(コラム)WARRANTとKIXの意外なる共通点とは何か?





最近、棚を掃除しながらWARRANTLOUDER、HARDER,FASTERを見つけた。


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LOUDER、HARDER,FASTER


これは、ロバート.メイソンがシンガーとして加入して2枚目のアルバムで、懐かしくなり聴いてみたのだ。

このシンガーは、あのジョージ.リンチのバンドであるLYNCH MOBにいたこともあり、初期WARRANTにぞっこんだった人に気に入れられるかどうかは保証のしようがない、スピーディでちょこっとラフなイメージの付きまとう出来だった。

それほど好きになれなかった私はヤフオクに出して売ることにした。

驚くことに2017年発表のアルバムではあるが、もう廃盤になってしまっているのがわかった。

このバンドは89年のデビュー作から、92年DOG EAT DOGまではシンガーのジェイニー.レインがほとんどの曲を作詞作曲してきた。


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右から2番目がジェイニー


それが功を奏してなのか、デビュー作とセカンドは全米で300万枚を売り、DOG EAT DOG50万枚を売った。

殊にデビュー作収録の“Heaven”は秀逸なバラードで全米2位になり、このバンドの代表曲のような趣きになったが、それだけでなくこのバンドには、軽快なロックナンバーも武器として持っている。

その代表的な曲を以下に紹介したい。



しかし、95年発表のULTRAPHOBICはメンバーのほとんどが作詞作曲に携わるようになったのだ。

しかし、これは不発。

そして96年BELLY TO BELLYも不発。

そして、2006年BORN AGAINにおいては、ジェイニーは不参加でシンガーにはジェイム.セイント.ジェイムズが向かい入れられ、2011年ROCKAHOLICからはロバート.メイソンが加入する運びになったようだ。

その年にアルコール依存症になっていたジェイニーは、それが原因となり病院で亡くなってしまったのだ。

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2006年のアルバムからジェイニーが不参加だった本当の理由はわかりかねる。

デビューから3作だけが、非常に売れたアルバムだった。

ジェイニーがほとんどを作詞作曲したのは、どういう理由なのかもわかりかねる。

レコード会社の意向でそういうふうにせよと命令がかかったのか、あるいはバンドの草創期からジェイニーがイニシアティブを握っていたがゆえに、その曲をアルバムに全部出してから、他のメンバーが作詞作曲に参加したアルバムを出そうとしたのかはわかりかねる。

そういったバンド内のトップシークレット的なことは、雑誌等では書かないし、インタビューでは言わないのが公約的な世界なのだから。

正直に書けば、デビューから2作目まではよくできたアルバムで、私はそれぞれ何十回も聴いた記憶がある。


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デビュー作


しかし、95年ULTRAPHOBICからはほとんど聴けずじまいで、すぐさま中古盤屋に売ってしまったのだった。

それが、ジェイニーだけが作詞作曲を手掛けたアルバムではなくなったというのは皮肉でしかない。

こうなれば、他のメンバーは作詞作曲するべきではないというようなことを要望として、心で言っていても届かないし、意味がないだろう。

どのような作詞作曲のスタンスであれ、良い曲を書いてくれるようになればいい、と祈るしかなかったのだ。

しかし、そういうバンド内のいざこざが表面化してなのか、ジェイニーは解雇されてしまった。

このバンドのデビューから3作目までの魅力のほとんどを担っていたメンバーが抜けてしまったら、もうファンでいる意味がないと判断したファンは無数にいただろう。

雑誌等でも、このバンドが浮上した軌跡もない。


以下、このバンドのデビュー作とベスト盤を紹介したい。
  ↓
Dirty Rotten Filthy Stinking Rich

Best of


このようなバンドの経緯は、同じ時期に活躍したKIXと同じことに気が付いたのだ。

このバンドは、BLOW MY FUSEからここ日本でも人気に火が付いた。

あの“Don’t Close Your Eyes”がヒットし、日本での来日公演も実現した。

その公演日程は以下だった。

89年 来日公演日程)
9月28日 川崎クラブチッタ 
9月30日 渋谷公会堂 
10月1日 渋谷公会堂 
10月3日 大阪毎日ホール 
10月5日 名古屋勤労会館

その“Don’t Close Your Eyes”だが、私としては軽快なロックナンバーである“Red Lite,Green Lite,TNTの方が好きなので、それを以下、紹介したいと思う。



ようやく人気が出て、次からはもっとそう動員数になるかと思いきや、そうならず、次のHOT WIRE』アルバム発表後の来日公演では動員数が減少した。

BLOW MY FUSEがこのバンドの最高の時点だったようだ。


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BLOW MY FUSE


アメリでは、このアルバムは100万枚を売ったが、それ以降はそれほどの売れゆきは記録せずじまいだった。

このバンドは、ベーシストであるドニー.パーネルがほとんどの曲を作詞作曲してきたのだ。

このバンドが一時期、解散して復活したのは知っていた。

しかし、2014年ROCK YOUR FACE OFFからは抜けてしまい、後釜にマーク.シェンカーなる人物が加入したようだ。

これでは、ドニーの作る曲が好きでKIXのファンになった人からはそっぽを向かれて当然だろう。

ドニーが在籍していた時期には、シンガーであるティーヴ.ホワイトマンが作詞していたのはアルバム中1曲2曲だけだった。

これでは、聴いている私が感動するかどうかは微妙なところだったのだ。

やはりアルバムのほとんどをシンガーに作詞してほしいというのが私の願いなのだ。


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 ドニー.パーネル


しかし、そのドニーが脱退して、マーク.シェンカーなるベーシストが加入してからは、そのマークがほとんどを作詞作曲して、ホワイトマン12曲中6曲ほど作詞に参加しているようだ。

のみならず、ギタリストのブライアン.ダメージ.フォーサイス12曲中4曲で作曲を担当するようになった。

ドニー在籍時には、一切作曲に関わっていなかったにもかかわらずである。

ドニーがこのバンドのイニシアティブを握っていて、ブライアンホワイトマンが関わるのをいさぎよしとしていなかったのだろうか?

その内情は外部の私には知りようがないし、バンド数が無数にある昨今のHR/HM界においては、雑誌インタビューでも知りえないことになってしまっている。

しかし、私としてはこういう作曲や作詞のスタンスが望ましいと思う。

私は、シンガーが作詞しないバンドの曲は聴けないからだ。


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               KIX


やはり、歌詞は書いた人の心を映すものゆえに、他人の書いた歌詞をシンガーが精魂込めて歌えるかというとそんなことはないのだ。

いくら上手く歌えても、その詞がシンガーが書いたものでなくては、100%の感情を込めることは不可能ゆえ、ソウルが感じれずに、他のCDに手が伸びて、そちらばかり聴いてしまい、いつしか10年20年たってしまっていた、ということが往々にしてあった。

ゆえに、いくら上手いシンガー擁するバンドでも、いくらメジャーなバンドでも、シンガーが作詞をしないバンドは買わないし、聴かないと決めているのだ。

お金の無駄になってしまうからだ。

しかし、バンド史上最高の人気を誇っていた時のイニシアティブを握っていたメンバーが脱退した後に、そのバンドが人気を維持する、あるいはそれ以上の人気を誇れるかどうかは、そのバンドに残ったメンバーの力量によるとしか言いようがない。

IRON MAIDENにしろ、DEEP PURPLEにしろ、初代シンガーの脱退を経て、新たなシンガーを入れて、初代よりも人気を誇れたのは、その新たなシンガーに力量があったというほかにも、残ったメンバーにも作詞作曲の能力が往々にしてあったからに他ならない。

その初代メンバーがそのバンドをイニアティブを持ち、他のメンバーは全くか、ほとんど作詞作曲の能力がない、というような場合、そのバンドは消滅するしかない。

存続できても、いつしか忘れられる、という数奇な運命を辿るほかない。

その好例がBRITNY FOXだ。

しかし、今のWARRANTKIXが、往年のバンド以上の魅力を有しているかどうかは、ファンによって変わってくるだろう。

良いという人もいれば、そうでないという人もいるだろう。

ことWARRANTにおいては、LOUDER、HARDER,FASTERを聴く限り、そんなに期待は持てないというのが正直なところだ。

ロバート加入後のアルバムを全部聴いていないので即断は早いし、他のアルバムを聴けば変わってくる可能性もある。

そういう思いがモラルの基本になっている私は、92年KEEP THE FAITHまではよかったBON JOVIだが、それ以降はまるでよくないと思いつつも、2009年THE CIRCLEまで実に10数年以上買い続けたのだ。



   BON JOVI


でもよくなかったので、もうそれ以上は買わないことに決めたのだ。

そこまでさせたのはひとえに、92年までのBON JOVIが非常に良かったからだ。

そのように惹きつける魅力が、それほどあるかどうかは、バンドによってケース.バイ.ケースなのだ。

往年程よくはないが、WARRANTのアルバムは全部集めている、KIXのアルバムは全部集めているという例も当然あるだろう。

どういうスタンスにするかは、人によりけりなのだ。

バンドの魅力は、シンガーだけではない。

ギターの音色やフレーズ、あるいはドラミングのタイミングの妙、どんなプレイヤーにも特徴があるものなのだ。

その特徴ゆえに、シンガーが変わっても、曲風が変わっても聴きたくなるということは当然ある。

その魅力に惚れれば、いつまでもファンでいられるだろう。

そういうようなパターンになるかどうかは保証のしようがない。

まだたくさん他のバンドで買いたいリストは山のようにあるからだ。

そうこうしているうちに、KIXWARRANTのアルバムで、買いたいものはなくなってしまった、ということになるかもしれないし、そうならない可能性もある。

神のみぞ知るといったところであろうか?

虚心坦懐に見ていきたいと思う。

今回は以下、KIXの最高売り上げのアルバムを紹介したい。
  ↓
Blow My Fuse

そしてこちらが、KIXのファーストから5thまでのアルバムを全部収納したアルバムがこちら!

アルバムが5枚入ってこの値段(=1800円)は安すぎ!!
  ↓
Kix 5CD ORIGINAL ALBUM SERIES BOX SET


singer-kim


●以下のサイトでも取り扱っています。
  ↓

タワーレコード


【HMV】ローチケHMV|音楽CD・DVD

今回はこれにて終了します。

ありがとうございました。

 






KIX
WARRANT