トニー.ハーネルとマグナス.カールソンの驚異的なコラボが実現。STARBREAKERの『DYSPHORIA』

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STRABREAKER…これはJUDAS PRIESTの曲と同名だ、とすぐさま思ったのだ。

調べると、これはTNTのシンガーであったトニー.ハーネルのバンドという。


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  トニー.ハーネル


もっと調べると、そのJUDAS PRIESTの曲が、そのアルバム内にカバーされて収録されているではないか!

しかし、同じような現象は90年代後半にも起きた。

FAIR WARNINGのシンガーであるトミ-.ハートが中心になって結成されたバンドSOUL DOCTORだが、これはFOREIGNERの曲である“Soul Doctor”から取ったバンド名だという。

そして、その“Soul Doctor”も、そのアルバムでカバーされているのだ。

同じ様なことが起こっているのは興味深い。

しかし、そのSOUL DOCTORには興味はない(笑)。

なぜなら、トミー.ハートは作詞を全くしないからだ。

シンガーである以上、その歌う歌詞が自分の経験や思いといったものから出た感情から出来たものでなければ、他人の書いた詞を歌っているのを聴いていても感動しないからだ。

そういう経験を私は多くしてきた。

作曲も演奏も歌唱も素晴らしいが、歌詞をシンガーが書いていないがゆえに、全然感動できないという経験をである。

トミーは上手いシンガーであるが、作詞をFAIR WARNINGのメインソングライターであるウレ.リトゲン(b)がほとんど書いてしまうという暗黙の理由からか、あるいはトミーに作詞能力が全くないがゆえにかはわかりかねるが、FAIR WARNINGの楽曲には感動できずに終わってしまったのだった。

しかし、ことSTARBREAKERは、シンガーであるトニー.ハーネルがすべてを作詞しているので、感動をよび起さずにはいられないのだ。

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そのSTARBREAKERのアルバムをここでは紹介したい。

DYSPHORIAだ。

これは、幾多のバンドを渡り歩き、そこでいろんな曲を書き、演奏をし、またプロデュースもしてきたマグナス.カールソントニーとのコラボを中心に結成されたバンドだ。

そんなベテランミュージシャンとのコラボは興味がわかないはずはないだろう。

ここでマグナスはギターとキーボードを担当している。

しかし、のっけから凄まじい旋光を放っている“Pure Evil”にはノックダウンされる勢いだ スピーディかつパワフル…このような曲はTNTではついぞ見れなかった。

そういう別の面が見れるのも、他のプロジェクトを愉しむ醍醐味だ。

ツインギターに聞こえるので、ツインギター仕様にしているのかと思いきや、マグナスが1人で2つのギターを担当してレコーディングしているようだ。

勢いといい、力量といい感服せざるを得ない。

LOUD PARKの会場に入ったような錯覚に陥ったくらいだ。


●“Pure Evil
  ↓




次の“Wild Butterflies”は、着実なギターリフを刻み込むミドルテンポだが、これもLOUD PARKで演奏しても決して力負けの観は絶対に与えないヘヴィさをもった佳曲だ。

このアルバムは、カバーの“Starbreaker”以外はすべてトニーマグナスによる作曲作詞だが、それゆえに曲から伝わるパッションは圧倒されざるを得ない。

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次の“Last December”もミドルテンポだが、トニーの歌のうまさは、TNTでもお墨付きだったが、このようなミドルのようなごまかしの効かない曲でこそ真価が問われる。

やはり、高い部分であろうが、低い部分だろうが、どの場面でも聴きいらざるを得ない品位を所持しているのだ。

悪い面を見つけろといってもないのだ、皆無だ。


●“How Many More Good-bye
  ↓




そんなことを考えていると、真骨頂と言えるバラード調から始まる次の曲である“How Many More Good-bye”に突入する。

朝焼けの山頂を彷彿とさせるSEから、エモーショナルに少し速めに加速する。

そこに、エモーションのかかったマグナスのギターフレーズが折り重なり、再び朝焼けの山頂を彷彿とさせるSEに切り替わると何とも言えない感動が脳内を蔽う。


こういう感動する場面はかつてのWINGERの得意とするところだった。


 
      WINGER


他にも良い曲はあるが、この曲だけ目当てにこのCDを買ってもいいくらいだといっても過言ではない。

次は叙情的で静けさにあふれたピアノに導かれて始まるバラードの“Beautiful One”だ。

TNT“End Of The Line”が好きになれる人は、必然的にこのバラードも感動するのは間違いない。

やはり、自分の人生にとって感動するバラードは必須だというモラルになってしまっているようだ。



ゆえに、そういったものがまるでないメタルバンドはある程度好きになれても大ファンにはなれないのだろう。

勿論、例外はあるが…。

緩急の妙が見事なマグナスのギターソロも光っている。

どうも最大限に生かし、感動をよび起すのはこういったバラード、あるいはバラード調の曲なのだと必然的に思ってしまう。

タイトルトラックの若干速めの“Dysphoria”を挟んで、バラード調で始まりミドルで叙情的な曲である“My Heart Belongs To You”につながる。

そしてバラード調の“Fire Away”につながる。

その“My Heart Belongs To You”のエモーショナルな曲を聴いていると、どうしても思ってしまうのは、こういう曲調でこそトニーのエモーションを活かすことができる、ということだ。

彼がSKID ROWに加入して、アルバムも作らず、コンサートもせず脱退してしまったのは周知の事実だが、そのまま加入したままライヴで、“Youth Gone Wild”“Piece Of Me”を歌っても、それらのメロディラインは、トニーの得意とするところではないだろう。

いや彼の力量があれば、敢然と歌いこなすことはへでもないだろうが、聴き手に感動をよび起さないだろうということである。

元より、これらの曲は彼の書いた歌詞でないから、感動は、少なくとも私はしないだろうということだ。

やはり彼がイニシアティブを握って作ったバンドこそが、彼の魅力を最大限に生きるということだ。

また、これまで出てきたバラードやバラード調の曲でのキーボードの音色の素晴らしさにも脱帽だ。

ギターだけでなく、そのキーボードもマグナスが担当している。

その作曲能力にも脱帽だ。


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マグナス.カールソン


ギターとしての力量もさることながら、キーボードもこんなに上手く、しかもエモーショナルに弾けるとは…まさに脱帽だ。

そんな思いにさせてくれるのが、“Bright Star Blind Me”だ。

そして、このバンド名由来の“Starbreaker”で幕を閉じる。

この曲は、JUDAS PRIESTのオフィシャルDVDであるEPITAPHで演奏されている。

興味ある人は、それも観るのがいいだろう。

しかし、こういった恒常的なバンドでない場合、早速生産中止になってしまうか、廃盤になりやすい。

いくら、内容が素晴らしいモノであってもだ。

脅してはなく事実で、私はそういう経験を多くしてきた。

興味が湧いたら、すぐさま買っておかなくては悲惨な状態になってしまうのだ。

煽っているのではない。

そうなりたくない人は、すぐさま購入すべしだ(笑)


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今回はこれにて終了します。

ありがとうございました。

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