(追悼)バーニー.マースデン(ex.WHITESNAKE)を悼む。バーニーのモラルと音楽性とは?

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WHITESNAKEの元ギタリストであったバーニー.マースデンが亡くなった、ことをネットの某ページで見つけた。

享年72歳と書いてあった。

私は「あれっ!」と思ったのだ。

この年齢は、WHITESNAKEの現ヴォーカリストであるデヴィッド.カヴァーデールと年齢が一緒ではないか、ということである。

ウィキペディアで調べるも、やはり同じだ。 WHITESNAKEは88年の昔から知っているし、バーニーも元ギタリストであることも当然、当時から知っていた。

その在籍時の写真も見ていた。


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 バーニー.マースデン


その時思ったのは、デヴィッドよりもかなり年配なのではないか、ということであった。

しかし、30年以上の月日がたち、ようやく彼らが同じ年であることを知ったのだ(笑)。

その理由は、体格にもよっている。

バーニーは太っていて、無駄な肉も体についている。

かたやデヴィッドはスリムな体型をしている。

デヴィッドは、筋トレも有酸素運動も欠かさず週何回かしているからだという。

しかし、バーニーはそういう習慣がほとんどないのだろう。

それが体型にあらわられている。

WHITESNAKE82年のアルバムであるSAINTS AND SINNERSを最後にバーニーは脱退。

その後、2013年WHITESNAKEのステージに飛び入りして演奏する映像が出ているが、あまりにスリムなデヴィッドに対して、バーニーは中年太りのじいちゃんになりかけのオッサンにしか見えない。

このことからも、同じ年齢には見えなかったのだ。

こういったエクササイズを習慣づけるモラルと、そうでないモラル…これが起因して音楽的にも歌詞的にも齟齬をきたしていたのだろうか?

そんな気がしてならないのだ。

“Fool For Your Loving”


「じじいたちとなんかやってられるか!」といってデヴィッドは、これまでのメンバーを追い出した、とSAINTS AND SINNERSのライナーノーツには書いてある。

本当にデヴィッドがやりたかったのは、やはりWHITESNAKE 87』のような音楽だったのだろうか? それだとしても、全く84年までの作品を否定するわけではないだろう。

あのデヴィッドのディープヴォイスを最大限に活かすには、あのWHITESNAKE 87』でこそなのだと思うのは私だけではないだろう。


白蛇の紋章
WHITESNAKE 87』


現にあのアルバムはアメリだけで800万枚をこれまでに売ってきた。

これこそがバンド最大の売り上げを記録したのだ。

しかし、それまでのアルバムが全部だめだったのかというとそうでもなく、やはり暗く侘びしい部屋で聴くにはもってこいの、深いブルーズソングも、味が感じれる。

それがバーニー在籍時の78年~82年までのWHITESNAKEのアルバムなのだ。

現に“Wine,Women And Song”Bloody Maryといった酒の名を冠したソングは、この時期のバンドにはあるが87年以降WHITESNAKEにはない。

そういったソングを歌うには、87年以降のあのゴージャスな音楽性は不要である。

やはりしみじみとしたコード進行に、手なりのやさしいギターフレーズやギターソロこそが活きるのだろうか。

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こういったサケソングを愉しむということから、バーニーの人生観もうかがえる。

しかし、エクササイズを嗜むデヴィッドとはモラルに齟齬が生じていた可能性もある。

エクササイズを習慣づけている人にはアルコールは不要である。

というかアルコールを飲んでしまっては、眠くなってできた話ではないのだ。

人によって違うだろうが、飲むと最低でも2時間は寝なくてはエクササイズなどできないのだ。

勿論、デヴィッドもアルコールは嗜むだろう。

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しかし、習慣づけるほどの頻度ではないのは明らかだ。

あのバーニーのビールっぱらにだぶだぶの脂肪。

それに対して、スリムで筋肉質なデヴィッドの体型は、若い女性ならば50代後半のおじさんでもいいからオフィスラヴをしたくなるほどのセクシーさを誇っていた。

体は年の経年に任せるというモラルと、アンチエイジングしていくというモラルでは体型にも歌詞にも違いが出てくる、ということだ。

それらのどちらを支持するかは、その人によって違ってくるし、どちらが正しいかということでもないのだ。

単なる価値観の違いである。

いつまでも若くいたいというモラルであれば、それが感情ひいては歌詞や音楽にも現れて、激しく溌溂とした曲に必然的になるはずだ。

そういう曲は82年までのWHITESNAKEには少ない。

私は、デヴィッドのモラルに憧れるがゆえに、87年以降WHITESNAKEのファンでい続けるということだ。

そのデヴィッドの激しい感情を最大限活かして最高の佳曲に仕上げるには、バーニーやもう1人のギタリストであったミッキー. ムーディではできた話ではなかったのだ。

やはり現代的なテクを有したギタリストであったジョン.サイクスでなくては…。


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 デヴィッド.カヴァーデール


しかし、そのジョンもあの87年のアルバムを発表後に解雇されてしまったのは皮肉でしかない。

バンドの初期とそれ以降で、あれほど音楽的な断絶があるバンドは珍しい。

その断絶に付き合える人は結構いるのだろう。

デビュー作から最新アルバムまで、WHITESNAKEのアルバムはすべて入手可能なのだ。

デビュー作であるTROUBLEも、Anniversaryモノが出ているくらいなのだ。

大ヒットにはつなっがっていないが、じわりじわりと売れ続けていたからこそこういうことが起きるのだ。

“Wine、Women And Songs”


その功績の1人がバーニー.マースデンにもあるだろう。 派手さはないが、ブールージーな曲を活かすフレーズを持っているのだ。

前出の“Wine,Women And Song”にしろ、SAINTS AND SINNERSの収められてのちに『WHITESNAKE』でリメイクされて大ヒットした“Here I Go Again”や、“Would I Lie To You”“Fool For Your Loving”や隠れた名曲である“Young Blood”バーニーが作曲に関わった曲である。

彼が亡くなった今こそ、その功績を称えようではないか!

しかし、齢60を超えたあたりから、同年代の人間がどんどんなくなっていくという経験は他の人からも聞く話しだ。

デヴィッドは、これまでコージー.パウエル、ジョン.ロード、メル.ギャレーといった盟友や、元妻だったタウニー.キタエンと死別している。

これは哀しい限りだ。

その哀しみがまたデヴィッドのブルーズテイストを更に高めることになることを祈ってやまない。

人生一回限りだからこそ、また、もう会えない人になってしまったからこそ、死別してしまった人の回顧は不可欠だろう。 其の1人がバーニー.マースデンであることは間違いないだろう。

そのバーニー在籍時のWHITESNAKEベストソングを集めたアルバムを以下に紹介したい!


●此方からどうぞ!
  ↓

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●以下のサイトでも取り扱っています。
  ↓

タワーレコード

【HMV】ローチケHMV|音楽CD・DVD


今回はこれにて終了します。

ありがとうございました。

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♯バーニー.マースデン
WHITESNAKE
♯Fool For Your Loving
♯Here I Go Again