。
しかもアンプラッグドモノすらもある。
私は、シンガーが作詞をしないバンドは心底感動できないから否定的で、そういうバンドのアルバムは買わないことにしている。
感動できないから、そのまま疎遠になって、中古盤屋に売ってしまう羽目になるからお金の無駄なのだ。
ゆえに、主にルー時代の楽曲を歌う今のFOREIGNERのライヴモノにも疎遠になるのが筋だが、なかなかどうして人間というものは、ダブルスタンダードになってしまい、こと今のFOREIGNERのライヴモノは、何枚か所有することになっている。
勿論全部ではないが、何枚かは所有している。
今まで一番よかったのは、スイスでおこなわれたオーケストラとの共演モノのライヴだ。
今回のブートのライヴの模様をみる限り、やはりここでもケリーの歌はうまい。
バンド内でシンガーが変わると、前任のシンガーが書いた歌詞を歌っても、自分が書いた歌詞ではないゆえに、100%の感情移入は出来ないのだ。
ゆえにそれほど感動できずに終わってしまう。
ケリー在籍時には、『CAN'T SLOW DOWN』の1枚のみアルバが発表されたが、そこからの選曲はなしで、全てルー時代のモノだ。
それで、40分の持ち時間だ。
このイギリスでも、このバンドは人気を確固たるものにしたことは間違いない。
やはり、このバンドも、新曲をいくつも入れることはせずに、過去の名曲で固めたようだ。
どのバンドにもはまる弊害(?)に陥っているようだ。
ブルース.ワトソン(FOREIGNER)
私も、日本にこのバンドがフェアウェルツアーに来たら、必ず行くと決めている。 この際のセットリストはルー時代のモノだけだった。
このバンドにはかなり感動させてもらった大恩があるのだが、果たして実現するかどうかが不安だ。
必ず来てくれと声を大にして言いたいのだ。
(FOREIGNER set list)
Double Vision
Head Games
Cold As Ice
Dirty White Boy
Feels Like The First Time
Urgent
Juke Box Hero
Long Long Way From Home
I Want Know What Love Is
Hot Blooded
そしてメインのWHITESNAKEだ。
このバンドも、かなり同じことを繰り返してきたことで有名だ(笑)。
今回のセットリストも、「またこのセットリストか~!」とため息が漏れるだろう、熱烈なファンでなければ。
しかし、それが音楽雑誌で議論されないのは、無数のアーティストが存在する昨今ゆえに、そんなことをいちいち議論している暇がないのだろう。
このバンドが、ここ日本に来た最後は2016年の『LOUD PARK』でトリを務めて、その後、大阪と静岡で単独公演をおこなったのが最後だ。
その後、2020年に日本で単独公演が行われるはずだったが、コロナ騒動で取りやめになってしまった。
その2016年の公演では『GREATEST HITS LIVE』と銘打ったツアーだったが、なんていうことはない、87年、94年、2003年、2012年においてなされた、ほぼ同じのセットリストでライヴをしていただけだったのだ。
2011年の来日時にデヴィッド.カヴァーデールが「『WHITESNAKE』の完全再現ライヴをしたい。」というコメントをしていたが、2016年にでもそれをしてくれたらよかったのに、という悔恨の念が浮かぶ。
デヴィッド.カヴァーデール
その完全再現ライヴはいまだされていない。
実にもったいないことこの上ない。
SLAYERも、2005年にこのバンドの最高傑作である『REIGN IN BLOOD』の完全再現ライヴをやり、その模様が納められたオフィシャルライヴDVDである『STILL REIGNING』がリリースされたが、それは圧巻だった。
『STILL REIGNING』
それが、『LOUD PARK』や、最後の公演になった2019年の『DOWNLOAD FESTIVAL IN JAPAN』においてしてくれたらよかったのに、それはなされなかった。
このアルバムはかなり良くて何十回も聴き、それ以外はあまり感動できなかった私としては、このアルバムの完全再現をしてくれたらよかったのだが、そうならなくて歯がゆいことこの上ない…って同じような表現を何回使ってんだ、と自分でもいいたくなる(笑)。
ならばWHITESNAKEも、そういうことをするとしてライヴ告知をすれば、この2022年のライヴでももっと多くの観客を動員できたことは間違いない。
アルバムを発表しても必ずしも、大ヒットを記録する事ができなかったのは、やはりあの『WHITESNAKE』アルバムにはかなり聴き劣りがするからというのが要因として一番大きいのではないだろうか?
しかし、『WHITESNAKE』アルバムは良かったけれども、それ以降は、このアルバム以上の魅力が見えないから買わない、ライヴにもいかないという多くのファンがスパイラルに嵌っているのは明白だ。 だから起死回生のために『WHITESNAKE』の完全再現をすべきだったのだ。
『WHITESNAKE』
DEF LEPPARDは、私好みのメロディやヘヴィさやフレーズを持つバンドだが、速弾きテクがまるでないがゆえに、必ずライヴには行くということにはなっていないし、ライヴモノも必ずしも買うということにもなっていない。
しかし、あの最大ヒットである『HYSTERIA』の完全再現ライヴモノである『VIVA!HYSTERIA』は、私は数えきれないほど鑑賞してしまっているのだ。
これと同じ様に、それほどWHITESNAKEにのめりこめなかったHRファンも、『WHITESNAKE』の完全再現をすれば、観たいという気分にさせることは間違いなかっただろう。
『WHITESNAKE』こそが最大のヒットだったゆえに。
それがやはり悔やまれるのだ。
今回のO2 ARENAでのライヴも、同じようなセットリストだ。
それについて議論はしなくても、ただこのバンドを観れるだけで幸せ、という筋金入りのファンでほとんどを占められたのだろう。
それについて議論はしようがしまいが、関係ないといったところだろう。
“Bad Boys”で始めてから“Slide It In”に流れて“Love Ain't No Stranger”“Slow An' Easy”“Crying In The Rain”“Is This Love”“Give Me All Your Love”“Here I Go Again”“Still Of The Night”…このような流れは何度となく繰り返されてきたものだ。
2019年発表の『FLESH AND BLOOD』からは、わずかに“Hey You!”のみがセットに入ったのみだ。
ジョエル.ホークストラ (WHITESNAKE)
しかし、この公演のブートを観る限り、観客はあまりノッテいない。
WHITESNAKEがメインであるにもかかわらず、しかも最終ツアーになるかもしれないというのにもかかわらずである。 不思議な現象だ。
確かに、デヴィッド.カヴァーデールが当時71歳だったことを考えれば、ファンの年齢層もかなり高く60代および70代の観客が多くいても不思議ではない。
しかし、それにしても拳を振り上げているのは、全体の3割程度だ。
考えれるのは、サウンドの調整ミスだ。
そういうことは、実際に会場に足を運んで体感してみないことにはわからないのだが。
観客が一番ノレる音程に調整しないことには、いくら楽曲や演奏が素晴らしくても、感動できずじまいになってしまうのだ。
それは2016年の『LOUD PARK』でよくわかった。
このイベントに参戦したDANGER DANGERをみた時に、全然のれないのがわかった。
DANGER DANGER
このバンドはデビュー当初から、新人離れした音つくりと演奏力で注目を浴びていたのだ。
その実力は維持していた。
しかし、ライヴでの音の調整が失敗していて、観客がノレる音域ではなかったのだ。
それでいくら良い演奏を聴かせても、全然感動できなかったのだ。
それが、今回のWHITESNAKEでも起きてしまったとしか言いようがない。
加えて、デヴィッドのステージアクションにも冴えがなかった。
2016年の時にはすでに足の怪我を患っていたのだが、それを感じさせないパフォーマンスには驚いたし、その公演のブートを観てもそんなことは感じれないのだ。
しかし、デヴィッドはこの時71歳。
それならば致し方ないほどパフォーマンスの溌溂さは後退している。
加えて、彼は肩も患っているという。 そういった要因が重なって、それほどの興奮には至らないのがWHITESNAKEの大ファンである私にもわかるのだ。
やはり、WHITESNAKEのライヴパフォーマンスで一番のおすすめであるのは、2004年に行われたライヴのオフィシャル盤である『LIVE IN THE STILL OF THE NIGHT』だろう。
これは、WHITESNAKEのハマースミスでの単独公演を収めたもので、観客もWHITESNAKEを目当てに来ているのは明白で、観客のノリも良いし、そうなればバンド側のパフォーマンスも必然的に溌溂としたものになる。
デヴィッドもこの時は52歳だったから、パフォーマンスを最大限に彩っている感じだ。
加えて、2003年以降のメンバーは、WHITESNAKEの楽曲を最大限生かす音楽性を持っているがゆえに、必然的に感動を催すのだ。
そういうライヴに比較して、今回のブートは劣る印象を受けざるを得ない。
デヴィッドが『BURRN!』で最後に登場した時に、「日本でフェアウェルツアーは実現するのか」という質問に対して、「できればいい」という悲嘆を催す感じに近いコメントがなされていたのを思い出す。
しかし、40年以上、日本でも活躍を見せたWHITESNAKEゆえに、2016年の『LOUD PARK』及び単独公演が最後にならないことを願っているのだ。
どうか必ず来てほしいものだ。
(WHITESNAKE set list)
Bad Boys
Slide It In
Love Ain't No Stranger
Hey You
Slow And Easy
Ain't No Love In The Heart Of The City
Fool For Your Loving
Guitar Solo/ Key Board Solo
Crying In The Rain
Drum Solo
Band Introduction
Is This Love
Give Me All Your Love
Here I Go Again
Still Of The Night
Burn
ここまでの精読に感謝したい。
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ありがとうございました。
♯WHITESNAKE 2022年
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