(コラム)今年、MOTLEY CRUEとドッキングを実現したDEF LEPPARDの過去のドッキング来日公演とは?

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今年のMOTLEY CRUE,DEF LEPPPARDの組み合わせでの来日公演は、今年最大級のHRイベントといってもいい。

80年代初頭から、この両者は大ヒットを出し続けて、HR界を牽引してきて、世界でミリオン級のファンがいるのは確かだ。

MOTLEY CRUEは引退宣言からの復活ということもあり、歓待を受けていることは間違いない。

しかし、不可解なのはアメリでは両者に加えて、POISONJOAN JETも加わっていたにもかかわらず、ここ日本ではその2者は省かれている。


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         POISON


私はPOISONには大きな思い入れがあり、89年の来日公演時には、お小遣いだけしかないのでチケットが買えなかったという事由により、行けなかったのだ。

しかし、自分で稼げるようになれば、また来た時に、チケットを買って行こうと決めていたのだ。

しかし、それ以降、このバンドは35年以上たっても日本にこれずじまいなのだ…実に不可解なことだ。

しかし、DEF LEPPARDは、こういうドッキングには相性がいい。

2008年も、ドッキングで来たのだ。

そう、WHITESNAKEと一緒に、これも夢の体現だろう。

97年に引退宣言をしたMR.WHITESNAKEことデヴィッド.カヴァーデールは、その6年後にその引退宣言を取り消し、2003年に復活。

その年も、2006年にも日本公演をしてくれた。

それまではGREATEST HITSの趣きだけで、ニューアルバムを出さずに来日公演といういで立ちだったが、この2008年には、ニューアルバムを出しながらの来日公演だったのだ。


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      WHITESNAKE



そのWHITESNAKEとのドッキングも、当時のHRを興奮させたことは間違いない。

WHITESNAKEは、70年代の後半から活動し、80年代の後半に大ヒットを飛ばし、HR界を牽引するバンドの1つになりえたのは間違いない。

WHITESNAKEDEF LEPPARDの2つがドッキングすれば、かなりの程度、眠っていたファンを呼び起こしたことは間違いない。

単独公演では、過去みたからいいや、という因子が働き、行かずじまいになることは往々にしてあるが、2つのバンドがドッキングすれば、2つを同時に見たいという気になり、これまで行かずじまいだった人も起こすことに間違いない。

実際、2者それぞれの単独公演のとき以上の、ファンを動員することにつながっていたのだ。

こういうドッキングフェスでのメリットは、これまで知らなかったことが発見できることだろう。

これまで行ったことのなかったアーティストの魅力を、その場で知ることになり、そのアーティストのファンになれることにつながる、ということだろう。

このWHITESNAKEDEF LEPPARDのドッキングに私も足を運んだ。

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しかし、この時思ったのは、「これほどDEF LEPPARDの楽曲は良かったのか!」ということだ。

佳曲揃いだったアルバムを多く出してきたこのバンドだったが、他のアーティストに夢中になって、それほどわからずじまいだったが、このライヴでその良さを身をもって知ることになったのだった。

このバンドの良さは、欧米でのそれと比較して、ここに日本でそれほど評価されているとはいいがたい。

なにせ、PYROMANIAHYSTERIAは2つとも、アメリカだけで1000万枚以上売れているのだから。

その偉業をここ日本で語られている雑誌記事をみたことがないのだ…って、私のチェック忘れだろうか?(笑)

しかし、そういった欧米での評価と同じような評価がなされていれば、もっと日本でも人気が噴出して東京ドーム公演が実現しても、おかしくはないはないはずだ。

しかし、いずれその評価が妥当になされて、いずれ東京ドーム公演を実現してくれるのかと思いきやそうはならずじまいだった。

このバンド最大の、人気沸騰したのはADRENALIZEの時だろう。


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ADRENALIZE


前2アルバムほどは売れなかったが、それでも全米初登場1位を記録して、アメリだけでも300万枚を売った。

ここ日本でも人気沸騰して、日本武道館3日間を達成することになる。

どうも、最大の観客動員数を記録するのは、最大のヒットアルバムの次のアルバム時、というのがどのバンドでも相場のようだ。

BON JOVIの最大のヒットはSLIPPERY WHEN WETだが、その次のアルバム時の方が観客動員数は増えていた。

EUROPEの最大のヒットはTHE FINAL COUNTDOWNだが、その次のアルバム時の方が観客動員数は増えていた。

その例にもれず、DEF LEPPARDの最大の観客動員数を記録したのは、最大ヒットの『HYSTERIA』の次のADRENALIZEの時だった。

この時の観客動員数を調べれば、東京ドーム1杯分にはなるし、アーティスト側の要望があれば、東京ドームだけに絞ってくれ、と言われれば、それも可能だっただろうが、このの時はまだプロ野球でドームが使われる時期だったので、それは不可だった。

こういう偉業を考えれば、WHITESNAKEが先に演奏することなったのは致し方なかっただろう。

DEF LEPPARDの3大ヒットアルバムを鑑みれば、ライヴは必然的に、GREATEST HITSの様相を呈するのは必然だった。

実際そうだったのだ。

わざわざ、ヒット曲を集めようとしなくても、自然とそうなってしまう…実に羨ましい事態だ。

この来日公演時の彼らのニューアルバムSONGS FROM SPARKLE LOUNGEは全米で5位、全英で10位にまで上昇した!


sparkle lounge
SONGS FROM SPARKLE LOUNGE


そのアルバムからの曲も当然演奏されたが、今はもうそこからは演奏されることはまずない。

それを体感できたのだから、自分はラッキーだったといっていだろう。



もうこの曲の反応からして、DEF LEPPARDの人気の底力をみた気がした。

待ってましたとばかりに、観客が歓声を上げて歓待する。

WHITESNAKE以上の歓声の濃さを体感した。

私は日本武道館に足を運んだが、「こんな歓待するならなぜ前回のDEF LEPPARDの単独公演では1600人収容渋谷公会堂でしかできなかったの?」と他の人が思わないようなことを脳裏に浮かばらせてしまったのだ(笑)

それは、やはり先に書いたように、単独公演では前回言ったから今回はいいやという気が必然的に出てしまうものなのだ。

この時のジョー.エリオットのインタビューで「こういうドッキングは1+13だと思う。」と言っていたのを思い出す。


 
   ジョー.エリオット


勿論、似通ったバンドのドッキングの場合は、である。

DEF LEPPARDエルヴィス.コステロがドッキングしてもこうはならないのは言うまでもない。

その次のAnimal”も同様HYSTERIAからの選曲であるが、サビの前のところで、ジョー.エリオットが手拍子をパンパンッと打つと、観客もそれを真似するように手拍子を打つ!

曲の良さや内容の濃さに加え、こういったライヴでのアーティストと観客が一体になれる瞬間こそがコンサートの醍醐味ではないだろうか?

このコンサートにおいてHYSTERIAからは6曲が演奏され、PYROMANIAからは3曲ADRENALIZEからは2曲と、DEF LEPPARD史上売れた3大アルバムからは計11曲と、これだけでもベストライヴ、グレイテストヒッツライヴと呼ぶに値するライヴだ!

先のWHITESNAKEにおいては観客が座ってしまう場面があったが、私の周りを見た限り、DEF LEPPARDの時に座る人は1人もいなかった。

みんな緊張感を途切れさすことなく、合唱をし、拳をふりあげていた。

そして、新しい試みを施した最新アルバムからは、以下の曲がなされ、心が浮揚したのをおぼえている!


●“C’mon C’mon
  ↓




そして、アンコールの後、ADRENALIZEからのキャッチーで気分が高揚してしまう“Let’s Get Rocked”でこのジョイントコンサートは終了した。

思えば、DEF LEPPARDWHITESNAKEのように、テクニカルなギターテクニックで聴き手を魅了してきたバンドではない。



   DEF LEPPARD


むしろ、キャッチーで親しみやすいメロディやサビのある曲で人気を獲得してきたバンドである。

そういった点からいえば、DEF LEPPARDはテクニックにおいては1枚劣っているといえる。

しかし、バンドを好きになるかどうかは、最後は全体的な曲の良さであることは間違いない。

そういった良い曲を量産してきたからこそ、DEF LEPPARDは今日の地位を獲得してきたといっても良い。

これまでの彼らの偉業を垣間見れば、これからも永遠にその良さは語り継がれるだろうことは間違いない!


●“Pour Some Sugar On Me
  ↓




私がこれまでDEF LEPPARDのコンサートに足を運ばず、アルバムもあまり買わずに来たのは、やはりテクニカルな速弾きプレイをこのバンドからは見れなかったからだということが分かった。

私はテクニックを売りものにするバンドが大好きなのだから、必然的にそういうバンドに意識がいってしまうのだ。

しかし、そうでなくても、かなりこのバンドの良さはもちろん、人気の底力をいやというほど体感したライヴだったことに間違いはない。

関心がこのバンドに傾きだしたのだ。

それがあの『HYSTERIA』の完全再現をオフィシャル映像化したVIVA! HYSTERIAを購入して、それを何度も観ては悦にふけるという今の自分の行為につながっているのだ。



ゆえに、アルバム発表は来日公演を頻繁にすることによって、そのアーティストとの心の親近感は強くなることに違いはないのだ。

ブランクを置いたり、活動休止といったことをしていては、ファンの心は離れていってしまう。

ゆえに、今年のドッキングにはPOISONにも来てほしかったのだが、理由はわからず来ずじまい世界七不思議の1つだ、って大げさか!(笑)

このドッキングの日は最高の1日だったことは明記しておかなくてはならないだろう。

DEF LEPPARD set list (2008年)
Rocket
C’mon C’mon
Animal
Nine Lives
Make Love Like A Man
Love Bites
Rock On
Two Step Behind
Brigin’ On A Heartbreak
Switch 625
Hysteria
Armageddon It
Photograph
Pour Some Sugar On Me
Rock Of Ages

(ENCORE)
Bad Actress
Let’s Get Rocked



この来日時の彼らの最新アルバムは、SONGS FROM SPARCLE LOUNGE
このアルバムには、以下の新曲が収録されている。

“Nine Lives”


アルバム(Amazon)
SONGS FROM SPARCLE LOUNGE

●以下のサイトでも取り扱っています。
  ↓

タワーレコード

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今回はこれにて終了します。

ありがとうございました。

asak175827


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