トニー.ハーネル
『BURRN!』のような雑誌を常にキャッチアップしていないと、ハードロックの情報から取り逃されることになる。
今や1つのバンドで生計を立てられる時代は終わった。
やはり,いろんなバンドを渡り歩いたり、ゲスト出演をしていかないことにはアーティストも生計が立てられないようだ。
そんな時代にあって、元TNTのトニー.ハーネルの動向は気になることだった。
かなり上手いシンガーだし、何度もこの人には感動させてもらったからだ。
この人はTNTの最大ヒットである『INTUITION』の完全再現ライヴを日本にしに来た後、バンドにとどまっていたが、何も活動するめどが立たないバンドの姿勢に嫌気がさして、バンドを脱退してしまう。
そして、その後なんとSKID ROWに加入したことを知った時には驚いた。
SKID ROW & トニー
なぜなら、パンク精神宜しく、気持ちをぶちまける様なロックを体現するイメージのバンドにトニーがフィットしているかは疑問だったからだ。
しかし、どういう理由でか、アルバムを作らずしてトニーは脱退してしまっていた。
そして、SKID ROWに加入したのは、スウェーデン人であるエリック.グレンウォールなる人物だったようで、このシンガーはかなりイケメンだ。
男でも目を惹かされる思いだ。
かたや、トニー.ハーネルはWESTWORLD、LOVE KILLERS、STARBREAKERといろんなバンドを結成しては良好なアルバムを出してきてくれたようだ。
私がシンガーにどうしても望むのは、作詞をしてほしいということだ。
歌詞は、書いた人の感情や思いや主張を盛り込むものであり、その書いた人の手によるものでなければ、他の人が書いた歌詞をシンガーが歌っているのを聴いても感動できないからだ。
やはりどんな上手くとも、その歌詞をシンガーが書いたものでなければ、私は感動できずじまいで、そのまま聴くことに疎遠になってしまい、いつしか売ってしまうということにつながっていたからだった。
しかし、ことトニーが創始したバンドではいずれもトニーが作詞している。 歌が上手いのみならず作詞もできる。
これほど素晴らしいことはないと正直思う。
SKID ROWの最新アルバムである『THE GANG'S ALL HERE』のクレジットをみるも、新加入のエリックの名は一切書かれていない。
このバンドは、昔も今もデイヴ.セイボとレイチェル.ボランがイニシアティブを握るバンドであり、他の人はあまり関われないのが暗黙の了解のようだ。
セバスチャン.バックは歌詞が書く能力があるにも関わらず、作詞すらもこのバンド内ではほとんどできなかったがゆえに、このバンドのアルバムは、私はほとんど聴かずじまいだったのはそういう理由だったのだ。
トニーがSKID ROWに加入したままだったとしたら、同じように作詞できないで終わっただろう。
そしてクレジットにトニーがいないのを確認したら、やはり買わずじまいだっただろうことは想像できる。
ゆえに、SKID ROWを抜けてよかったと正直思うのだ。
しかし、WESTWORLD、LOVE KILLERS、STARBREAKERというキャリアでは、作詞も作曲もこなしているから、興味津々だ。
歌が上手い上に、作詞まで手掛けることができるのであれば、聴いていて感動する可能性はかなり高い。
SKID ROWの方が断然メジャーだけど、これらのバンドは全然メジャーでない…そんなことは一切関係ない!(笑)
SKID ROW
シンガーが作詞しているのに感動できないパターンの場合、歌詞の世界観が自分に合わないか、音楽性が好きになれないかである。
これまでのトニーのキャリアから鑑みるに、自分との相性は抜群だ。
メロディアスかつ適度にヘヴィなのが何ともいいのだ。
しかし、この人はラッキーな人だ。
元はオペラ歌手であり、ロックシンガーにはなるつもりはなかったのだが、たまたま聴いていた音楽プロデューサーが、彼の声に気に入ってしまい、彼を説得してロックシンガーになってもらったのだという。
世間には、ロックミュージシャンになろうと、切磋琢磨してインディレーベルでCDを出し、ライヴを多数こなしているも、なかなか世間に注目してもらえず、30歳を過ぎてもメジャーデビューの目途が立たずに、ミュージシャンになる夢を捨てて、普通のサラリーマンになっていく人が多い中、この人は別の道で努力していたら、たまたまロックミュージシャンになってしまったのだから。
例えていえば、多くの男性がある絶世の美女にアタックして、いずれも討ち死にするも、全然その女性に興味のなかった男性がその女性の目に留まり、その女性にアプローチされ付き合うようになり、ついには結婚したというようなものだ。
羨ましいことこの上ない(笑)
そんなシンデレラ劇によって世界中に名をとどろかせたのがトニー.ハーネルなのだ。
そんな劇は、トニーのシンガーとしての力量があったればこそのことである。
運だけの話しではないのだ。
現JOURNEYのアーネル.ピネダも同じような道をたどったシンガーだ。
アーネル.ピネダ
彼はフィリピンの出身で、JOURNEYのコピーバンドをしていたが、その映像がYouTubeで流されて、その歌唱の素晴らしさが、ニール.ショーン(JOURNEY)たちの目に留まり、このシンガーの居所をつかみ、アクセスし、彼にJOURNEYのシンガーになってもらうように打診して、彼は承諾して、JOURNEYのシンガーになったのだった。
フィリピンとは、ロックの世界としては未開の地から、JOURNEYという世界的に有名なバンドから引き抜かれたのだから、人生は小説よりも奇なりといえるだろう。
しかし、アーネルは、JOURNEYに加入後、アルバムを制作したが、彼はシンガーにもかかわらず作詞をほとんどしていない。
アルバム中1曲しか作詞していない。
私は、非英語圏出身でも、作詞をすることでそのシンガーのソウルが感じられて、その歌に感動すると主張してきた。
クラウス.マイネ(SCORPIONS)にしろ、ジョーイ.テンペスト(EUROPE)にしろ、ヴィレ.ヴァロ(ex HIM)にしろ、イーサーン(EMPEROR)にしろ、自身で作詞をしているからこそ、非英語圏出身でもこれらのバンドの曲に私は多く感動出来てきたのだ。
フィリピン出身でも同じだろう。
それができれば、JOURNEYのアルバムは買って聴きたかったが、できない話しになってしまったのが残念だったのだ。
職場にフィリピン人男性がいたが、その人に「アーネル.ピネダは知っている?」と聞いたら「知っている」という。
「彼は好きか?」と聞いたら「興味ない」と言われてしまった(笑)。
そうだろう。
日本の宇多田ヒカルにしろ世界中で有名だが、だからと言って日本人ならだれしも彼女を好きかといわれたらそうでもないのは自然だ。
宇多田ヒカル
私も興味ない(笑)
作曲力、歌唱力は確かに一級品だが、その世界観や人生観があまり興味持てないのだ。
何曲か真剣に聴きいって魅力を探そうとしたが、好きになれた曲は1つもなかった。
それと同じことだろう。
まあ話が逸れてしまったが(笑)、実力があったがゆえに、メジャーデビューを果たし、メインのバンドを離れても、いろんなバンドで活動できたトニー.ハーネルのこれからの行方を見守っていきたいと思うのだ。
以下、トニーの創設したバンドについて言及したので、読みたい人は読んでいただきたい!
↓
STARBREAKER
LOVEKILLERS
タワーレコード
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今回はこれにて終了します。
ありがとうございました。
♯トニー.ハーネル
♯STARBREAKER
♯ LOVEKILLERS
♯ SKID ROW