今年の9月3日に『SONGWRITER』を発表したリチャード.マークスだが、この人を初めて知ったのは88年のことだ。
その初めて見たのは番組『ベストヒットUSA』を見ていたら幾度となく、何枚かのシングルがチャートインして、ラジオでも何度も聴いたから、自然と知ることになった。
その回数ゆえにではなく、その楽曲の良さに当然惚れたのだ。
『SONGWRITER』
その当時、私はいろんなHRバンドにのめりこむ年になっていたのだ、BON JOVIのファンになってからというもの。
そしていろんな洋楽雑誌を見ていて、POISONも知ったのだ。
POISONのシンガーであるブレット.マイケルズも、リチャードと同じくイケメンだし、かなり歌が上手かったゆえに、当然耳朶に残り、いつしかこのバンドのアルバムを買いたい!と思えるようになっていたのだ。
リチャード.マークスとブレット.マイケルズ、今回はこの2人の共通点をあぶりだしたい。
この2人は、同じ1963年生まれで、アメリカ生まれ、そしてどの曲でも作詞作曲にメインで関与しているイケメンのシンガーなのだ。
リチャードはシンガーソングライターであり、ブレットはバンドの一員であるという違いはあるが、これだけの共通点があるのは珍しいだろう。
ブレット.マイケルズ
私がそれぞれを知ったのは、同じく88年というのも共通している…ってそんなこと誰も興味ないだろうが(笑)
そして、共通点だが、この88年に2人とも全米でナンバーワンソングを出し、その曲が収録された曲が、それぞれのキャリア最高の売り上げを果たしたということである。
リチャードは『REPEAT OFFENDER』、ブレットは『OPEN UP AND SAY…AHH !』を出し、それぞれ400万枚と500万枚を売ったのだ。
『REPEAT OFFENDER』
『OPEN UP AND SAY…AHH !』
それぞれのナンバーワンソングは“Right Here Waiting”と“Every Rose Has Its Thorn”だ。
しかもそれぞれバラードだ。
●“Right Here Waiting”
↓
また両者とも89年に来日公演が実現し、ともに日本武道館での公演が敢行された。
これだけ共通点があるのも珍しいだろう。
それぞれの曲を聴いた時の感動が忘れられないがゆえに、あれから34年もたったのかと思うほど時のたつのは早いものだ。
これだけの年月が経っても、これだけの枚数を売ったがゆえに、この2枚のアルバムは今でも入手可能だ。
ただ、POISONはアルバムを10年以上出していないが、今でもライヴだけはしているので、その便乗効果で売れているのだろう。
リチャードは、アルバムを3年おきくらいにアルバムを出し続けているし、今年も出した。
リチャード.マークス
しかし、リチャードはそんなに頻繁にツアーもこなしていないがゆえに、売り上げはそれほど芳しくなくなっているのか、デビュー作やセカンドアルバムが、期間限定で廉価発売されることがある。
それが終わってしまい、廃盤になる。
そしてまた期間限定の廉価販売をする、という手法がとられることがある。
やはり、そういう販売の工夫をすることで、買われやすくする必要があるのだろう。
デビュー作やセカンドアルバムはそれぞれ300万枚、400万枚を売り、サードは200万枚、4thは100万枚を売った。
これだけうれれば、その良さが口込みやメディアで伝わり、世界中で売れ続け、カラオケで歌われ、それで印税が入り続けるのだ。
売れた実績が出れば、レコード会社の意向など気にせずにアルバムを出すことができるのだ。
それぞれやりたいことに専心するようになる…要するにわがままになるのだ。
リチャードとPOISONともに、5枚目以降のアルバムはヒット路線を狙っているようには見えない作品という傾向が見て取れたのだ。
特にリチャードの方はその意向が強いと思われる。
それまでは、ロック志向が強いのがわかったが、5枚目からは急にソフト化が進んだ。
そしてバックバンドが、きちんといたにもかかわらず近年では、バックバンドはなしでアコースティックギターを弾きながら歌うライヴに変身してしまったのだ。
2016年に、リチャードが来日公演を行い、EX THEATER ROPPONGIに行って観に行ったが、それはそれで悪くはなかったが、物足りなさは否めなかったし、そういうライヴが映像として発売されても、そんなに見る気は起きないのが通常だろう。
88年に私がファンになったBON JOVIもしかりで、あれほどソフト化路線に突っ走ってもらっては、聴くモチベーションは下がる一方だ。
それでは、それまでのファンは逃げたくなるのはやむを得ない。
やはり両者とも、アルバムの売り上げも、コンサートの観客数も年々減っているのがわかる。
しかし、私は一度好きになったアーティストは余程のことがない限り、ファンを続けようというモラルなのだ。
ゆえに、来日コンサートが決まれば料金と都合がフィットすれば行くし、アルバムは必ず買って聴くし、何度も聴いてよくなかったら、ヤフオク等で売ることにしている。
しかし、不思議とリチャードとPOISONに関しては、アルバムを手離して売ったことは皆無なのだ。
それも両者に共通する面だ。
しかし、共通していないのは、POISONは89年の来日公演以来、一度も日本に足を踏んでいないのだ。
でも、デビューから3作目までは素晴らしい楽曲とヘヴィネスを維持しているので、これらの曲が納められたブートを観るとはやり興奮する。
そして、なぜ日本に来ないのかと残念がるだけで終わってしまう。
そして、リチャードとブレットの共通点として挙げれるのは、両者とも他のアーティストに楽曲提供をしてきたことだ。
リチャードはN' SYNCに“This I Promise You”を提供した。
このシングルは全米5位にまで上がり、このシングルを収めた『NO STRINGS ATTACHÉD』 アルバムは全米1位を獲得。
そして他のシングルも大ヒットし、結果的にアルバムは全米で1450万枚、世界中で5000万枚を売る大ヒットになった。
『NO STRINGS ATTACHÉD』
こんなことを書いては失敬なのは百も承知だが、これまでのリチャードのアルバムやシングルの総計の世界中での売り上げは3000万枚といわれる。
しかし、楽曲提供した当のリチャードよりもN' SYNCは1枚のアルバムだけで、リチャードのアルバム、シングルの世界での総計以上を売ったことになる。
面目ない…そんなことはないだろうが。
そして、POISONであるが、これは楽曲提供ではないが、のちにアメリカ人女性アーティストであるマイリー.サイラスが2010年に発表したアルバムである『CAN'T BE TAMED』において“Every Rose Has Its Thorn”がカバーされることになる。
このアルバムは全米チャートでは3位を記録して、世界中では100万枚を売ることになる。
これは昨今のネットブームにおいて、動画で楽曲が確認できてしまうゆえに、シングルやアルバムが売れなくなってしまった事態に起因することは間違いない。
もっと年代が早くデビューしていれば、彼女はもっと売れていたことは間違いない!
●“Every Rose Has Its Thorn”
↓
N'SYNCのファンにしろ、マイリーのファンにしろ、カラオケでそれらのシングルが気に入って歌うことで、それらを作曲したリチャードやPOISONのメンバーに印税が入ってくる。
そして、N'SYNCのアルバムにしろ、ベストアルバムにしろどちらも“This I Promise You”が収録されているがゆえに、これらが売れれば売れるほどリチャードに印税が入ってくる。
マイリーにはまだベストアルバムは発表されてはいないが、『CAN'T BE TAMED』アルバムが売れれば“Every Rose Has Its Thorn”が収録されているがゆえに、POISONのメンバーに印税が入ってくる。
こういう理由ゆえに、音楽アーティストはデビュー当初のように意気込んでアルバムを出したり、ツアーに出たりしなくなるのだ。
しかし、それでは往年のファンは哀しいだろう。
これまで、POISONはMOTLEY CRUEと一緒のギグやフェスに参加してきたが、やはりMOTLEY CRUEのほうがアルバムでは売れてきたので、POISONのほうが出演するのは先だ。
曲のスケールや圧倒感ではMOTLEY CRUEの方が断然上なのに、なぜか私はPOISONを聴いた数の方が断然多い。
やはり、シンガーが歌詞を書く能力がないがゆえに書けない、あるいはバンド内の事情で書けないという場合、私はどうしても歌に感動できず、そのまま聴く回数が減ってしまい、いつしかファンであることを往々にして忘れてしまっていたことがある。
MOTLEY CRUEもしかりである。
シンガーのヴィンス.ニールは、バンド内ではニッキー.シックスにイニシアティブを握られているので作詞ができない。
ゆえにヴィンスは他人が書いた歌詞をうたうことになり、それで私はそんなにMOTLEY CRUEの曲にノレないできたのだ。
『GIRLS、GIRLS、GIRLS』や『Dr.FEELGOOD』であれほど夢中になったのに不思議だったが、やはりシンガーが歌詞を書かないで歌っても、他人の書いた歌詞に感情を100%込めるのは不可能ゆえに、90年代中盤以降のアルバムはどれも感動できずに終わっていたのだ。
しかし、POISONはシンガーのブレットも作詞しているがゆえに、歌にノレるのだ。
アルバムやシングルでの売り上げは断然MOTLEY CRUEの方がPOISONよりも勝っていたがゆえに、この両者が同じフェスやカップリングをすれば、POISONの方が先なのは当然だったが私は解せなかったのだ。
しかし、デビュー作、セカンド、サードでは、それぞれ300万枚、500万枚、300万枚と売ったので、ハリウッドタイプのハードロックバンドを集めたフェスではいつもPOISONがトリを務めれたのは言うまでもない。
RATT,CINDERELLA,DOKKEN,GREAT WHITE, L.A GUNSといったバンドが参戦したフェスでは当然、POISONがトリだったし、今もそうだ。
そうなったときには、手離しで喜んできたし、だからこそPOISONには日本に来てほしかったのだ。
こういったハリウッドタイプのHRバンドを集めたフェスならば、そのまま日本でもやってきてほしかったし、それが不可能ならば『LOUD PARK』のようなフェスへの参加でもよかったのだ。
しかし、いずれも叶えられずじまいだった。
やはりその要因として考えれるのは、アルバムを出さなくなってしまったことが大きな原因だろうか?
ゆえに、認知されずに話題にも出されずじまい。
ならば、やる気を起こしてアルバムを出してほしいということになってしまう…ありきたりだが。
今年敢行されたMOTLEY CRUE,DEF LEPPARD,POISON,JOAN JETTの組み合わせでのアメリカンツアーは一度大成功のまま終了したが、来年にもアジアで敢行される予定であるらしい。
そのなかにも日本が入っているのかどうかは不明だが、入れれるのであれば是が非でも入れてほしいところだ。
もう30年以上もPOISONは、日本に来ていないのだから。
リチャードも同様に、また日本に来てほしいものだ。
ただし、あのアコースティックライヴなどではなく、フルエレクトリックヴァージョンでである。
あのヴァージョンでは物足りないのは明白だ。
いろんなアーティストの歴史を垣間見るに、歳月を経るごとに活動が縮小、あるいは停止しがちになるのは必然なのであろうか?
また音がソフト化してしまうのも必然なのだろうか?
それが必然であるなどと哀しいことは思いたくないものだ。
20代のころのようにとは言わないが、いつまでも活発に活動して、しかもライヴツアーを敢行するのは自身に義務化してほしい。 それが私の願いである。
今回はこれにて終了したい。
●以下、リチャードとPOISONの双方のキャリア最大のヒット作を紹介したい!
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Richard Marx リチャードマークス / Repeat Offender | ||||
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Poison ポイズン / Open Up And Say Ahh | ||||
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POISONのクリップ集は以下。
↓
GREATEST VIDEO HITS
●以下のサイトでも取り扱っています。
↓
タワーレコード
【HMV】ローチケHMV|音楽CD・DVD
今回はこれにて終了します。
ありがとうございました。